『中華そば』500円
今回は『青春18きっぷ・夏の日帰り鉄道ひとり旅』というお題目で早朝から始発列車に乗り込み、約5時間かけて香川県へとやって参りました! 香川の名物と言えば、やはり “讃岐うどん” ですよね。県内に星の数ほど点在する うどんの名店をGoogle Mapで1つ1つ念入りに調べ上げ、そこから自分好みのお店をリストアップしながらアレコレ想像を膨らませるのは実に楽しい作業です。なにせ鈍行列車を4回も乗り継いで行く のんびり気ままな一人旅ですからね、どのお店に行こうかなぁ♪ ‥とか 旅の計画を練る時間はタップリありますし、何より その自由な時間こそが鉄道ひとり旅の醍醐味と言っても過言ではありません。実は若い頃にも “讃岐うどん巡り” をしに香川県を訪れた事が何度かあるんだけど、それは何れも友人ら数人と車での訪問だったので かなり効率的かつ広範囲を巡る事が出来ました。確か‥ 一日で5~6軒くらい巡ったかな? 当時はまだ かけうどん(小)が一杯100円程度ってのが相場だった時代だから 食欲旺盛で貧乏な若者にとって香川県は正に食の楽園でした。まぁ 貧乏という点においては今も大して変わらないんだけど ‥ただ、あれから僕も随分と歳をとり あの頃の底無しな食欲も やや衰えておりますし、それに どちらかと言えば今回は “量より質” を重視した大人旅なので 基本的には観光がメインなんです。そんなワケで、香川県に入って まず最初に降り立った琴平駅近くのうどん屋『いわのや』さんで早々に初陣(朝食)を済ませた後、人生初の金比羅宮を参拝するべく本堂へと続く金比羅山の長い石段を汗だくで上りました。ちなみに、この日の最高気温は37℃にも達する超猛暑日‥ 頭上から容赦なく照りつける灼熱の太陽光線に冗談抜きで生命の危機を感じ、不本意ながら奥社までの石段1368段を上りきるのは断念しました。けどまぁ 取りあえず本宮までは行けたし、それに 標高251mから望む讃岐富士(飯野山)も抜群に綺麗だったので個人的には十分に満足しております。‥で、その後は参道や駅周辺をのんびりブラブラと散策し、そこから更にJRを乗り継いで 最後にこの旅の終着駅となる観音寺駅へと降り立ちました。てなワケで 毎度の事ながら随分と前置きが長くなりましたが、ここからが漸く本題です(笑)。ここ、観音寺での目的も勿論 観光 ‥なのですが、目指す場所までは駅から凡そ2kmくらいあります。観音寺駅に到着したのが15時21分で 大阪へ帰る列車の出発時刻が17時31分でしたので、つまり滞在リミットは約2時間でした。一応、バスでも目的地付近まで行けるようでしたが‥ まぁ 恐らく徒歩でも余裕で行って帰れるだろうと思い歩く事にしたんです。‥ただ、前述の通り この日は気が狂いそうな程の猛暑日でしたからね 普段のウォーキングに比べ格段に体力や気力の消耗が激しく、歩き始めて僅か数分で全身から汗が吹き出し “ナメクジ状態” になりました。僕は生まれつき汗かきな体質なもので 一度汗をかき出したら暫くは止まらなくなっちゃって、よく周囲の人々からもドン引きされるんですよ。なもんで、夏場は常に水分と塩分の補給が必要不可欠で 外出時には必ず塩飴なんかを持参しております。この時も体力的には全く問題なかったんだけど、とにかく発汗量が尋常じゃなくて 現地に辿り着く頃には まるで滝行でもしたかのように全身ずぶ濡れ‥ しかも 悲劇はそれだけに留まらず、ここ観音寺での観光名所『銭形砂絵』をご存知の方であれば解ると思いますが、砂浜に大きく描かれた銭形砂絵の全貌を望む為には 当然の事ながら ある程度の高さ(展望所)まで登る必要があるワケですよ。現着時に漸くその事実に気づいた僕は 展望台のある丘(もはや山)を見上げて絶望‥ 思わず膝から崩れ落ちました。いや まぁ 正直、高さ自体は大した事ないんですよ、ただね、強烈な炎天下を30分も歩いてきた上、更にまだ地獄のような階段(苦行)が続くのかと思うとね 言葉では言い表せないような絶望感にメンタルが押し潰されちゃうワケですよ。とは言え、折角ここまで来て引き返すなんて それこそ只の無駄骨になっちゃうので 結果的には登ったんですけどね。