長いので、三行でまとめると
・厨房内でタバコを吸うな ・スウェット姿で握るな ・ネタが生温いぞ
という感じの店でした。
数年前に食べログに書いたら消されたレビューのことをふと思い出して、探したらテキストが出てきたので再掲。虫がたくさん飛んでいて不快だったので、そのことについて書いたのだが、虫についての記載は食べログの規約にひっかかるらしく、何度修正してもレビューごと消された。最悪の夏の思い出すぎていまだに忘れない、強烈に記憶に残る店だ。
飲食店に入って、ここまでガッカリしたことは久しくなかった。
夏の千葉を満喫しすぎて、うっかり夕飯時を過ぎてしまったのがそもそもの誤りだった。
かなや、ばんや、といった有名店を始めとする定番どころがサクっと早い時間に閉まるなか、ばんやの湯の食事処がそれなりに遅くまでやっていて以前に行ったことがあったのでそこを頼りにしていたのだが、うっかりしていたらばんやの湯はまさかの定休日…。
20時になろうとする金谷で地場のものを使って食事ができるところはそう多くはなく、この店と海花亭しか選択肢がなかった。浜金谷の『はまべ』も検討したのだが、近場で済めばと思い、一旦入りかけた海花亭の駐車場でこの店に電話した。2名なんですが、と電話越しに尋ねると、大丈夫だとのこと。ただ、何分後に来るのかをしきりに聞かれたのが不思議だった。 海花亭にしなかったのは、閉店後のかなやの近くに小判鮫のように待っている姿(偏見)にいまいち惹かれなかったのと、観光客向けの店、などといった記述が口コミに多かったから。 そして、真面目にやっている地元の寿司屋を想像してこちらに来たのだった。 しかし、そうは問屋が卸さないのが世の常で、期待は大きく裏切られた。
店の入り口の蛍光灯に大量の虫が群がっていて感じた違和感をそっと無視しながら店内に入ると、スウェットのような服を来た男性がタバコを吸いながらカウンターにいた。ちょうど車を停めている時に、敷地の奥で車から降りていた男性だった。 店内はエアコンがないのか、異様に暑い。座敷のテレビからは国際結婚をして海外に移り住んだ日本人妻たちの番組が流れている。 席に通され、メニューを眺めて、上寿司とちらし寿司をオーダー。握りに光り物をリクエストしたが、アジ以外はなにもないと言われた。定休日の前日の最後だったので、仕方がないのかもしれないが、残念。
出されたおしぼりからは洗剤か柔軟剤かはわからないが人工的なフローラルの香りが強く漂っていて、それはそれは食欲を拮抗してしまうような強さの香りで、テーブルの上で思わず遠ざけた。 寿司が出てくるのを待ちながら、暑苦しい空間で、ほとんど無言で、連れと二人で漫然とテレビを眺めた。お茶は麦茶で、夏休みに実家にあった麦茶のような味がした。 飛び交う羽アリを指先で潰しながら寿司を待った。とにかく虫が多い店だったが、座敷を這うダンゴムシにはさすがに閉口した。潰しても潰しても出てくる羽アリを匂いのキツいおしぼりに擦り付ける。5〜6匹の死骸がついたおしぼりを、テーブルの上でさらに更に体から遠ざけた。
虫と暑さにうんざりしていたせいで、どのくらい待ったのかは覚えていないが、それなりに待たされて、寿司とちらし寿司が出てきた。
田舎にある汚い店には、美味しい店だってある。
そう自分に言い聞かせて寿司を待っていたが、出てきた寿司は色がくすんでいて、見るからに美味しそうではなかった。
美味しいものが鮮やかな色をしているとは限らない。
そうさらに自分に言い聞かせて寿司を口に運ぶ。 寿司とは呼べない代物だった。
それは、酢飯の塊に刺身を乗せたものだった。 チューブワサビのような嫌なワサビの雑味が鼻腔をかすめる。
シャリとネタの一体感、などといった話以前の食べ物だった。
しかし、海が近いおかげか、ネタは見かけの色から思うほどは悪くはなかったし、刺身で出してもらえばもう少し美味しく食べられたかもしれない。
そう、温度が、ぬるいのである。
そりゃ暑い部屋でダラダラと握っていたらぬるくもなるだろうが、と考えていたら、食べながら厨房内の衛生管理が不安になった。厨房の方からまたタバコの匂いが漂ってくる。衛生管理の程度なんて、想像に容易すぎて気にするだけ無駄だし、もはや自分の胃酸の殺菌力を信じるしかなかった。
連れのちらしの箸進みが悪いのが目につく。腐っても寿司、であるからして、スーパーの寿司だと思えばこんなもんだし、わたしは握りは案外にサクサク食べ進められたのだが、ちらしはそうもいかないらしい。
羽アリが舞う無言の空間にハワイのスーパーで買い物をする日本人の女の声がテレビから響く。 美味しくないと何も言わなくなる連れが、眉間にシワを寄せながら、言葉なくこちらにちらしの容器を差し出してくる。 食べてみると、べちゃべちゃの生暖かい酢飯の上に、ぬるさをきわめた生臭さを感じざるをえない生暖かい刺身がのっていた。
ふたりとも黙って箸を置いて、支払いを済ませて店を出た。 ふたりで2700円。 夕飯であることを考えればべつに高くはないし、内容からしたら良心的なほうではあるかもしれないが、それはあくまでも品質が伴っていたらの話だ。
この金でなにが出来たか。 昔行ったばんやの湯の食事処では、1000円の寿司と1200円の海鮮丼を食べて、それなりに満足した記憶があった。 マルゴの黄金アジを使った定食も二人で2700円もあれば十分に楽しめる。(この日は定休日だったし時間が遅いのでどのみち無理だったが)
こんなことなら1000円だけ置いて黙って出て来ればよかった、どうして全額払ってしまったのだろう、などと口々に毒付きながらアクア連絡道への道を車を走らせる道中、ふたりとも、喉の奥に残る生臭さに耐えられなくなり、コンビニに寄ってガムとソーダ水を買った。
帰路のアクアラインに乗り、海ほたるに寄った時、仕事で昔来た時に木更津庵(海ほたるにある海鮮レストラン)で食べた海鮮料理もパーキングエリアのそれとは思えないくらいに、別にそう悪くはなかったことを思い出し、こんなことなら海ほたるで食べればよかったと、判断ミスへの後悔と、損した感が募った。
海底トンネルを掘ったシールド掘削機のカッターのモニュメントの前に、シン・ゴジラの上映と連動した企画の実寸大のゴジラの足跡が見えた。
ゴジラの足跡と、海の向こうに広がる都市の灯りを眺めながら、もっとお金を払ってでも美味しい寿司を食べたいと心から思った。
金谷の夜は早いということを思い知った夜だった。たしかに、19時を過ぎたら街...
Read more刺身定食を注文。
残念ながら他のコメントにあるような美味しいものではなかったです。
コロナの影響ですかね… 客の入りも良くないから、仕入れも抑えているのかも。
また寄ってみたいと思います。
厨房の奥で喫煙するのは止めて欲しい! ...
Read more近くのゴルフ場の帰りに見つけて、寄らせていもらいました。丁寧な仕事で美味しく頂けました。特上を頼もうとしましたが、今日は出来ないといわれて、上寿司を頼みましたが、十分に高いクオリティで満足できました。 ただ、クレジットカードは使...
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