「万楽にて、五目そばの湯気に心ほぐれる」
——風にのせて薬を運ぶ拙者・吉兵衛、今日の旅先は、東国のある町の片隅。 昼も近づき、腹の虫が何やら催促してくる頃合い、どこからともなくふんわり漂う醤油の香りが鼻先をくすぐり申した。ふと見れば、赤い暖簾に「万楽(ばんらく)」の三文字。なんとも福々しい名ではござらぬか。旅人の直感が「ここぞ」と告げ、草鞋を脱ぐことと相成った。
戸を引くと、まず迎えてくれたのは、味のある店内の空気と、穏やかで凛とした佇まいの料理長殿。白い割烹着がよく似合い、黙して語らずとも、その背中からは“料理で語る男”の気迫がにじみ出ておった。年のころは五十路あたりと見受けられ候えど、目の奥は少年のようにきらりと光り、まことイケオジと呼ぶにふさわしきお方。
さらに目を向ければ、きびきびと働く店員のお嬢様方。これがまた目を見張る美しさながら、媚びず気取らず、笑顔には真心が宿っておる。気持ちの良い接客に、旅の疲れもすっと引いてゆくようでござった。
さて、拙者が頼み申したのは「五目ソバ」。餃子が人気と耳にしてはおったが、心は何故かこの一椀に引き寄せられた。ほどなくして運ばれてきた五目ソバ、器から立ちのぼる湯気が、もう…これは、ひとつの風景でござった。
まず目を引くのは、色とりどりの具材。白菜、人参、筍、きくらげ、ぷりぷりの海老に、とろりとしたうずら卵。まるで花鳥風月を一碗に描いたような美しさ。スープをひと口すすれば、あっさりながらも深みある味わいが、喉をすべり、胃の奥までやさしく染み渡る。
麺はやや細め、するりと喉越しよく、具材とよく絡み合う。食べ進めるごとに、気づけば顔がゆるみ、心の襞がほぐれていく。これはもはや料理というより“やすらぎ”でござるな。
量もたっぷり、腹も心も満たされて、これでこのお値段とは…お主、万楽、只者ではないのう。支払いは現金のみとのことながら、拙者にとってはむしろ好ましい。帳面を使わぬ真っ直ぐさが、ここの気風とよう合っておる。
帰り際、「またどうぞ」と微笑んでくれた店員さんの笑顔が、何よりのデザート。店を出れば、昼の陽射しが少し柔らかく感じられた。
万の楽しみと書いて「万楽」。その名に偽りなし。人のぬくもりと丁寧な味に出会えた今日という日も、きっと我が旅の宝物になるであろう。
——令和七年 水無月の空の下、草鞋軽く 旅商い・吉兵衛、心に一椀の温もりを携えて、次の町へ向かう也。
20250805:再訪追記 モヤシソバ 20250804:再訪追記 肉うま煮飯 20250817:再訪追記 肉うま煮飯 20250825:再訪追記 広東麺 20250830:再訪追記 五目ソバ 20250825:再訪追記 広東麺+チャーシュー 20250911:再訪追記 広東麺 20250913:再訪追記 広東麺 20250918:再訪追記 広東麺 20250922:再訪追記 広東麺 20250928:再訪追...
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