‥だって、子供の頃にお爺ちゃんの隣で視てたテレビの時代劇(銭形平次)、あのエンディングで流れてた景色を この目で実際に見てみたくて遥々ここまで来たんだもん、それを目前に諦めるなんて出来ませんよ。でもね、ここを訪れる殆どの人達は基本的に車で展望台まで登ってくるようで‥ 少なくとも真夏の炎天下を駅から自力で歩いて来るような人は居ないみたいです。実際、この日も何組かのカップルやファミリーが来てましたけど、全身汗だくで瀕死の状態だったのは僕だけでした(笑)。何はともあれ、念願だった銭形砂絵の観光を終え これで本日のミッションは全てコンプリート!あとは無事に家まで帰るだけです。列車の発車時刻までは まだ1時間くらいあったので この際だから帰りものんびり歩く事にしたんだけど‥ 全ての目的を果たし安心したせいか 何だか急激に腹が減ってきました。そういや今日はまだ うどん一杯しか食べてなかったな‥。時刻は16時45分、う~ん 微妙‥ こんな中途半端な時間に営業してるお店なんて まず無いよね。てか、そもそも この街には飲食店自体が殆んど見当たらないし、期待するだけ無駄だよね ‥と 諦めかけたその時、一軒のラーメン屋が僕の目に留まりました。おやおや?これはまた僕好みの渋い店構えじゃないか。しかも暖簾が掛かってるって事は、営業中?‥なんだよね。ここから駅までは凡そ15分として、恐らくラーメンくらいなら大して時間もかからないだろうから列車の出発時刻(17:31)には間に合う筈だ‥ これはもはや神様が与えてくれた千載一遇のご褒美に違いない、よし 入ろう! ‥てな具合に この奇跡的な出逢いを逃すべからずと衝動的に飛び込んだお店が『中華そば 源平』さんでした。ちなみに 入店後に知ったのですが、この日(平日)の営業時間は 11時~17時 だったようで 正に “滑り込み” でした。いやはや、まるで僕の訪問を見越してギリギリまで待っててくれたかの様なドラマチックな展開に 思わず笑みが溢れます。店内には客は誰も居らず 年配の御主人が客席に座って熱心にテレビの高校野球を観戦されてました。あぁ なんか良いな この雰囲気‥ 如何にも “夏の昼下がり” って感じで胸が キュン となる。遠く離れた旅先で 初めて訪れた街の初めて入った店なのに 何故か懐かしさを感じる事ってありますよね。そんなエモーショナルな気分に浸りつつ 店内をグルリと見渡してみると、壁に貼られた3枚のメニュー冊が更に僕の心を和ませてくれました。『中華そば 500円』『寿し 1ヶ八十円 一皿240円』『飲み物 各種 120円』、他にメニューらしき物は見当たらず、どうやら選択肢は中華そばの1択のみ。いやぁ 超シンプルで実に解りやすい!これならメニュー選びに迷う事もないし、この潔さが今の僕には有難いです。しかも500円て!? 昨今の物価高騰で何処の店も軒並み値上がりしている世の中で この店はこれでホントに経営が成り立っているのだろうか? 不思議だ‥。けど まぁ、低所得者の僕にとって安いに越した事はないワケで、有り難くその恩恵にあやからせて頂きます。注文後、暫くして運ばれてきた中華そばは お店の雰囲気と同様に僕好みの昔懐かしいスタイルで、やや濁みのあるスープから湯気と共に立ち上る醤油の薫りに この旅の成功と勝利を確信しました。一般的に旅先では財布の紐が緩みがちで その土地の名物や郷土料理など観光客をターゲットにした馬鹿高い価格設定であっても 皆さん割と気にせずホイホイ出すじゃないですか。まぁ 確かに、体験談としては鉄板ネタの方が より人々の共感を得られますからね、そりゃ 僕も若い頃は真価など考えもせず 表面的な話題性を重視して散々大枚をはたいてきましたよ。でもね、それはあくまでも “旅行” での話、つまり “旅行” と “旅” は似て非なる物であって 根本的に性質がまるで違うんですよね。旅行は主に人々に対する共感(自慢)を目的としてますが、旅は基本的に自分自身の趣味趣向を満たす事が最大の動悸であり、話題性や見た目のインパクトなんぞは関係なく どれだけ幸せを感じれたかが最も重要なんですよ。要するに たった500円ぽっちの名も無きラーメンでも、それが苦労の果てに奇跡的に出逢った一杯であれば どんなに高価な料理よりも自分にとって何より価値があると言えるワケです。