Kitsuneyama Kofun — Attraction in Kaga

狐山古墳（きつねやまこふん）は、石川県加賀市二子塚町にある古墳時代後期（5世紀後半）に築造された前方後円墳だ。地元では昔から「狐山」として親しまれているが、意外にも平地にポツンと残る形で存在しているため、初めて見た時は「こんな所に立派な古墳が？」と驚かされる。墳丘の全長はおよそ56メートルで、古墳としては中規模ながら、この地域の歴史を知る上では極めて重要な遺跡だ。

狐山古墳が広く知られるようになったのは昭和6年（1931年）から翌7年にかけてのことだ。当時、動橋川（いぶりはしがわ）の堤防改修のため土を取っていたところ、古墳の後円部中央から凝灰岩製の箱式石棺が見つかった。この石棺の中から壮年男性の人骨が見つかったことから、この古墳は地元の有力豪族の墓と考えられている。

出土した副葬品の内容は驚くほど豊かで、畿内の大和王権との繋がりを示すものが多い。特に注目されるのは、神獣鏡（しんじゅうきょう）と呼ばれる青銅製の銅鏡だ。神獣鏡は中国や朝鮮半島などから伝わったもので、北陸地方の古墳からは稀にしか出土しない希少品。さらに銀製の帯金具や勾玉、管玉といった装身具類も出土し、この古墳に眠る人物が大和政権と深い関係を持つ、地域の最高権力者だったことを示している。

また武具類の充実ぶりも目を見張る。鉄製の甲冑や直刀、剣、矛、それに大量の鉄鏃（てつぞく）が見つかっているのだ。古墳からこれほどまとまって武具類が出ること自体が珍しく、軍事的にも重要な役割を果たしていたことを物語っている。一部の出土品は現在、東京国立博物館に所蔵されており、狐山古墳の現地には精巧な複製品が展示されている。現地で見る石棺と副葬品のレプリカは、本物に劣らぬ迫力だ。

周囲には幅約10メートルの濠が巡り、昭和48～49年（1973～74年）の調査では、濠の内外から多くの埴輪片が見つかっている。また、陪塚（ばいちょう）と呼ばれる小さな古墳が少なくとも36基確認されていて、この古墳を中心に一大墓域が形成されていたことも明らかになっている。古代において、狐山古墳がいかに重要な墓だったかを示す証拠だ。

このように豪華な副葬品や周囲の状況から、この古墳に葬られたのは「江沼臣（えぬまのおみ）」という地域豪族の一族の首長と考える説が有力だ。彼らは当時、この江沼地方（現在の加賀市一帯）を治めていた地方の覇者で、中央の大和政権と結びつきを持ちながら、この土地に権力基盤を築いていたというわけだ。

狐山古墳には後世に生まれた興味深い伝承も残っている。この地域を指す「法皇山（ほうおうざん）」の名は平安時代の花山法皇（かざんほうおう）に由来すると伝えられ、法皇山横穴古墳群（ほうおうざんよこあなこふんぐん）など周辺にも花山法皇の伝説が点在する。ただし歴史的には花山法皇との直接の関連はないとされるが、この伝承も地域の歴史を知る上で興味深い。

その法皇山横穴古墳群も、狐山古墳と関連する史跡として見逃せない。ここには約80基の横穴式古墳が丘陵部に並び、北陸最大規模を誇る。この横穴墓群は狐山古墳より少し後の時代（6世紀後半～7世紀）に作られたもので、石室の形状や規模も様々で見ごたえがある。古墳時代から続くこの地域の支配者層の変遷を感じさせてくれるスポットだ。

加賀市内には他にも分校古墳群や吸坂・黒瀬古墳群など古墳が数多く存在する。これらは狐山古墳と同時代あるいはその後の時代に築造されたもので、この地域がいかに重要な土地であったかを感じさせてくれる。

狐山古墳を訪れると、石棺を保護する施設や出土品を保管する収蔵庫が整備されていることがわかる。副葬品の複製品の展示も充実していて、古墳の規模や歴史的意義を十分感じることができる。北陸地方における古代豪族の暮らしぶりや権力構造を知る上で、これほど貴重な遺跡はなかなかない。狐山古墳は単に歴史的価値が高いだけでなく、地元の人々に愛され続ける、地域...

二子塚町北方の水田の中にあり、5世紀後半に築かれました。 全長は約56メートルで、加賀市内では唯一、平野部にある前方後円墳です。 昭和7年国指定史跡に指定されました。 昭和7年、動橋川改修工事のための土取りの中に、後円部から凝灰岩製箱式石棺が発見され、上田三平の調査によって棺内から壮年男子の骨と、おびただしい数の副葬品（神獣鏡・銀製帯金具・金銅製丸玉・玉類・甲冑・直刀・剣・矛・鉄鏃など）が出土しました。 昭和49年3月、範囲確認のための調査が行われ、周溝の存在が確認されました。 周溝から埴輪破片や葺石と思われる玉石が出土しており、墳丘上に埴輪や葺石が並べられていたと思われます。 平野部に存在する前方後円墳という形態、おびただしい副葬品の種類・量は機内王陵墓の様相を呈し、この古墳を築いた勢力は、江沼に君臨した王者で、畿内とも関係が深かったものと推定されています。 現在、出土遺跡は一部が東京国立博物館に、また現地の収蔵庫に神獣鏡と甲冑の複製品とその他の出土品が保管されています。 石棺の上には覆屋をつくり外から石棺の...

彼岸花を見たくて検索するとこの場所が１番に 場所は８号線から自動車学校側に曲がって少し入った右手に突然駐車場の看板が現れます 昔の有力豪族の古墳で前方後円墳だそうで出土した埋葬品は貴重なものであったそうです そんな昔のことに想いを馳せながら彼岸花を探してみると駐車場側ではなく石棺や忠魂碑のある方にバラバラと咲いていました 予想していた程ではなかったですが満開の赤の曼珠沙華が咲き乱れていました 全体を廻ったわけではないのでそこ以外は見ていないのでわかりませんが駐車場側には咲い...