コロナ禍で奮闘中の 広島大学学生諸君へ贈る、重大な引継事項。

10年振りに西条に来た。久しぶりのじゃんじゃん亭。目的は『中華風カツ丼』である。

このお店の大将の作る、『中華風カツ丼』は世界一だ。あの頃、貧乏で必死にバイトした僅かなお金で腹を満たす喜びといえば、じゃんじゃん亭の『中華風カツ丼』であった。

今や、大都会で数万円する高級料亭や焼肉、寿司、超一流の場で会食が当たり前になった。高給取となった私を今もなお、虜にし続ける確かな味がそこにはある。いや、10年前からちっとも色あせない味がそこにはあったのだ。

君たちは本当に知っているだろうか？ 知らないなら、君たちにとって大きな損失だ。悪くは言わない、早めに『中華風カツ丼』でお腹を満たしてみるといい。600円ちょっとで西条で世界を触れることができるのだ。

いずれ、君たちが広島大学を羽ばたき、そしてそれなりの会社や分野で第一人者になろう、何者かになろうと社会の荒波と戦っている時、ふと思い出す自分の原点。

それがじゃんじゃん亭の『中華風カツ丼』になることは私が自信をもって保証をする。

当時は若かった大将も、今や御年50になられた。学生たちを思い出す記憶力は格段に下がったという。そんな中、私がくるなり「あなたのことを覚えている！常連さんだよ」と10年を経過しようとするのに、覚えていてくれた。

それは、私がほぼ毎週のように通ってお金を落としたからではない。一貫して『中華風カツ丼』しか頼まない私の熱烈な支持具合を覚えていてくれた、そう捉えている。

麻婆丼ではない。圧倒的カンバンメニューは、実は『中華風カツ丼』だったのだ。分断の起きたコロナ禍でどうやら令和世代の君たちに広く知られていない、と聞いてとても残念だ。

東広島という田舎から、輝かしい何者かになろうとしている、可愛い広島大学学生の諸君よ、『中華風カツ丼』を一度でよいから、食べてみよ。

これで私の言っていることが理解できないなら、私に自由に文句をくればよい。そんな気にならないくらい、君たちの舌を唸らせてくれる料理がそこにはある。

乱筆ですが、今も大変な中奮闘をし続ける後輩諸君に向けて、重大な引継事項を贈らせて頂きます。 ご精読ありがとうございました。