お店の情報とは全く関係のない話を長々としましたが、僕が今回の訪問で食べた この源平さんの中華そばに対する熱い想いや感動を伝えるには どうしてもこの長たらしい前置きが必要だったんです。「逆境は最高のスパイス」というのが僕の個人的な持論なのですが、目的の為に苦労を重ねるほど 得られる幸福感は増す‥ 例えば今回のように 灼熱の炎天下を散々歩き廻り しこたま汗をかいた事で体内の塩分濃度が激減してたのも より美味しく感じられた要因だったと思います。‥が、しかし それは只の付加価値であって、その持論を抜きにしても 源平さんの中華そばは本当に旨かった。普段は年齢的にも血圧なんかを気遣い ラーメンのスープはなるべく残すんです。‥けど、気づけば完汁!? いや、マジで最後の一滴まで止まんなかったです。列車の出発時刻が迫る中、偶然見つけた閉店間際のラーメン屋に滑り込めたという奇跡、しかも そこが僕好みの大衆的なお店で、接客や料理を含め 全てが温かく 心の底から幸せを感じれた事‥ 恐らく、あの場面でこれ以上に幸せを感じられる料理は他に無かったと...
Read moreSimply the best!
Try this chuka soba ramen if you are in the area. The consistency of the broth is perfect, not too heavy and with just the right amount of body to it. It has that classic, pure taste, and doesn’t need anything to show it off like other places do. It’s just good!
A popular spot for locals, if you come at lunch, come earlier or you will have to line up. If you’re already in and a bunch of people arrive, offer the seats around you if you are sitting at a larger table. More the...
Read more~ 中華そば 源平 ~ 車屋さんで点検中 … 何気なく … ナイスタウンをペラペラ見てた 「いとしの中華そば」のページで気になる店を見つけた バックから … メモ用紙を取り出し … 住所等をメモメモ 点検も無事終了したので … 帰りにドライブも兼ねて 「観音寺の源平」へと向かった 暖簾が出ているのを発見! 広い駐車場(20台)は … ほぼ「満車」状態 暖簾をくぐって入店 店内も … ほぼ「満席」 相席で何とか席に着けた 「中華そばとお寿司を」…と伝えると 「お寿司は売り切れました」とのこと 「では…中華だけ…お願いします」 店内は … 静かだが … 26席ある座席では … 皆 夢中で「中華そば」を楽しんでいた 「お~これぞ地元民に愛されている町中華!」 創業70年の老舗 メニューは … 「中華そば」と「寿司」の2つのみと言う潔さ 3分後に来たお客さんは … 「満席」だったので … 順番待ちのカードが手渡されていた その列も … どんどん長くなる 危ない危ない ギリギリセーフ 厨房では … 中華そば が どんどん作られては 盆にのせ… 運ばれていた 5分後 … 私の前にも やってきました 中華そば どれどれ …と スープをいただく 代々伝わっている秘伝の豚骨スープ コクがありつつも スッキリした後味 これが一度食べると忘れられない旨さなのか! ナルホド 麺も … 「ちょうどいい」感じで出汁がからんでくる 自家製の中細ストレート麺 チャーシュー・かまぼこ・メンマ・ネギ バランスよし! この味を求めて 次々とやってくる人の気持ち よく分かる 常連さんは … 暖簾をくぐらず ドアから入店 美味しくいただけました レジで500円支払い 「老舗の心意気」を感じながら … 車へと向か...
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