当公園は、「福岡堰」及び付属用水施設並びに「桜並木」と一体的に整備された施設です。官庁で言えば、福岡堰が国土交通省(第一義)、農業用水路が農林水産省(第二義)、両省の相乗効果を狙ったものと思われます。 農林水産省サイドを中核に農業農村整備を図ることが目的であり、関係機関としては県土地改良事務所、つくばみらい市及び福岡堰土地改良区が「水環境整備事業」を展開し、「水と緑のふれあい空間」を具現化している。 施設としては、桜の木を中心に、大型複合遊具、時計塔、水管のオブジェ、四阿、そしてトイレ(２か所)となっている(写真参照)。遊具は、親子連れで賑わっているが、他の設備は低利用や未稼働の状態と見られる。 令和４年４月５日時点で、桜は満開！。上記の公園から「ふれあい橋」を経て、小貝川と用水路の間の土手に連なる桜並木が迎えてくれる。同橋から眺めれば、右手には用水水面に逆さ桜となり、その先には福岡堰に越水を流す。反対の左手には、逆さ桜の先に国道354号線の橋梁が青い橋台によりアクセントとなる(写真参照)。 桜並木は、福岡堰から台通用水・川通用水まで約２kmで歩きごたえは十分で、ある区間はニ列並びなので「桜のトンネル」が形成されている。桜の巨木は、国道354号線橋梁から下流側に植えられている。歩いてみると、伐採された切り株が所々にあったが、大体は芯部分が腐り欠けていた(写真参照)。染井吉野桜は改良品種なので、生命力が弱いのかなと推測。この推測は、犬種において顕著で、人間のために作り出された新種は、雪が纏わり付いて防寒性が無いことで証明される！。 桜並木の中途には、「北山橋」などで反対岸(東側)に渡れる。トイレや駐車場が整備されている。枝垂れ桜が植えられた一画もあり、染井吉野桜とは違った雰囲気を醸し出している。 終点(南端)には、「関東郡代伊奈忠治」が建造した「用水路(台通・川通)案内板」(設置者:福岡堰土地改良区・茨城県農地局)、「小貝川(福岡大堰)水辺プラザ平面図」(設置者:未詳)、「水環境整備事業案内板」(設置者:県土地改良事務所・つくばみらい市・福岡堰土地改良区)と「福岡堰周辺案内板」(設置者:福岡堰土地改良区・谷和原村観光協会)が設置されて、来訪者に歴史を周知する(写真参照)。 近在には「伊奈神社」が祀られている。当社は、関東郡代「伊奈半十郎忠治」を祀り、彼は福岡堰を建造した人物で伊奈家は利水事業に長けた家系である。彼の名は、つくばみらい市の前身の一つである「伊奈町」に使われており、如何に彼の功績を地元民が認めていたかを現している(鬼怒川・小貝川分流)。余談であるが、忠治の父忠次も、埼玉県の伊奈町の由来となっており、新田開発や河川改修に長けているのが明白である(利根川東遷、荒川西遷)。

谷原干拓事業は、「山田沼堰(福岡堰)」により生まれた利水を活用することで成就したもの。これを成し遂げた伊奈忠治は、福岡堰を建造した小貝川のさらに下流側で、「岡堰」と「豊田堰」を造り上げており、これらの堰は、「関東三大堰」とも呼ばれる。(しかしそれら三堰がこの称号に匹敵するのか判断能力を有しないのが残念無念！)。しかし、しかしながら、鬼怒川と小貝川の合流を分流させる難事業をやり遂げた上でのことなので、評価点数は大きいはずである!!!。