黒川地蔵尊
所在地 熊本県阿蘇郡南小国町満願寺6612-2
訪問日 2025/6/6
朝の散歩で参拝しました。小さいですが、雰囲気のあるお堂で天井画が印象的でした。
地蔵堂は、黒川温泉の中心地にあり黒川温泉発祥の逸話「身代わり地蔵」の話で知られる地蔵尊が祀られています。
地蔵堂は昭和初期に建立されたもので、温泉めぐりに使われる入湯手形を奉納する場所になっています。
「黒川の身代わり地蔵」
300年以上昔の話、阿蘇外輪山の麓の小国郡に住む15才の少年「睦五郞」は、病弱の父に代わって毎日町に出て塩を売った。しかし、なかなか商売がうまくいかず父の病気も悪くなる一方で、少年の気持ちは落ち込むばかりであった。
「この世には神も仏もないものか」
いよいよ手元に銭も無くなり、米も買えなければ父の薬も買えなくなった。そんな中、父が臨終を迎えた。枕元に睦五郞を呼んでかすれた声で無理を言った。
「黄色く熟れた瓜ば食いたか」
孝行息子の睦五郞、父の願いをきいてあげたいとは思うが、1個の瓜を買う銭も無い。ぐずぐずしていては父は思いを果たせず黄泉の国に行ってしまう。 闇夜を待って余所の畑に潜り込んだが、あいにく見廻りの時蔵に見つかり、役人に言いつけた。睦五郞は役人に首を刎ねられてしまった。
首を刎ねた役人が帰った後、時蔵が睦五郞の死体を見ると、そこにあるはずの首が無い。代わりに、お地蔵さんの首がコロンと転がっていた。
時蔵から地蔵さんの話を聞いた睦五郞は考えた。「父ちゃんに瓜を食べさせる為に、お地蔵さんが俺の身代わりになってくれたんだ」
そう考えたら、地蔵さんがかわいそうになって、今度は自分が首を元通りに据えてやろうと思った。
ところが、どんなに腰に力を入れて抱えようとしても地蔵さんの首はびくともしない。 それに、地蔵さんの口元がかすかに動いている。
「わしを、川上の美しい景色の場所に移して欲しい」と、言っているようだ。
命の恩人の願いは無視できない。夜が明けると、首と胴体が分かれたままのお地蔵様を荷車に乗せて、山道を田の原川に沿って登って行った。一休みして、また出掛けようとしたら、車輪が凍り付いた様に動かない。辺りを眺めると、そこはまた何と景色の良いことか。連なる山中を清流が流れ、川岸には今を盛りと、真っ赤に染まったモミジが川面を染めていた。
「此処だ!地蔵さんが住みたいと言われた場所は」
睦五郞は川辺に丁寧に地蔵さんの胴体を置くと、肩の上に切られた首を据えた。だが、首と胴体をくっ付ける物など無く技も知らない。仕方無く首の回りに持っていた手拭いを巻いて、今来た道を引き返そうとした。
その時、あら不思議。地蔵さんの足元からモクモクと湯気が立ち上った。湯気はその後、田の原川の水面からも立ち上り、手をつけると心地良い湯になっていたと云う。
この、湯が涌き出た場所こそが現...
Read moreBeautiful gingko carpet on Autumn! Didn’t expect there was a temple like this in Kurokawa onsen. The leaves already fell but it looks really beautiful...
Read moreむかしむかし、豊後の国の中津留という所に貧しい塩売りの甚吉と、病で寝たきりの父親が住んでいました。そんなある日の事お地蔵様に商売用の塩をほんの少しお供えして父の病が早く良くなる事を願って、畑に甘瓜を盗みに入りましたが地主に見つかり甚吉は首をはねられてしまいました。しかしそこには身代りになられたお地蔵様の首だけが落ちていました。 ある日、肥後細川藩の修行者で本田勝十郎という人が肥後の国に持ち帰ろうとし旅の途中でのこの地玄河(黒川)で一休みをしていた所 お地蔵様が「ここに安置してくだされ」とお告げされたそうです。村人達がお地蔵様の首を奉り大切に守り続けたところ、この地より温泉が湧き出たのが今の黒川温泉の始まりと言われています。今も黒川を見守るありがたいお地蔵様。 毎年五月八日には、黒川の住民達がお地蔵様に感謝し、...
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