この温泉宿の評価5ツ星(当方では稀有な高評価)の理由は「温泉成分」。特に「遊離二酸化炭素成分量」。|日本においては超希少である上、当館には湯屋温泉で唯一の源泉浴槽(無加温)が男性風呂にあります。|近隣の宿も源泉かけ流しですが、熱交換で加温浴槽のみのようです(調査時)。|また、当口コミ内の最下段で湯屋温泉3旅館の温泉成分比較も記しています(参考程度)。||☆遊離二酸化炭素(療養泉基準値1,000mg)が2,327.6mg(当館温泉分析書より)。|本当の「炭酸泉」です。源泉湧出時は。|この遊離二酸化炭素成分量の価値が理解できないと、当温泉を正しく理解することは難しいと思います。|湧出後のガス成分が浴槽までに届くまでにどの程度残っているかは不明ながら、二酸化炭素が療養泉基準値の約2倍超ということと、源泉湧出地から当館までの引湯距離が30mで、加温は熱交換方式。|ボイラーでの加熱もないため(宿での聴き取りによる)、二酸化炭素成分の何某かの残存分が浴槽まで運ばれている?ことに期待できる。|それでも、足元湧出や長湯温泉(大分)のような適温の飽和量以上の二酸化炭素泉のような評価まではなかなか難しい。||源泉名 あけぼの泉|泉質名称|含二酸化炭素-ナトリウム-炭酸水素塩・塩化物泉|(低張性-中性(ph6)-冷鉱泉)|★溶存物質(ガス以外)5,322mg|成分総量 7,651mg|(温泉の泉質や成分の紹介をする時に“溶存物質(ガス以外)”の記載は必須です。温泉マニアの方々にお願いします)|分析日 2019/03/08|禁忌症|腎臓病・高血圧症・その他一般にむくみのあるもの・下痢の時|適応症|慢性消化器病・慢性消化器・糖尿病・痛風・肝臓病・慢性便秘||☆当温泉の温泉基準値超成分(基準値)→分析数値||溶存物質ガス以外(1000mg)→5,322mg|リチウムイオン(1mg)→5.9mg|フッ素イオン(2mg)→3.7mg|メタケイ酸(50mg)→52.9mg|メタホウ酸(5mg)→89.7mg|総硫黄(1mg)→1.3mg||★当温泉の療養泉基準値超成分(基準値)||溶存物質ガス以外(1000mg)→5,322mg|遊離二酸化炭素(1000mg)→2,327.6mg||メタホウ酸が温泉基準値5mgのところ、驚異の89.7mgで、尚且つ、メタケイ酸も温泉基準値超えのダブル効果。|また、療養泉基準値の2mgは超えないものの、総硫黄成分が温泉基準値の1mgを超える1.3mgということで、お肌にも嬉しい温泉(温度は冷鉱泉だが成分基準値超えで“温泉”。さらに療養泉基準値超えで“適応症が表示できる療養泉”)ですね。||男性浴槽2つあり、源泉と加温浴槽。女性浴槽は1つだけらしい(妻談)。|少しお湯色が濃いのは温泉基準値10mgにはわずかに届かないものの、鉄分9.6mgが浴槽で酸化されているため。色の濃いのはエージング(酸化)が進行中ということで、エージングされたお湯を追い出すように新湯が投入されれば、鮮度良く、成分にも期待できる還元系温泉。|当湯は昨今、人気のドバドバ温泉ではありませんが、当日のように2家族(男性3名)のみの入浴客だけであれば、鮮度良好の湯につかることができます。|大事なことは「お湯が新鮮」で「入浴客が少ない」。|且つ、循環と消毒は無。|循環と消毒は衛生事故防止にはなるが、成分維持には期待薄(私的印象です)。| 当旅館の超貴重な源泉浴槽の難は「冷たい」。|以前は源泉温度15℃程で、夏季ならばなんとか我慢して入浴できたらしいが、今は冬。しかも源泉温度が9℃。|温かい方の浴槽で体を温めてから、源泉浴槽に手を突っ込んでいるとだんだん感覚が無くなる。意を決して、片足を入れ、両足を入れ、さあ肩までつかるぞと思ったが途中で何回も断念。冷水風呂に慣れている人じゃないと温浴は難しい。|| 飛騨小坂駅からは宿の送迎があるので、実質的な交通費は電車賃のみ。往復約5,000円少々の旅。|名古屋駅からJR高山線下呂経由で飛騨小坂駅まで約3時間12分乗車。岐阜駅での乗換時間を含めると約3時間30分程度。名古屋から特急利用ならば1時間短縮できるが、料金は倍になる。