ある有名な食通の知人から教えていただいたこちらのお店。 15年間、奥出雲のこの地で営業されているのだが控えめにも有名であるとは言えない。大手グルメサイトにもほぼレビューなく、今現在、超穴場中の穴場と言って良いのではないでしょうか。すぐに予約が取れないお店になってしまいそうだ。
個人的に感じた特徴は二つ。和食の中にフレンチなど和食以外の手法を柔軟に取り込んでいらっしゃること。 もう一つは、地元の食材を提供するスタイル(最近変更されたそう)。 たしかに京都の食材で京都料理をいただくなら(移動コストが安くなった現在であれば)京都の有名店で食べれば良い、という話になってしまう。 天然スッポン、天然ウナギ、天然本ワサビ、松茸、アユ、イワナ……、ほぼ全ての食材が近隣でとれた(大将がとってこられる。ウナギも罠を仕掛けるそうだ)食材を提供されている。 最近高級店の「素材命」「仕入れ値度外視」「価格爆騰」みたいな流れとは少し距離をおいた、落ち着いたというかなんというか非常に居心地の良い、そして大変美味しいお店でお勧めです!
さて、今回のお料理。 茶懐石風で始まるお膳は、煮えばな(煮えばなとはご飯を炊くとき、お米からご飯に変わる瞬間の水分をたっぷり含んだお米。最も甘く少し芯を感じることができる)と、なめこ豆腐の味噌汁。向付には半熟のたまご。栗とハチミツのソースがかかっている。甘さが絶妙で美味しい。いきなり驚かされた。 お椀は天然スッポンの真薯と松茸。松茸が入っているのでお出汁は鰹と昆布で軽く優しい味わい。
刺身はイワナ、奥出雲サーモン(養殖)、ヤマメ。養殖の魚でも地元の食材、かつ美味しければお使いになるというポリシー。 イワナが赤いのは成長したからであり、こちらは養殖ではない。 ワサビは天然の本ワサビを大将が早朝、川から採ってこられたもの。非常に素晴らしい味わい。
たち花さんの秋は、きのこ料理が有名とのこと。 大将が早朝から山に入って採ってこられた珍しい天然のきのこたち。松茸や、一本はぎ、にんぎょうたけなどなど。にんぎょうたけは苦味も強い癖もなくとても食べやすく調理されていた。
器に塩で細工された川の左上の小屋のなかに、 天然ウナギのジュレかけ(見えにくくてすみません)。 驚いたのは右端のアユのコンフィ。油の風味はほとんど感じることはなく、蒸していらっしゃるのではないか?と思うほどしっとりとしてジューシー。
4つのソースでいただくお肉料理。4つ全てのソースがフレンチのそれを思わせるほど完成度の高いソース。 ・大葉の醤油のソース ・バジルと味噌のソース ・発酵白米のソース ・発酵古代米のソース 全てのソースが美味しいのだが、発酵米系の二つのソースがダントツに印象に残った。
さらに続くのが、大地漬けという大地(土)で漬けた漬物。大将が土を食べてみて美味しいということで、土をぬか床にみたてて漬物をつけることにしたそうだ。 当然、土に塩を混ぜて漬けるというわけではなく、土に麹などを混ぜ込むなど土を作るだけで半年かかったそうだ。
最後のドリンク二種は、原材料などに大将からのサプライズがあり、訪問されたときの楽しみということだと思うので内容は書きませんが、どちらも締めとして最高のドリンク。
揚げたいちじくのデザートの横にあるのは、玉ねぎの自家製アイスクリーム。玉ねぎの辛味も活かしながらデザートとして完全に成立していて大変おいしかったです。
冬になると雪が深くなかなか訪問しづらくなる奥出雲。 しかし、寒い季節はジビエを出されるそうだ。鹿や猪、キジなどに加え、アナグマがお得意とのこと。アナグマはクセが強い食材。大将がどのような料理にされるのか想像するだけで楽しみだ。 何とかしてアナグマの時期に訪問する手段がない...
Read more2025/05/12 ...
Read more何処の三ツ星より美味い.ミシュランの調査員の舌は本当に大丈夫か? たちばなに星が付かないのはおかしすぎる。 京都の雰囲気がいいというだけで星をもらっているような店があるが、 金品の授受でもあるのかと疑いたくなる。 星付きの店は腐るほど行ったが、どれも大したことはない。 ミシュランの調査員の選定からやり直すべきだと思う。 素材の質 調理技術の高さと味付けの完成度 独創性 コストパフォーマンス つねに安定した料理全体の一貫性 が少なくとも基準だろうが、すべて満たしていると思う。というより、遥かにうわまらっている。 食事だけのために7時間かけて年に何度も訪れるが、価値の料理だと評価できる。 ミシュランさんも一度は足をのばしてください。 大将が★を望んでい...
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