日本でもっとも美しいか、少なくとももっとも居心地のいい国宝建築。真言宗随一の「学問の寺」として知られる高山寺の中興・明恵上人の住居と伝わる。
栂尾山は古代から山岳信仰の地だったと考えられ、奈良時代には「度賀尾寺」「都賀尾坊」などと称される寺院があったらしい。少し南の神護寺は空海が自らの修行の地として居住し(京にいた時には東寺の西院と神護寺を行ったり来たりしていたらしい。東寺は仕事の場、神護寺は修行と思索の場だったのか?)、平安時代にはその神護寺の山中修行道場の別院だったらしいが、本格的に寺院として発達したのは鎌倉時代に明恵がここを本拠地にしてからと考えられている。
伝承では後鳥羽上皇の学問所を下賜されたものとされ、明恵の没後は正面(東側)の広い板敷・蔀戸の、今は木造の善財童子像が置かれている部分を拝殿として、次之間に春日権現を祀り、明恵の居室であったらしい部分以降は経蔵として使われていた。明治時代に高山寺本堂の斜め後ろから現在の、谷に面した位置に移設したのに伴い、住居の形態に改められた。
簡素で質朴な作りながら入母屋造りを基本とする杮葺屋根の微妙な曲線(東側・正面の板張りの部分は屋根が別構造で付け加えらて延長されている、その繋ぎ方の妙など)など非常に洗練されて優雅。柱のデリケートな太さというか細さなど、繊細な感性が隅々まで行き届いている。
春日権現が祀られていた細長い部屋は天井が折り上げになっており、明恵の居室だったと思われる部屋は簡素ながら趣のある切妻式の板張り天井になっている。
圧巻はなんと言っても清瀧川の流れる谷間を見下ろすテラスのように開かれた広い廊下と縁側。明恵上人は有名な肖像画では林の中で松の木の半ばで坐禅を組む姿で、周囲には様々な小動物は描かれているが、自然を愛したことで知られ、ここで高雄の山々を眺めるアルファ派出まくり状態の環境で思索に耽ったのかもしれない。
ちなみにこれまた有名な「鳥獣戯画」も高山寺の所蔵だが、明恵上人のコレクションだったのかも知れない。運慶の息子の仏師・湛慶の作と言われる仔犬の像は、明恵上人が作らせて身近に置いて愛玩したものという。なお上記の国宝・明恵上人図像、仔犬像(重文)、鳥獣戯画(もちろん国宝)の複...
Read more2024/07/04(木) 三尾さんも高山寺石水院が最後となりました。 高尾観光駐車場🅿️を09:09に出発して、お四国八十八ヶ所で使用した金剛杖のお大師さんと妻との同行三人旅(高野山〜神護寺〜西明寺〜高山寺まで)も3日目も無事に満願できました。 明日は麓の鳴滝のホテルから宇治市の西国観音霊場の第10番札所の明星山三室戸寺➡︎第12番岩間山正法寺➡︎第14番長等山園城寺を打てば、今回の巡礼は打止めと相成ります。
タイムスケジュールは、4時間30/約3km 高尾観光駐車場🅿️09:09⇨(国道162 周山街道)⇨白雲橋⇨高尾神護寺前三叉路を右に入る(府道138)⇨指月橋(西明寺参道)⇨灌頂橋(林道)⇨高尾橋⇨神護寺参道入口⇨階段⇨砥石⇨09:52神護寺楼門⇨神護寺⇨鐘楼⇨⇨⇨11:24和気清麻呂霊廟⇨11:24明王堂⇨10:03金堂⇨多宝塔⇨神護寺閼伽井(あかい)⇨五大堂⇨毘沙門堂⇨⇨10:54かわらけ投げ11:04⇨地蔵堂⇨⇨11:09大師堂11:17⇨11:31楼門⇨⇨11:45高尾橋⇨...
Read moreIt’s a bit pricy to get in but it’s a historical site housing the painting that is widely commercialized. It’s very small...
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