伊那市のアーケード街は昭和感のくせが強く残り、何とも親近感が湧く。そんなアーケードを入って、もっと馴染み深い店構えの「いたや」。伊那名物を食すなら、ここと決めていたが、ここまで私の意に沿っているとは思わなかった。 6時過ぎ、店にはカウンターに先客の方が一杯やっているだけかと思ったら、奥で7、8名の団体さん。女将さんから少し時間がかかるかと聞かれたが、時間は全然有るのでカウンターの奥に陣取った。さくら鍋うどん付き、馬のホルモンを煮付けた「おたぐり」。ここは昭和感を出して瓶ビール。途中、意を決して頼んだ「ざざむし」。川原にいる水生昆虫の幼虫の佃煮と認識しているが、とにかく馴染みがない。突出しと「ざざむし」が運ばれる。それを肴にビールで喉を潤す。店はご主人と女将さん、2人でやっている感じ。団体さんが先にかなりオーダーした感じで少してんてこ舞いしているかな。程なく、常連ぽい方がやって来たが、私の座った場所が定位置らしく、カウンターの真ん中に座り悪そうだった。逆に団体さんはかなり盛り上がっているようで、ご主人も常連さんの対応が十分に出来なく、程なく帰ってしまった。テレビで見たことのあるワンシーンのようで、自分も演ずる人々の一名だったのは、バツが悪かった。おたぐりは、馬の内臓のまん丸い部位を半分に割って煮た物だがなかなか食べたことのないものだか美味しかった。すると本日のメインディッシュ、さくら鍋が運ばれた。馬肉のすき焼きだ。割下にはザラメを使い、生姜が効かせてある。折角なので、コンニャクにたっぷり味を染み込ましたい。その後は火の通りにくそうな順番に野菜類を投入して、あらかた火が通ったところで馬肉を投入。食べられるか食べられないかのギリギリを見ながら極力柔らかい状態でさくら色のお肉を食す。柔らかくて上品な味わい。野生味は感じられない。スペアリブやティーボーンの骨に付いた肉の旨みとは違う味わいだ。あっさりとしているとか淡白な味わいでは無い。牛肉にはあまり感じられない肉の旨みだ。どんどん肉を投入し、具材に馬肉の旨みを移していく。そのため、硬くなってしまった犠牲の肉は致し方ない。野菜と肉を楽しんだら、中盤戦は豆腐、コンニャクを楽しむ。すき焼きの味の染み込んだコンニャクは大好物だ。ここで、うどん、正に起承転結の転にふさわしい。このタイミングで、ご飯と玉子を追加する。さくら鍋の美味しさがうどんの表面から染み込んで証拠のテカりが出てきた。この鍋の中身全てを食べ尽くす所存だ。伊那名物のローメンは諦めざるを得ない。テカテカにキレてるうどんを食べ尽くす。ここで少し薄まった汁気を飛ばし、残った具で他人が馬の他人丼をフィニッシュに選んだ。瓜のお香物は塩が強いかと思いきや浅漬けだったのも、夏らしくて嬉しかったので、他人のメンバーにする。お鍋の底までさらえて、うどんの切れ端まで参加した他人丼。 さくら鍋から飲み出した日本酒の銘は「井...
Read more伊那市はその人口比にしては、飲食店の件数が大阪ばりに多い街だった、という歴史がある。 高度経済成長期、美和ダムの建設に関わる労働者たちが集結したことから、現場にほど近いこの街が隆盛をきわめたらしい。 確かに地方の町にしてはめずらしく、駅から少し離れれば料亭が何軒か残り、路地をのぞくごとに飲み屋がきらめく。 さて、こちらのお店は伊那市駅からほど近く、精肉店の店舗と隣り合わせている。 引き戸を開けると左手にカウンター、右手に小上がり。奥にも小上がり?がありそう。早い時間なためか、先客がカウンターにいて、自分もソロ客につきカウンターへ。 豊富なメニューの中でも馬づくしの4種がとてもそそるが、ソロ客の全品制覇はムリかなと、食べたいもの上位2品をオーダー。 おたぐりは味噌味でぷりっとした食感も残してある煮込みかげん。とぅるっとぅるに煮たのもいいけどこちらもうまい。 さくらステーキはカットして供されお箸でいける。程よくレアでやわらか。 仕事上がりにここで飲めたら最高だろうなぁ。馬肉文化圏ならではの良きお店。次回は複数名で訪問し、他...
Read more駅前で食堂を物色するが、たの地方都市と同じく目抜通りも駅前も閉じた店ばかり。たどり着いたのがこの店。せっかくなら馬肉、という事で入るがカウンターに年配男性がバラバラに3人、マスターと話しながら飲んでる。
一瞬怯むがマスターの笑顔で安心して座敷に上がる。馬刺しは薄切りしてあった6枚ぎりが解凍してくっついて、箸でまともにつまめない。味はまぁまぁそれなり。 さくら鍋は値段にしては、こんなものか。雰囲気はよいが、セットで頼んだのにうどんは別に頼まないと出てこないし、会計は待たされた挙句に、レシートはなく。雰囲気は昭和の駅前の食堂という感じですよろしいが、それ以外の理由で、他に店があれば...
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