全国的な知名度は皆無と思われますが、凡百でない唯一無二の社殿です。 古建築好きと古代史好きには特におすすめです。
土曜の午後にもかかわらず観光客は私の他に一人としおらず、最寄の大曲駅にも案内は皆無、そもそも観光地として認知されているかも定かでないのですが、ここの本殿は秋田県ではじめてとなる国指定文化財の建造物です。 一間のみの小さな建物ながら屋根が大きく、屋根を支える木組と彫刻は精緻で見応えがあります。横から見ると屋根が後方に大きく張り出しているように見えますが、これは向拝の左右に壁があるためです。総じて他ではあまり見たことのない様式で、かといって隠岐造や中山造のように地域では一般的だったりするわけではなく、興味をかきたてられます(ただ単に当時の宮大工が趣向を凝らしまくった結果かもしれませんが……)。 古四王神社の鎮座地は北陸と東北に限られていて、祭神の大彦命は蝦夷(えみし)を服属させた北方鎮護の神とされています。日本全国どこにでもある神明宮や天満宮と異なり地域色の強い神社です。ここは中世の創建となりますが、近くには古代の大規模な城柵跡である払田柵(こちらも秋田県ではじめてとなる国指定史跡)もあり、この地方特有の歴史と信仰が感じられます。 花火のシーズンを除き観光で大曲を訪れる人はあまりいないと思われますが、武家屋敷跡で有名な角館は在来線で二〇分(ただし運行本数はすごくすくない)、新幹線で一〇分です。角館は知名度ほどの見どころはないので、あわせてこのあたりを観光す...
Read more2025年4月27日に初めて訪れました。 国重要文化財の古四王神社本殿は、室町時代末期の元亀元年(1570)に、孔雀城主である冨樫左衛門太郎勝家が、飛騨の名工「甚兵衛」に造らせたと言われています。 本殿の構造形式は一間社入母屋造で、和様・禅宗様(唐様)・大仏様(天竺様)を自由に融合した折衷様式で、所々に珍奇な意匠を施す豪放な建築手法が特徴です。向拝正面の水引虹梁の菊唐草や、側面手挟の藤唐草の絵様繰形は稀に見る傑作です。また、桟唐戸を含め四方に施した“結界”を意味する襷桟、大型の蟇股や擬宝珠などの意匠は他に類例が無いとの事です。 ...
Read more大曲駅と飯詰駅のほぼ中間くらい、イオンモール大曲から13号線を越えて踏切の手前を右折すると右手に見てきます。本殿は室町時代末期、飛騨の名工の作であると伝えられ、その意匠は他に例がない稀にみる傑作らしく、かつては国宝でしたが、法整備で国の重要文化財に指定されています。審美眼は持ち合わせていませんが、説明書きを読む限り素晴らしい建造物であることは伝わってくることから、近くに行った際には訪問をおすすめした...
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