古民家レストランを主とし 走る鉄道とローカルをご案内しましょう。
〝 どぜう料理 〟が美味しかった。 あぁ〜 ながい長い ご無沙汰でしたねぇ〜……懐かしの味です。 ここは 〝 JAやすぎ 道の駅 なかうみ菜彩館 〟の敷地内にある お食事処 〝 中海(NAKAUMI)の郷 〟 。 豊富なメニューに 郷土料理をさらに加えたお店である。
〝 どぜう 〟は旧仮名遣い(kyu-kanazukai)にあって 勿論〝 どじょう 〟のこと。 安来は どじょうが登場する安来節で全国に名が知られているが なかでも歌い手に合わせて踊るひょっとこの 捕まえた〝 どじょう 〟をザルからビクに移しかえる時のしぐさが可笑し(okashi)く 滑稽(kokkei)で 『俺は絶対笑わないぞ!』と誓っても 失笑してしまう。 言わずもがな 観客席は笑いの渦だ。 ここには古き日本の食文化が 代名詞 安来節として色濃く残っている。
〝 どじょう柳川御膳 〟を頂いた。 意外にサッパリとした味に好感がもてて 美味しかったね〜。
稲が刈り取られたあとの晩秋の田んぼは 水の引いた地表に乾風(anaji)が渡り始めると 指の太さ程の穴がアチコチに開いてるんですよ。 気長に掘っていくと やがて水が湧き出しくるんですが その時点で腕が入る大きさにまで広がってましてね。 穴の奥まで腕を伸ばすと やがてヌルヌルした魚体にたどり着くんです。 今でもよく覚えています……青墨色(aozumi-iro)の背から腹部に渡る途中で グラデーション部が鰻(unagi)のように綸子模様(rinnzu-moyou)を呈し そこから やや黄味を帯びながら 灰味白色(haimi-shiro-iro)をした腹に至る……体高が小ちゃなシシャモ程もある 堂々のそれを掴み出すんですが………わんぱく小僧には それが 楽しくて 面白くて(笑)。 当時は自然がもたらす動植物が遊びの対象だったんです。 越冬の為 脂がタップリのった プリップリの黒くて太い 大きな〝どじょう〟が 20匹 30匹と獲れたものです。 遊びの楽しさは 夕げの御膳を さらに満たすことを手伝っていたとも言えるでしょう。 それがある時期から 発達した農薬の力によって この星がくれた恵みは死滅していったんです。 稔りを約束してくれる代わりの代償は あまりに大きかったわけです。 影響はやがて人にも 深刻な事態を引き起こしました。 人も この星が つくったことを忘れてたんです……人も動物……生き物なんです。
さて あの頃の体高より かなり小さかったが懐かしかったね。 多分 大きさの違いは 種類の違いにあるんだろうね。
店の前は山陰本線と並走しながら 国道9号線が走り 出雲からも米子側からも 車でのアクセスが便利である。 店内は田舎の宿 という感じがして落ち着いた雰囲気が漂う。 畳・廊下・襖・椅子・卓・灯などなど 全てが古き日本の整(Totono)いにあることを感じさせてくれる。 中海も近いから 時間に余裕があれば冬の訪問者達に逢いに行くのもいいだろう。
美味しく夕食を頂いた そのおよそ33分後 遠くから かすかに カタカタン……コトコトンの音が やがてレールの頭部側面を車輪のフランジが摺(su)る ツィーン ツィツィツィーン って感じの金属音が モートルと走行の詳細な音に混じって レールが伝えて来るではありませんか。 遂にそれは最大となり 目の前の闇に大きな明かりが流れ 風切る音を伴いながら〝 サンライズ出雲 〟が およそ600km先の明日の東京に向け 高速で通過して行くのである。 美しい2階建ての車輌は 1998年にグッドデザイン賞を受賞した。 出雲市駅18:51発 ➡︎ 東京駅 翌朝07:08着は 日本海に流れる日野川と 瀬戸内海側へと 流れる高梁川……その源流の分水嶺付近を越え 明日との間に横たわる暗い闇を渡って行く。 エキスプレスが太平洋側に出るために避けて通れないのが かって三重連のスティームロコモーティヴファン達 垂涎の的(suizenn-no-mato)であった伯備線である。
因みに伯備線は国内有数のカーブの多さで知られ 最大25‰(パーミル : 意=水平に1,000m進んだところで25m登った or 降りた地点に辿り着く傾斜 ないし起伏地形)を有し 西日本の尾根 中国山地を横断する 路程およそ140kmに及ぶ鉄路である。
JRは近年 車両デザインが格段に向上し〝 サンライズエキスプレス 〟は ヨーロッパの風景の中を走らせても まったく引けをとらない 華麗なバラの花をも想わせる列車である。 デザイナーの力量に感心する。 機会があれば この美しい列車に乗ってみようと思う。
美味しいどじょう料理をとおして出雲の国 安来の郷土を知り 紅(kurenai)に燃え 堕ちゆく中海の夕景に この世を ただ一度の旅と悟り 目の当たりを流れ行く美しいサンライズ出雲を見れば 今日の向こうに歩き出したくなる。 皆さんも機会があれば 一度お訪ねなさっては如何だろう。 中海の夕景……そして運がよければサンライズ出雲にも会えるかもしれません。 因みに サンライズの通過時刻は ポケットから取り出した小生めの懐中時計で19:52でした。 古いロンジンの機械式時計ですから ±3分ぐらいの誤差はお許しください。
出雲の国 その安来 ...