|| 湯屋温泉を含む「飛騨小坂温泉郷(湯屋・下島)」の平均遊離炭酸濃度は1,237ppm(平成24年時温泉分析表下呂小坂の天然炭酸泉.comより )で、どの宿も含二酸化炭素と表示できる療養泉基準値の1,000mgを超えていてるというのも特徴(2025年1月に確認時)。|源泉の遊離二酸化炭素が250mgを超えたら“温泉法上の温泉”、あるいは“温泉法第2条に該当する温泉”。1000mgを超えたら二酸化炭素泉(旧泉質名:炭酸泉)」で、泉質名「含二酸化炭素」がつき、療養泉として適応症表示が可能。|| 湯屋温泉には3軒の宿が固まって営業されていて、その中から温泉分析書や施設データを確認し、その他温泉書籍を読み漁って選択したのが「奥田屋」さん(あえて“さん”付けです。マナー違反ではなく)。|温泉分析書の源泉成分データではニコニコ荘に優位性があり、宿の装飾・雰囲気では泉岳館、浴槽の印象では奥田屋といった私的想像からの選択なので、他人様にはあまり参考にならないことを念のため記しておく。||宿には申し訳ないが、滞在施設としては快適とは言えず、特に廊下が寒い。男性浴槽まで遠い。寒いが文句は全くないどころか、結果として謝礼を包みたいくらいに、私にとっては価値があった。||まずは食事のことから。|最近、温泉宿の食事を美味しく食べられないことが多々あり、周辺に料理店がある場合は食事なしで宿泊を選択することがある。特に一人旅では宿以外の食事を楽しむことが多い。|理由は団体食的料理(調理から時間経過したり材料の価値や手間が乏しい)が苦手な上、歳をとるにつれ小食になってきていることもある。|とはいえ、量を食べることができないのでバイキングではなんとなく損した気分になったりするという我儘な事情も。|それなら支払い金額を多くして高級宿に宿泊して高品質・高付加価値の懐石料理や三ツ星レストランを選択すれば良いだけだが、料理の素材への投資には惜しみないものの、施設や料理の高級感には支出金額程の満足を得られない悲しい性分。||そんな事情で、「その土地の物を郷土料理的なメニューで少量いただければそれで良い」。 今回はそんな私の性分にピッタリな料理でした。||☆「泡立ちの誤解」||ところで、炭酸泉の泡感について。|私も誤解していたが、先日、ある温泉勉強会で大学の研究者から「炭酸泉でも他の成分との関係や処々の影響で泡が出ないことがあったり、逆に、成分が少なくとも泡立つことがある」ということを教えていただいた。|さらに「泡立ちが好きなら人工炭酸泉で良い」ということでorz。|前述の「カーボンウォーマー」で泡立ち化した温泉もあるのでこの辺りは肌体感派の方々にお任せと言ったところでしょうか。||☆二酸化炭素は湧出時にほぼ消失するという学説あり|二酸化炭素はガス成分なので、地中から湧き出た時点で多くは空気中に拡散する。特に高温の状態では顕著で、有名な玉川温泉でも源泉において含まれる二酸化炭素1,441mgは浴槽までの500mの湯桶の途中で硫化水素ともども消失し、浴槽では検出されないということが「湯治の手引き(改訂版)」で日本温泉科学会前田眞治会長が紹介されている。|いくら源泉湧出地の温泉を分析したデータに高濃度と表示されていても、浴槽で少なくなっていれば、せっかくの療養泉として価値が無いとまでは言えないが、残念な温泉入浴体験となってしまう。||☆成分量だけではなく、質も重要|二酸化炭素泉の評価は源泉の成分データだけでなく、含まれる二酸化炭素の“質”も大事になってくる。|温泉地全体の二酸化炭素含有量が平均1,000mgを切る777ppm(天然炭酸泉.comより)の長湯温泉(大分県)が「炭酸泉日本一」と古くから呼称されるのは、療養泉として質の高い二酸化炭素である「飽和量以上の二酸化炭素」を多く含むからと言われている。|例えば、32度~35度程度の低めの源泉を加熱せずに足元湧出した二酸化炭素泉は、気の抜けた成分数値高めの炭酸泉よりも「濃い」と感じることがある(らしい)。||☆湯屋温泉の他の旅館との温泉成分量比較|・某旅館その1|加温した湯をかけ流し運用|★遊離二酸化炭素...
