大分県国東市にある六郷満山の古刹。お寺に上がる階段はやや急で長い。山門の代わりに立っている、歴史の古い無骨な仁王像にも特徴がある。
国東半島の六郷満山の文化を醸し出しており、古寺と豊かな自然との景観が調和して、とても風格がある。
日本三文殊のひとつであり、役行者 (役小角) によって創建されたという伝説がある。寺の周囲の「文殊耶馬」は国の名勝に指定されている。
日本三文殊とは、奈良県桜井市阿部にある安倍文殊院を第一とし、京都府宮津市智恩寺の切戸文殊、山形県高畠町の亀岡文殊、国東半島の文殊仙寺、京都市の中山文殊などの二つを加えて云われることが多い。
・国東半島の六郷満山文化と仁王像について
国東半島は 大分県北東部に位置する円形の半島である。
半島中央部の高まり(両子火山群) から四囲に向かって、山の尾根とそれに挟まれた渓谷が放射状に延びている。 国東半島全体が両子火山の噴出物で形成されており、放射の中心点は半島最高峰の両子山 (約720メートル) である。
奈良時代から平安時代にかけて、仏教の天台宗に、宇佐神宮に由来する八幡信仰を取り入れた「六郷満山」と呼ばれる仏教文化が形成された。
国東半島の神社や寺の山門は、丸彫りの石の仁王像が祀られている。
石造の仁王像は国東半島全域にあり、国東半島の貴重な文化遺産となっている。
仁王像は、寺の山門に祀られた木造のものが多く、寺の山門の左右に安置される。 仁王は伽藍と仏の守護神であり、一般的には上半身裸の金剛力士像の形だが、古い時代の仁王像は鎧甲冑を着けているものもある。仁王は帝釈天の化身とも言われる。
向かって右が、口を開けた阿形、左が、口を結んだ吽形である。
「阿吽」の「阿」は口を開くとき最初に出てくる音で、始まりを表わし、「吽」は口を閉じた最後の音で、終わりを表す。 「阿吽」の二字で、すべての事柄の成り立ちを表すと言われている。
・天台宗 峨眉山 文殊仙寺
文殊仙寺は、飛鳥時代の648年に役小角 (役行者) 開基との伝承がある六郷満山の寺である。
長い急坂の石階を登ったところに庫裡、客殿、惣門、本堂、その他 奥の院の六所権現や、岩屋の十王堂がある。
文殊仙寺の石造仁王像は、慶安元年 (1648年) 建造。高さ 約2メートル。左手に金剛杵を握り、右手下方の肋骨を数珠玉であらわしている。
文殊仙寺には珍しい (九州に二体)「木造鬼大師像」が祭られている。
比叡山延暦寺を中興した良源 が鬼神 (鬼大師)...
Read more12年に一度の文珠菩薩ご開帳の際に伺いました。 駐車場はあまり広くなく、11時にはすでに列をなしていましたが、循環が早いので待たずに済みました。 鬱蒼とした林の中、石段の脇にはそこかしこに石仏が。仁王像が格好良すぎて、写真撮影にも熱が入りました。苔をまとった風合いが渋すぎる。 階段は三百段ほどあるので、脚がつらい方は周り道をゆっくり上ってみるのもいいかもしれません。鐘楼の脇に着くようになっています。わたしは帰りにそのルートを使いました。
皆さん既参拝なのか、御本尊を拝観するとそのまま下山する流れが多かったのですが、境内は他にもいろいろと見処があります。隅々まで首をつっこませていただき、とても楽しかったです。 鐘楼の鐘はすごく響くので、優しく突いてあげてください。
お寺の方々は大変慣れた様子で、参拝客を案内しておられました。 わたしの前にいたご高齢の女性は、本当に見たの?と訊きたくなるほどサラッと拝観を済ませていました。 人間て大きなモノに価値を見い出しがちですが、こちらの御本尊はとても小ぶりです。 その場では黙って拝み、後ろで待っておられる方に譲る、というのが作法かなと思いました。感想を気軽に口にしてはいけないような、秘仏ならではの雰囲気があります。 お寺を後にし、しばらくしてから、連れと本音を語り合いました。 「かわいかったね」 こちらの秘仏は、まさにこの一言に尽きます。 リカちゃん人形のように瞳が輝いていて、好奇心あふれるお顔をしておられました。 かわいいのに、知的。 最強の仏様ではないかと思います。
こちらには、鬼大師の像もおられるのですが、祈祷をしなければお目にかかれないということで、またの機会にしました。
次回は12年後ですか。 連れと、また拝みに行け...
Read more静かで美しい里山の中にたたずむ「三人寄れば文殊の知恵」で有名なお寺さん。両親やおじいちゃん、おばあちゃんたちと三人で仲良く参詣すればその知恵を授かれるとのこと。もちろん、仲の良いお友達とお参りしてもきっと同じ効果があると思います。 ただ、一番下の参道からちゃんと登ろうというなら、かなり気合いを入れなきゃダメです。不揃いな石造りの階段が結構な急勾配であなたを待ち受けていますからねー。オシャレなかかとの高い靴は避けましょう。お参りするのが困難になるほど息が上がります(笑) 苦労して登りきれば美しい景色が見れますし、目にも鮮やかな御守りグッズがありますので心地よい疲労感に心まで澄んだ感じになって、ここまで来て良かったと思うはずです。が、帰りは登り以上に足元が悪いので十分気をつけて降りましょう。プチ修行が出...
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