Read more〝 どぜう料理 〟が美味しかった。 あぁ〜 ながい長い ご無沙汰でしたねぇ〜……懐かしの味です。 ここは 〝 JAやすぎ 道の駅 なかうみ菜彩館 〟の敷地内にある お食事処 〝 中海(NAKAUMI)の郷 〟 。 豊富なメニューに 郷土料理をさらに加えたお店である。
〝 どぜう 〟は旧仮名遣い(kyu-kanazukai)にあって 勿論〝 どじょう 〟のこと。 安来は どじょうが登場する安来節で全国に名が知られているが なかでも歌い手に合わせて踊るひょっとこの 捕まえた〝 どじょう 〟をザルからビクに移しかえる時のしぐさが可笑し(okashi)く 滑稽(kokkei)で 『俺は絶対笑わないぞ!』と誓っても 失笑してしまう。 言わずもがな 観客席は笑いの渦だ。 ここには古き日本の食文化が 代名詞 安来節として色濃く残っている。
〝 どじょう柳川御膳 〟を頂いた。 意外にサッパリとした味に好感がもてて 美味しかったね〜。
稲が刈り取られたあとの晩秋の田んぼは 水の引いた地表に乾風(anaji)が渡り始めると 指の太さ程の穴がアチコチに開いてるんですよ。 気長に掘っていくと やがて水が湧き出しくるんですが その時点で腕が入る大きさにまで広がってましてね。 穴の奥まで腕を伸ばすと やがてヌルヌルした魚体にたどり着くんです。 今でもよく覚えています……青墨色(aozumi-iro)の背から腹部に渡る途中で グラデーション部が鰻(unagi)のように綸子模様(rinnzu-moyou)を呈し そこから やや黄味を帯びながら 灰味白色(haimi-shiro-iro)をした腹に至る……体高が小ちゃなシシャモ程もある 堂々のそれを掴み出すんですが………わんぱく小僧には それが 楽しくて 面白くて(笑)。 当時は自然がもたらす動植物が遊びの対象だったんです。 越冬の為 脂がタップリのった プリップリの黒くて太い 大きな〝どじょう〟が 20匹 30匹と獲れたものです。 遊びの楽しさは 夕げの御膳を さらに満たすことを手伝っていたとも言えるでしょう。 それがある時期から 発達した農薬の力によって この星がくれた恵みは死滅していったんです。 稔りを約束してくれる代わりの代償は あまりに大きかったわけです。 影響はやがて人にも 深刻な事態を引き起こしました。 人も この星が つくったことを忘れてたんです……人も動物……生き物なんです。
さて あの頃の体高より かなり小さかったが懐かしかったね。 多分 大きさの違いは 種類の違いにあるんだろうね。
店の前は山陰本線と並走しながら 国道9号線が走り 出雲からも米子側からも 車でのアクセスが便利である。 店内は田舎の宿 という感じがして落ち着いた雰囲気が漂う。 畳・廊下・襖・椅子・卓・灯などなど 全てが古き日本の整(Totono)いにあることを感じさせてくれる。 中海も近いから 時間に余裕があれば冬の訪問者達に逢いに行くのもいいだろう。
美味しく夕食を頂いた そのおよそ33分後 遠くから かすかに カタカタン……コトコトンの音が やがてレールの頭部側面を車輪のフランジが摺(su)る ツィーン ツィツィツィーン って感じの金属音が モートルと走行の詳細な音に混じって レールが伝えて来るではありませんか。 遂にそれは最大となり 目の前の闇に大きな明かりが流れ 風切る音を伴いながら〝 サンライズ出雲 〟が およそ600km先の明日の東京に向け 高速で通過して行くのである。 美しい2階建ての車輌は 1998年にグッドデザイン賞を受賞した。 出雲市駅18:51発 ➡︎ 東京駅 翌朝07:08着は 日本海に流れる日野川と 瀬戸内海側へと 流れる高梁川……その源流の分水嶺付近を越え 明日との間に横たわる暗い闇を渡って行く。 エキスプレスが太平洋側に出るために避けて通れないのが かって三重連のスティームロコモーティヴファン達 垂涎の的(suizenn-no-mato)であった伯備線である。
