父娘二人で、バイクツーリングで立ち寄った。前から気になっていたので、立ち寄ったというよりは、ここを目的に来たという方がより正しい。

工場見学の案内役さんの素晴らしさ。これに尽きる。

オクさん、というお名前だったかな？　面白くて、楽しくて、情熱があって、醤油愛に満ちている。金笛ブランドの醤油をみんなに知ってもらうというこの仕事に、とてつもなく情熱と誇りを持っていることがよく分かった。見学に参加しているみんなを、パッと明るくするような、みんなが思わず笑い出すような、そして醤油を買っていこうかなと思わせるような、実に素晴らしい工場案内だった。

30分に1回、次々に、同じテンションで案内をしている。これは大変な仕事だ。しかしすんごく楽しそう。

子供に声をかけたり、見学中以外のお客さんにもマメに挨拶したりして、全周囲に気を配っていることがよく分かった。

実際自分も、この工場見学が良かったので、見学後に食事もしたし、お土産に醤油を買いもした。家族にそれを話すと目を輝かせて、自分たちも連れていけと言う。こうして金笛のファンが増える。すべては工場見学の案内役さんの仕事のおかげです。会社の宝だと思う。こういう人材を大事に大事にして欲しいと思う。

見学の時に配布された「教科書」＝パンフレット的なもの　の完成度も素晴らしい。非常に手間とコストがかかっている小冊子である。醤油の製造工程、歴史、地理、その他たくさんの情報を、小学校の教科になぞらえた形で説明してある。また、デザインも素晴らしい。自分も絵ヅラを扱う職業なので、この冊子の各ページの図柄のデザイン、レイアウト、色使いなど、非常に知見とセンスに満ちたデザイナの仕事であると分かる。ぜひデザイナの名前もクレジットして欲しかった。これは非常にいい仕事だ。

レストランで食事をしようとしたが、正直言って値段は高い。こんなに高額では気安く食事するわけにはいかない。だが、焼きおにぎりなどが非常に美味そうだったので、メインと思われるうどんなどは高いので避けて、焼きおにぎり、卵かけご飯、醤油ソフトクリームを注文した。どれも非常に美味かった。焼きおにぎりに乗っていた味噌のようなものは、「おなめ」だろうか。とても美味かった。醤油ソフトクリームは、醤油の塩味と砂糖の甘味が混じって、実に濃厚な味わいだった。娘がとても喜んだ。

売店では、「再仕込み醤油」と「常若」という醤油のセットを買った。あと、「おなめ」を買った。醤油はどちらも濃厚な香りがして、家族にも好評である。普段業務スーパーなどで買っている安物醤油とは全く違う品質であることが、当たり前ではあるが、よく分かる。高額ゆえ常には買えないが。

「おなめ」は諸味に茄子などの野菜を入れた味噌のようなもの？　濃厚な味がしてとても美味い。ごはんにかけても美味いし、TKGを醤油ではなくこのおなめで味付けしても美味い。醤油とおなめのダブルで味付けするのも美味い。ちなみにおなめは秩父地方の名産だそうで、ここで売っているおなめも金笛醤油で製造しているものではない。皆野町の業者が製造していると書かれていた。

バウムクーヘンにも力を入れているようだが、非常に高額に感じて手が出なかった。

パーク内には、ハンモックやブランコがあったりして、子供が楽しく過ごせるような場所になっている。まあ、そんな本格的な遊具があるわけでもなく、ちょっと休憩するときに、子供が遊んでられるという程度のものではあるが。

ぜひまた訪れようと思う。大手の醤油会社に負けずに、伝統的な製法を維持して頑張って欲しい。常温で長期熟成を貫いてほしい。たまに買いに行くから。　長く存続して下さい笛木醤油様。