半年ほどたった、1554年(天文23年)1月中旬に、信長からの密書が信元に届きました。いよいよ信長が出陣するのです。その頃の村木砦には、3百ほどの兵がいましたが静かなものです。戦いはないものと安心しきっていました。水野信元は周りの支配地から兵や食料・戦船をこっそりと集めだし、準備をします。 織田信長は妻の御濃の実家、美濃の斎藤道三に頼んで那古野城の留守番をしてもらい、清須へ攻めていくふりをして、1月22日に熱田港より乗船します。しかしその時は尾張地方特有の冬の「伊吹おろし」の激しい日でしたが、それもかまわずに一気に師崎周りで知多半島を廻って、大井(南知多)で宿泊し、23日には緒川城に入ったといわれます。すでに、叔父の信光は村木砦の周りを固めて、逃亡や、今川への使者を通しませんでした。 夜には、武将が集まって、緒川城内で軍議が開かれました。 戦に初めて鉄砲を使用
織田信長は現在の村木神社に本陣を張り、戦いは1月24日朝辰の刻(8時頃)から始まりました。水野軍は周りの海上を封鎖し、大手門(東の海側)より攻め、叔父の織田信光は、西側のからめ手(裏門)から攻めます。急襲でしたので今川方は堀にかかる橋を落す暇がなくて信光軍が通れる状態でした。そこを突き破って六鹿椎左衛門が1番乗りをしました。 織田信長は1番攻めにくい南側を受け持ち、その中央で弓の届かないぎりぎりの距離から、鉄砲を構えて1発ずつ打ち放しました。その発砲音は今川勢にとっては初めて聞く大音響です。それだけで兵隊はおびえてしまいます。さらに目に見えないほどの速さで、玉が飛んできて一人倒れ、また一人倒れます。信長の回りには数人の兵士がいて、玉を打った鉄砲を掃除し、火薬と玉を入れて火ぶたを切る寸前にしてかわるがわる信長に鉄砲を渡します。 それで次々に発射することができるので、バッタバッタと敵兵は倒れます。これこそ鉄 砲の威力をまざまざとみせつけたのです。長篠の戦いで鉄砲がたくさん使われたことは知...
Read more◆織田・水野連合軍vs.今川義元・松平元康(後の徳川家康)連合軍が戦った戦◆
天下統一を志していた今川義元が、織田信秀の死後、尾張に勢力を伸ばし、鳴海城、大高城、沓掛城、笠寺砦を手中に収めた後、(織田方の)緒川城を攻めるために知多半島北東部の村木(現東浦町森岡)に築いた付け城。
当時の緒川城主だった水野信元(松平元康の伯父)は、これに危機感を感じ、天文23年1月24日(1554年)2月25日、信秀の嫡男織田信長に援軍を要請しました。(この人は、元々は今川側でしたが、織田側に寝返っていました。)
また、信長はこの戦の留守中、敵対している清須城の織田信友が当時の信長の拠点である那古野城(名古屋城)を攻撃し町に火を放たれることを危惧し、舅の斎藤道三に使者を送って援軍を求めました。道三は信長の要請に快く応じ美濃の稲葉山城(岐阜城)から留守居部隊援軍として兵を千人ほど送りました。信長の叔父織田信光もこの戦で活躍しました。 今川義元は、配下の松平元康と共に織田・水野連合軍と戦いました。
激戦の末、織田・水野連合軍は、村木砦を陥落し取り戻しました。一方、今川・元康軍は降伏し謝罪して来たので、信長に容赦され撤退しました。(この時の信長は寛容でしたね。若かったからでしょうか。それとも水野信元の甥が含まれていたからでしょうか?)
村木砦の戦いは数時間の戦でしたがとても激戦でしたので、今川と織田方双方が多数の死者を出しました。信長が実戦で、初めて鉄砲を使った戦いとして知られています。21歳の信長は、家来の死に対して感涙の涙を流したと、『信長公記』に記されています。余りにも血の通った人間らしい信長でした。
(この戦で松平元康は、伯父と戦ったのですね!戦国時代は色々と複雑な人間関係でしたね😰
現在ここは平地ですが、当時この砦の周りは海だったようです。砦には大きな空堀があり、堅固な構えでした。東浦町のサイトに砦の...
Read more信長初陣と言われる村木砦の戦いのあった場所です。 以下、案内板より
天文20年(1551) 強敵織田信秀の死を好機に、今川 義元は尾張への進攻を図った。やがて鳴海城・大高 城・沓掛城を手中に収め、続いて、織田に属する緒 川城の水野信元を攻略しようとした。 重原城を根拠 地として資材を送り、村木の岬に砦を築き、三河の 精鋭東条松平甚太郎義春を城将とした。
信元から援軍の依頼を受けた織田信長は天文23年 1月21日兵を率いて那古野城(今の名古屋城)を出発 した。 22日は強風の中を熱田港から渡海し、23日緒 川城に到着した。 24日朝から織田・水野の連合軍が 村木砦の攻撃を開始した。 両軍共によく戦ったが、 夕方になって今川軍は遂に降伏した。 村の西方にあ る首塚は両軍の戦死者を葬った所である。 八剱神社 は元亀2年(1571) 信元の家臣清水八右衛門家重・同...
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