因みに伯備線は国内有数のカーブの多さで知られ 最大25‰(パーミル : 意=水平に1,000m進んだところで25m登った or 降りた地点に辿り着く傾斜 ないし起伏地形)を有し 西日本の尾根 中国山地を横断する 路程およそ140kmに及ぶ鉄路である。
JRは近年 車両デザインが格段に向上し〝 サンライズエキスプレス 〟は ヨーロッパの風景の中を走らせても まったく引けをとらない 華麗なバラの花をも想わせる列車である。 デザイナーの力量に感心する。 機会があれば この美しい列車に乗ってみようと思う。
美味しいどじょう料理をとおして出雲の国 安来の郷土を知り 紅(kurenai)に燃え 堕ちゆく中海の夕景に この世を ただ一度の旅と悟り 目の当たりを流れ行く美しいサンライズ出雲を見れば 今日の向こうに歩き出したくなる。 皆さんも機会があれば 一度お訪ねなさっては如何だろう。 中海の夕景……そして運がよければサンライズ出雲にも会えるかもしれません。 因みに サンライズの通過時刻は ポケットから取り出した小生めの懐中時計で19:52でした。 古いロンジンの機械式時計ですから ±3分ぐらいの誤差はお許しください。
出雲の国 その安来 ...
Read more出雲そばを食べたいと思いながら車を進め、12時半頃そろそろ昼食を摂ろうと道すがら見つけた道の駅に入り、出雲そばの幟が立つこちらに入店した。 入口で靴を脱ぎ靴箱に入れて鍵を掛け木札を持って席に向かう、日本庭園が見える席を希望すると、予約席ですと断られた、以前にも大分の蕎麦屋で同様のことが有ったが道の駅のレストランで予約席って?と、訝しく思ったが気を取り直して別の窓側の席に着き、品書をひと通り見てそばを注文しようとすると、本日のそばは品切れとのこと、まだ午後一時にもなってないのに?!更に驚いたことに、「入口にそばは品切れと書いてあったんですが‥」と、まるで見てないこちら側に落ち度が有るような口振りである。空いてるのに座りたい席に座れない、出雲そばが食べたいのに提供されない、予約席があるとか蕎麦が提供できないとか、だったら出雲そばの幟は下げるとか、万人が分かるように見える場所に大きく告知するなどすべきなのに、ホスピタリティが皆無どころか人を嫌な気分にさせる点に長けた施設だと思った。 本来の「道の駅」とは使い勝手の良さやリーズナブルなコストパフォーマンスに重点を置くものと考える、その上で地域の特産品や特色を活かしたインフラを構築すべきだろう。 しかし、ここは何処かから態々移築した古民家を改装してレストランとしている、先に誤解が無いように述べるが古民家再生や活用を否定する気は毛頭ない、寧ろ古い建築物を残すのは大賛成であり、その知恵を絞ることは吝かではないのだが、道の駅に古民家レストランではベースとなるコンセプトが乖離しているといわざるを得ない。しかも昼食の品書きとしてはどれも高い価格帯で、旅の途中で気軽に立ち寄ってその土地の特産品や名物を楽しむ、ユーザー目線の配慮が皆無である。道の駅の中で他にも食事ができる選択肢(地産の食材を使った弁当など)が有れば、高級な古民家レストランも有意義なものとなるが、現状では道の駅で唯一の食事が摂れる施設としては十分な役割を果たせていない。 本当は★を一つもつけたくないが、古民家の日本庭園に免じて★一つ付与する。 令和五年十一月六日...
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