松本城公園から北北東側にある浅間温泉と、松本城公園の東側にある美ヶ原温泉の中間には、牡丹で有名なお寺がございます。 こちらの『玄向寺』、正確には「女鳥羽山 道樹院 玄向寺」といって、その寺名は1647年(正保4年)から1668年(寛文8年)までの松本藩主であった水野忠職(みずの ただもと 1613〜1668)の法名[道樹院信誉上昌玄向]に由来しているのだそうです。 室町時代後期の1561年(永禄4年)に創建され、1747年(延享4年)に成立した松本三十三番札所の第三十一番札所になっている玄向寺は、1647年(寛永19年)から1725年(享保10年)まで松本の地を治め、徳川家康の母方の家系である水野家に縁の深いお寺(※)。また、槍ヶ岳の開山者として知られる播隆(ばんりゅう 1786~1840)とも縁のあるお寺で、1826年(文政9年)8月、当時の玄向寺住職であった立禅和尚(りゅうぜんかしょう)の教えを受けるために訪ねたのをきっかけに、山岳修行としての登山のかたわら、信者に対する布教伝道や浄財(寄付)を募るために諸国を旅していた播隆上人に対して、登山をする時の道案内人を紹介するなど、何かとお世話になっていたのだとか。 美ヶ原温泉から北上する道沿いに田畑が広がっていることもあって、一見すると郊外にあるごく普通のお寺なのかなと思うかもしれませんが、地元では「ぼたん寺」として広く親しまれていて、県内だけでなく県外からも多くの人が訪れる有名なお寺。毎年5月になると、松本市の特別名勝にもなっている「ぼたん庭園」に植えられている約1350株(120種)の牡丹が花を咲かせ、長野県内にあるテレビ局のニュース番組や新聞などで季節の話題として取り上げられることもあります。 訪ねたのは2006年5月11日。建物の中には入らなかったけれど、庭園や境内の周りを撮影しながら見て周りました。同じ牡丹でも、品種によって花の形や色などに個性があって、赤や桃色に近い八重咲きの花からは優雅な雰囲気、白い花からは清楚な雰囲気などを感じることができると思います。人は少なかったけど、一眼レフのカメラで熱心に撮影している人も見かけたので、桜と新緑の間の季節に、桜とは一味違う趣きを感じられるのが良いところかな。 牡丹を見に行く場合、桜の開花情報のようにテレビや新聞などで開花時期が表示される機会がないので、公式サイトで調べてから行くのが良さそうです。 ※徳川家康の母・於大(後の傳通院)は、忠職の父・忠清の姉 ■画像は2006年5月11日に撮影したものです。また、文中では[播隆(ばんりゅう 1786~1840)]としていますが、上人は高僧の称号、つまり敬称としてのもので、本来は敬称略で記すためです(不敬という意味ではありません)。
[参考資料] 『女鳥羽山 道樹院...
Read more松本城公園から北北東側にある浅間温泉と、松本城公園の東側にある美ヶ原温泉の中間にある浄土宗のお寺で、1747年(延享4年)に成立した松本三十三番札所の第三十一番札所となっています。 公式サイトによると、「女鳥羽山 道樹院 玄向寺」というのが正しく、徳川家康の母である於大の方(おだいのかた)こと伝通院の実家で、1647年(寛永19年)から1725年(享保10年)までの松本城主であった水野氏とゆかりの深いお寺。また、槍ヶ岳の開山者として知られ、松本駅お城口に銅像がある播隆上人(ばんりゅうしょうにん...
Read moreThis was a nice place to visit. I loved being able to get my shrine stamp for my book. The shrine master was super nice and invited me into the temple to show the inside even though he was busy. He was super nice. Hiking to the top offers a great view...
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