Read more最近は,1泊2食¥10,000から,¥15,000程度の温泉旅館によく泊まります。|主に情報の少なさと,情報の信頼性の低さから,この価格帯で,食事の美味しい宿を探すのは,これより高額で美味しい宿を探すよりも,難しいです。||そんななか,ブログ “串カツ子の旅日記” は,中低価格帯の旅館を選ぶ際に,料理の美味しさを,最重点においていて,こうした姿勢の人の意見は,とても参考になります。|“蕨屋次郎の温泉ブログ”,“ずっとそばに”(satomikazu),“温泉ソムリエあやぽんの気ままな温泉ブログ” なども,同様の姿勢であり,役立ちます。|この宿は,串カツ子が,湯屋温泉3軒のうち,とくに料理が理由で,1番に推していることを参考に選びました。||非常に美味しい料理です。|自家栽培の蕎麦による蕎麦がき,薄い衣をまとった天ぷらなどは,出来たてで,とても美味しい。|どの品も,味付けがとても良く,気に入らない味の品が無い。|岩魚の骨酒も,自家製のどぶろくも,上等の酒の味がします。|部屋も違う部屋になるという理由から,¥12,000(税抜)のプランにしましたが,¥10,000のコースでも,料理は満足できそうです。||風呂は,炭酸泉ですが,加温しているので,泡付きはなく,鉄を含んだ湯の花も,浴槽に溜まっています。|男性風呂だけにある源泉は,(サウナ後に入る) 水風呂くらい冷たく,身体への泡付きも感じにくく微妙ですが,湯の上方で,無数の細かな泡が,日差しに照らされて見える,面白い体験です (サウナは無い)。|源泉風呂は,なかなか楽しいので,せめて暑い時期だけでも,時間によって,男女交代していただきたいです。||なお,部屋の洗浄器付き便座のコンセントは,自分で差し込む必要があります。|エアコンは,部屋にあります。|窓からは,浅い川のゆったりとした流れが見え,心が和みます。||時に音が響きやすい,風呂に行くのにかなり階段を降りる必要がある,建物設備が古い,なかでも,風呂の窓ガラスなど,掃除に一部行き届いていないところがあるなど,総じて,建物設備管理の不備に耐えられれば,すばらしい旅館と言えます。|のんびりできます。|リピーターが多いようです。|最高と言えそうなコスパゆえ,当然でしょう。||ご主人,女将,若女将で運営されていますが,たまたま (田舎ゆえ)...
Read more最近は,1泊2食¥10,000から,¥15,000程度の温泉旅館によく泊まります。|主に情報の少なさと,情報の信頼性の低さから,この価格帯で,食事の美味しい宿を探すのは,これより高額で美味しい宿を探すよりも,難しいです。||そんななか,ブログ “串カツ子の旅日記” は,中低価格帯の旅館を選ぶ際に,料理の美味しさを,最重点においていて,こうした姿勢の人の意見は,とても参考になります。|“蕨屋次郎の温泉ブログ”,“ずっとそばに”(satomikazu),“温泉ソムリエあやぽんの気ままな温泉ブログ” なども,同様の姿勢であり,役立ちます。|この宿は,串カツ子が,湯屋温泉3軒のうち,とくに料理が理由で,1番に推していることを参考に選びました。||非常に美味しい料理です。|自家栽培の蕎麦による蕎麦がき,薄い衣をまとった天ぷらなどは,出来たてで,とても美味しい。|どの品も,味付けがとても良く,気に入らない味の品が無い。|岩魚の骨酒も,自家製のどぶろくも,上等の酒の味がします。|部屋も違う部屋になるという理由から,¥12,000(税抜)のプランにしましたが,¥10,000のコースでも,料理は満足できそうです。||風呂は,炭酸泉ですが,加温しているので,泡付きはなく,鉄を含んだ湯の花も,浴槽に溜まっています。|男性風呂だけにある源泉は,(サウナ後に入る) 水風呂くらい冷たく,身体への泡付きも感じにくく微妙ですが,湯の上方で,無数の細かな泡が,日差しに照らされて見える,面白い体験です (サウナは無い)。|源泉風呂は,なかなか楽しいので,せめて暑い時期だけでも,時間によって,男女交代していただきたいです。||なお,部屋の洗浄器付き便座のコンセントは,自分で差し込む必要があります。|エアコンは,部屋にあります。|窓からは,浅い川のゆったりとした流れが見え,心が和みます。||時に音が響きやすい,風呂に行くのにかなり階段を降りる必要がある,建物設備が古い,なかでも,風呂の窓ガラスなど,掃除に一部行き届いていないところがあるなど,総じて,建物設備管理の不備に耐えられれば,すばらしい旅館と言えます。|のんびりできます。|リピーターが多いようです。|最高と言えそうなコスパゆえ,当然でしょう。||ご主人,女将,若女将で運営されていますが,たまたま (田舎ゆえ)...
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