山梨県内では、たったの5つしかない国宝(うち建物は2つ)である貴重な仏殿が、なんと無料で拝み放題・鑑賞し放題なんですっ! (笑)。 山梨の至宝とも言うべき建造物ですが、それを元手に観光地化させる意思は寺には無いらしく、あざとい宣伝用のぼり旗が立ち並ぶようなこともなくて実に清々しい気分で境内を散策できます。さすが「清白寺」と言うだけありますね(笑)。
国宝仏殿の建立は応永22年(1415年)である事が、組物(柱上の軒を支える部材)の墨書から特定されています。約600年前の室町幕府4代将軍足利義持の頃の話で、長年の南北朝の抗争も終結して幕府の力がもっとも充実し安定していた時期です。
平和な時代を反映してか、当時地方の有力武将がMy禅宗寺院を建てるのが一大ブームとなっていて(笑)、各地に同じような様式の仏殿が建てられました。 1407年建造の国宝である東京都東村山市の正福寺地蔵堂や、同じ山梨県の重要文化財である東光寺仏殿もそれらの一つで、規模・構造とも驚くほどそっくりです。もしかして関東では同じ建築集団が、設計図を流用して量産しまくっていたのでしょうか(笑)。
建築様式としては「禅宗様」に属し左右対称の形状で、彩色のない白木造の嫋やかな外観が特徴です。鑑賞のツボは中国の寺院建築様式に倣った、ピィンと反り返った緊張感を湛える屋根の先端になりますかね。また禅宗寺院特有の釣り鐘型の火灯窓にもご注目ください。
それにしても、これだけの歴史ある建造物がありながら境内は人もまばらで、心ゆくまで国宝仏殿と重要文化財の庫裏を堪能して優雅な時間を過ごす事が出来ました。願わくば、この静寂とのどかな空間への理解が深い住職が、これからも続い...
Read more2025.8 山梨県には国宝指定建造物が2つあり、1つは勝沼の大善寺本堂でもう1つは清白寺仏殿です。 清白寺仏殿は唐様建築(禅宗様建築)の代表的な遺構で、方三間裳階付仏殿という形式の典型例でもあります。 内部は文様が彩色され、漆塗が施されているそうですが、通常開放されていないので拝見は出来ませんでした。 同じく国宝建造物のある大善寺(ぶどう寺)に比べると観光客はあまりいなさそうです。 《注意点》 Googleマップのナビでは清白寺でルート案内すると裏手の道から案内される可能性があります。(私はそうでした) その道はかなり狭くて乗用車では怖い思いをすると思いますので、清白寺の南側の道でルート検索した方が安全だと思います。 【宗派】 臨済宗妙心寺派 【御本尊】 釈迦如来像 【由緒】 甲斐国では元徳2年(1330年)に夢窓疎石により開創された恵林寺や長禅寺(古長禅寺)をはじめ夢窓派による禅宗寺院が創建されているが、清白寺は正慶2年(1333年)あるいは観応2年(1351年)の創建とされる。『甲斐国志』によれば開基は足利尊氏で、国家安泰戦勝祈願所として創立し、二世住職で夢窓疎石の高弟清渓通徹により開創され、清渓が師の夢窓を開山と位置づけている。 室町時代には関東夢窓派の中心寺院となった鎌倉建長寺末だったが、江戸時代初期ごろに妙心寺末となった。 仏殿を残して一度焼失したが、寛永年間に諸堂が再建された。しかし、天和2年(1682年)の火災で仏殿を除きほとんどの堂宇が焼失したため、貞享年間から再建工事が開始され、享保16年(1731年)の惣門完成...
Read moreJR東山梨駅から徒歩10分位です。 東京方面から来た場合は、ホームから下りたら踏切を渡らず道路を左へ、最初歩道がありませんが、少し歩くと歩道が整備されています。 少し控え目なお寺の案内板が出て来ます、周囲をブドウ畑に囲まれた感じのお寺です。 参道が狭く(車1台分)長いです。
此方の仏堂が国宝に指定されています。 何て言う建物様式でしたかね、鎌倉の円覚寺舎利殿や東村山の正福寺地蔵堂と同じですね(間口や奥行きに違いはありますが)。 あと、住職やご家族が本来住む庫裡も国の重要文化財になっています。 庫裡だけ観ると、京都のお寺にしか見えません。 一通り拝観(外から)とお詣りの後、御朱印ですが庫裡の正面にある住宅が現在の庫裡のようです、ご住職の奥様に対応して頂き御朱印もいただけました。 臨済宗のお寺なので、御本尊は釈迦如来様ですが御朱印は千手観音様でした、観音様は仏堂の本尊になっています(御本尊様の御朱印がいただけるのか確認していません、御朱印は観音様だけの可能性ありですが頂く前に...
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