「番町で目明き盲に道をきき」 江戸の番町は塙保己一の開いた和学講談所の在った場所で、この川柳は、盲人の保己一に晴眼者がこぞって(人生の)道をたずねる様を面白おかしく描写したものとなります。 保己一は盲人でありながら驚異的な記憶力をもって学問を修め、盲人の生活安定と国学の発展に大いに貢献した人物として知られています。同じ国学者であっても、時に批判の対象となる本居宣長や平田篤胤と異なり、篤実な人格者と認知されていますが、生き馬の目を抜くような盲官の世界にあって、総検校にまで登り詰めた政治力は並のものではありません。宣長が町医者で生計を立てつつ研究を続けていたのに対して、保己一はパトロンをがっちりと確保していたうえに幕府の支援まで取り付けていました。保己一の業績のうちでとりわけ重要なのは、国学、国史に関する古今の文書を網羅した一大叢書である「群書類従」「続群書類従」の編纂となりますが、門外不出のものをふくめ、貴重な資料の数々を確保できたのは保己一の人脈と影響力の賜物です。 本庄市立塙保己一記念館は、保己一の出身地である現在の本庄市児玉にある施設で、保己一の生涯と業績をわかりやすく解説しています。これぞと言うほどのお宝はないものの、展示されている資料は網羅的で充実しています。保己一の事業家、実業家としての側面にも言及していて、興味深く感じられました。 JR八高線児玉駅からは歩いて一〇分ほどですが、列車の運行本数が限られているのであまり便利ではありません。ただ、近くまで来たなら立ち寄...
Read moreGood place to know Hanawa Hokiichi, who is a Japanese famous blind scholar in the Edo period. I didn't know that Helen Keller visited Hokiichi's memorial house when she came to...
Read more埼玉三偉人の一人、塙保己一(はなわ・ほきいち)ゆかりの史料を展示している。塙の故郷、旧児玉町は平成の市町村合併により本庄市に編入となり、記念館は本庄市児玉総合支所に併設という形になっている。
展示スペースは広くはないが、失明にいたる経緯や江戸での苦学、群書類従編纂と同時代人による支援、故郷や亡き母への思慕と信仰心、大出世したのちの和学講談所の様子などがテーマ。古文書中心の展示と思いきや、本人の愛用品が多数展示されていたり、群書類従666冊がどれだけのボリュームなのか、どのようなジャンルを蒐集したのか一目でわかるビジュアルな展示がされていたりと、飽きずに最後まで見られるよう工夫されている。群書類従の版木が、現在も都内研究機関に散逸せずに保存されているのは驚きであった。
訪問した2022年6月には、「塙保己一の奉納刀」が特設スペースに展示されていた。奉納用ということで当初から拵えのみ、褪色も著しいが、貴重なものであろう。展示室外に、ヘレン・ケラーや埼玉三偉人の他の二人(渋沢栄一と荻野吟子)との関わりを示すミニコーナーもある。見学時間は1時間程度。
来館した視覚障害者用の補助としては、オンデマンドの音声解説(ヘッドホン付き)や、銅製の保己一像を触れるコーナーがある(ヘレン・ケラーが触れた銅...
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