ラーメン富士屋 木更津店 — Restaurant in Kisarazu

木更津市の清見台という住宅地にあるラーメン屋さん。一時期は木更津エリアで食べログ1位も取っていたという、知る人ぞ知る系の有名店。 ただ、先代の引退に伴って一度閉業されており、その後、現店主さんが引き継いで営業再開をした模様。当初は酷評も散見されたものの、少しずつアジャストしてきたのか、また先代の頃からのお客さんも戻ってきているような感じがします。近くには木更津高専もあって、学生さん御用達のお店でもあるよう。

木更津駅からはバスで15分ほど。車のほうが行きやすい。駐車場は店前に数台止めるスペースがあるのですが、居宅の目の前ということもあって停めづらい。道を挟んではす向かいくらいに第二駐車場があるので、そちらを利用したほうがよさそう。

立地もあって、客の七割は地元民で、二割は高専生。特筆すべきは、高齢者の多さ。あんまり、こんなにおじいちゃんおばあちゃんが多い、町中華でもないラーメン屋さんてみたことない。昔から通い詰めているお客さんが離れていっていないということなんでしょう。店内は広々で、座敷やテーブル席もありますが、昼時はかなり混雑して店員さんもわたわたしています。注文も放っておくとなかなか取りに来てくれないので、スキを見て、能動的に注文したり会計したりする必要があります。

ラーメンは、竹岡式の醤油ラーメン一本というストロングスタイル。並盛と大盛があり、追加できるトッピングは、チャーシュー、ワンタン、細切りメンマ。後は、やくみ（玉ねぎ）。 オーダーは、大チャーシューメンやくみトッピングとしました。

ご存じの方も多いでしょうが、富津市竹岡の「梅乃家」および「鈴屋」を発祥とする竹岡式ラーメンの基本は、ダシを一切取らず（軽くダシを取るお店もある）、チャーシューダレとお湯でスープを作ること。そんなものがおいしいのかと言われると、一発目、一口飲んだ感想は、たぶん多くの竹岡式バージンの人の想像通りになると思われます。なにこれ、お湯で薄めた醤油じゃん、というもの。笑ってしまうほどまんま醤油の味がする。

ただ、二度三度と食い慣れてくると、この醤油の向こう側が見えてきます。醤油をそのまま舐めたときのようなしょっぱさのあとに、優しい豚の甘みがくる。あの大量の豚肉をダシにつかうと酸味が出てしまっておいしくなくなると思いますし、チャーシューの煮汁にうまみを溶かし込み、それをカエシにすることで、豚ダシのいいところだけをうまいことスープのせられている気がしますね。

だんだん、これこそ醤油ラーメンじゃない？という感覚になってくるわけですが、ならない人は内房には住めないかもしれない。この味がこの地域のデファクトスタンダードとなっているから。

麺は、地元・文明軒製の中細縮れ麺。注目すべきは、これが決して「おいしい麺」ではない、ということ。小麦の香りがするわけでもない。モチモチもツルツルもなく、生めんとは思えないほどのスピードでダレていく。ただ、この麺のコワコワした食感は、竹岡式の「乾麺を使う」という原点を踏襲したものであって、この「うますぎない麺」だからこそ、「うますぎないスープ」によくフィットするのだと思います。その代わり、大サイズは一心不乱に食わないと、最後のほうは麺がドゥルッとしてくるので注意。これは、乾麺を使う本家・梅乃家でも体感できることですね。

基本的に、麺茹では大釜でゆで上げるのではなく、小鍋でゆでて作っているようなので、スープをまとわせる表面のダレ感と、ある意味生っぽい芯の食感が共存する独特の味になるのでしょう。

チャーシューは、砂糖やみりんなどの甘みのない、しょっぱい角煮をスライスしたもの、という感じ。でも、ダシ感のうすいラーメンには、こういうしょっぺえチャーシューが一番合うわけです。脂身も多いものの、くどさは感じない。脂身の甘さが赤身にしみこんだ醤油を包み込むので、最終的にはちょうどよくなります。端っこの一番しょっぱいところはライスについてくる。

メンマは、竹岡式に多い、歯ごたえを残した淡白な細切りタイプ。薬味はダイスカットの玉ねぎではなく、鬼おろしタイプなので、シャキシャキした食感があるわけではなく、自らを主張しないので、ほんとうに薬味というポジションで食べることができます。

竹岡式ラーメンというのは、食べる側に努力を求めるラーメンだなと思います。濃厚な出汁、わかりやすい香味油の香り、贅沢で洗練された具で表現するものではなく、人間の舌が感じる必要最低限のうまみ、甘みを醤油の塩っけの裏に隠して、イースターエッグのように見つける喜び、みたいなものを感じさせるものなのでしょう。でも、それが本来の食の楽しみ方の一つでもあると思います。今の時代は、食に限らず、なんでも努力せずに見返りを求めることが当たり前になりすぎてんだよな、と思いますね。客におじいちゃんおばあちゃん多いのもうなずける。戦後の何もない時代に、銀シャリの甘さに涙した世代の方々なわけでね。そういうタイニーなおいしさをよくわかってるんでしょう。100％勝手な妄想だけど。

