Mt. Amanokaguyama

昨年の秋頃、この天香久山(あめのかぐやま)を訪れました。

大和三山の一つとして有名な山で、持統天皇(天武天皇の后、天智天皇の娘)の万葉集の歌にある神聖な山です。

観光ガイド紙(観光案内でもらったコピーした紙)によると、『 天上と地上をつなぐ聖なる山というので[ 天の香久山 ]とよばれ古代の天皇が頂上に登り国見の祭事をした神聖な山であった。 又、香久山は[ 蓬莱山 ]ともよばれ、光輝く美しい山として[ 迦具夜麻 ]と称せられていた。』とあります。

かぐや姫天昇伝説があり、月の誕生石とその伝説、蛇つなぎ石等々あります。

小生(私)は耳成駅(みみなし)を下車し、歩いて真っ直ぐ南下して、万葉の森の古池辺りから散策しました。

持統天皇の" 春過ぎて~ " の万葉集(新古今和歌集にも)の有名な歌は、小生(私)は持統天皇が天香久山に干してあった天の羽衣(白たえ)を、今は盗み出せる(天意を手中にできる、父 天智天皇の意思を継ぐ)という意味合いが含まれていると考えます。

出雲系大和王朝(物部=蘇我氏の政権)から、九州=近江系大和王朝(天智天皇の政権)に、上手く取り戻せたと喜んだ歌ではないかと。

証拠に持統天皇の治世に天智天皇に協力し、天武朝では遠ざけられていた中臣鎌足 (鎌子とも、百済王の末裔の噂あり) とその子 藤原不比等を見事に復活させ、日本書紀の編纂にたずらわせ(責任者)、藤原氏の独り勝ち(藤原氏の不動の栄華)へと繋がっていくのですから。

小生は白たえ(天の羽衣)が干してあったという天香久山頂上に登りました。

意外と小さい山で、頂上までキャリーバックやら沢山の荷物があったにもかかわらず、少々山道は急ではありましたが、すぐに頂上にたどり着きました。

あのくらいの山なら装備などは不要で、子供でも簡単に登れます。

頂上はスペースが狭く、小さな社(国常立神社)がありました。

参拝した後、山頂のベンチにて暫し休憩。 山林が陽光を遮り、空間は狭く、白たえを干していた場所は山頂ではなかったのかもしれないと思いました。

畝傍山方面の盆地の景色が、かろうじて山林の間から観ることができました。

大和の歴代の大王(おおきみ)たちが、この天香久山頂上で国見の祭事をしてきたんだなと想うと、感慨深い気分となりました。

かぐや姫が月に昇るのは、十五夜の子の刻(午前０時)の満月の時であると観光ガイド紙にあり、丁度この時刻に今日でも実際に香久山の頂上に満月が輝くとあります。

天から降ってきたという天香久山、その頂上は天神たちがシャトルする特別な場所だったのかもしれません。

だから白たえ(天の羽衣)が干してあったのでしょう。(天の羽衣は天地を往来するのに必要な神衣で、翼の様なものがあるという=羽衣伝説)

持統女帝は天香久山の伝説をよく知っていて、それに心境を重ねて詠んだのが、『 春過ぎて~ 』の万葉集の歌ではないかと小生は思います。

天香久山頂上から西側に降りる山道を行くと、天香久山神社があり、そこでも参拝。

先祖代々、天香久山を見守り続けてきたかの様な集落があり、この辺りは飛鳥時代からあまり変わっていないのかなとも想ったりしました。(そんなわけないか)

現代とは違い、飛鳥時代やそれ以前の時代には、この神聖な山に一般人が立ち入ることは、おそらく赦されなかったのではないかと思います。

帰り道は藤原京跡を少し通ってみましたが、田んぼばかりでイメージするのは難しく、今は夢の跡といった感じでした。

追記、2018年1月頃投稿した文章を、一部修正致しました。