あれだけしょっぱいラーメンでも、何度か食べているうちに印象に残るのは、豚の脂の甘み、スープの醤油のトガリの向こうにあるうまみだったりするので、その宝物のように小さな幸せを見つけた人には、定期的に食べたくなる味になっていくのだと思います。

富士屋さんは、そういう、竹岡式ラーメンのうまさの神髄みたいなものを、わかりやすく気軽に、リーズナブルに堪能できるラーメン屋さんだなと思います。混んではいますけど、少し時間を外せば大行列に並ぶなんてこともないですし、お値段もこのご時世で爆安です。チャーシュー麺1000円以下とかそうそうなくなってますからね。

地元以外の人が梅乃家や鈴屋といった行きにくい行列店に行って竹岡式の醤油の洗礼を受ける前に、入門編として訪れるのにいいお...

2022年5月追記 長らくの休業から復活したとのことで、久しぶりに再訪しました。 まずは再オープンおめでとうございます。 自分ではラーメン屋さんで一番好きなお店でしたので、再オープンを心から喜んでおります。暇をみつけ高速飛ばして来ちゃいました。

久しぶりなので全部載せ、大チャーシューワンタン麺900円+薬味50円+ニンニクとしました。 連れはラーメン600円+やくみ50円+半ライス100円を頼みました。 あれ、以前はご飯ものはなかったような？ 半ライスは100円、ライスは150円でした。 ライスには刻んだチャーシューが添えてあります。事態に会わせバージョンアップしているようです。 混んでいる時に来たので着丼まで約15分、前はレンゲなんて自分でとって使ってた覚えがありますが、ちゃんとレンゲつきで提供です。 味は変わってませんとは言い切れない自分ですが美味しいです、これぞ木更津の富士屋さんだなって。 味はそっくりですが、若干塩けが少なくなったような気がします。 あと変わったことは、テーブルに置いてあるニンニクが変わりました。 以前はもっと臭く刺激の強いものでした。たぶんニンニクと玉ねぎを混ぜたものだったのかなと思いますが、今のは綺麗に刻まれたニンニクでした。容器もおしゃれです。 価格も若干なり値上がりをしておりますが、ご時世に会わせた価格じゃないかなって勝手に解釈してます。 またお邪魔させていただきます。 ご馳走様でした。

竹岡式ラーメンもいろいろなお店があるが、私はこちらのラーメンが一番おいしいです。（元地元て事もあると思います） コストパフォーマンスもよくラーメンが500円です（2017年8月現在） 他県にも似たラーメンありますが、スープはチャーシューの煮汁を使用していてちょっと味が濃く、麺もそう凝っては無くて茹でるときは小さな鍋で一人分ずつ煮ていきます、チャーシューも硬かったりする竹岡式ラーメンですが自分は好きです。 ニンニクと玉ねぎのすった薬味を入れて食べるのがおいしいです。（匂いが強いので気を付けて） 富士屋さんのスープはノーマルの状態では濃くもなく薄くもなく、飲み干そうと思えば飲めると思います。（自分は塩分控えめで飲み干しません） チャーシューは若干固めです。 麺の煮方や味の注文も出来ますのでお好みをお伝えください。　水とビールはセルフでどうぞ。 餃子などのメニューはありません。 この頃仕事で日本あちこち行き上手いラーメンを食べてきますが、時々富士屋のラーメンを食べて自...

2025/8/14 ラーメンを食べていたら噛み切れないものがあり、違和感を感じていたら口内にカメムシ臭が…。 慌てて口から出したら昆虫らしきものがでてきました。

ぱっと見、昆虫らしきものはスープと同じ茶色になっていたので飛んでいたモノが入ったのではなく、煮込まれていた様な印象でした。

他のお客さんもいたので小声でスタッフの方に伝えたら「そのラーメン、貰っていいですか」と言われたのでお渡ししましたが、その後に「ほとんど食べた状態で虫が入っていたと言われても作り直しは出来ない」と回答頂きました。

私としては作り直しは不要で昆虫が混入したことの確認が出来たら謝罪・再発防止を検討頂ければ良かったのですが謝罪はなく、かつ、回収されたラーメンも保管されていると思っていたらもう捨てたと説明されて絶句しました。

そもそもドンブリの底に異物が沈んでいたら客はすぐに気づけません。

ドンブリ回収は店として客から申告があっても確認しないと対応できないと思い渡しましたがまさか問題解決前に捨てられるとは予想できませんでした。(^_^;)

来来亭の混入問題等、異物混入がニュースになっているご時世に事実確認や現物保管をしないのはいかがなものかと思います。

会計時にこちらが支払うと言っても異物混入を伝えた一杯分のみは受取を拒否する形で代金不要の対応は頂きましたが、安心して食べられないという不安は解消されませんでした。

初代から二十年近く利用させて頂いてた...