春日方面で有名な豚骨ラーメン屋さん。 20年以上続く老舗で、老若男女問わずいつも賑わっているお店です。 こちらには何と、「豚骨潮風味(博多あっさり)」「博多元祖の旨味(博多こってり)」「秘伝赤ダレ(博多外伝)」「熊本マー油風味(博多焦がしにんにく)」「富山ブラック黒ごま(博多の黒)」「徳島風味(醤油豚骨)」「和風赤ダレ(博多深紅)」「超こってり(博多雲海)」という8種類のラーメンが常時扱われており、色んな味を楽しむ事ができます(←サイズと値段が載ったマトリクス表が店内に貼り出されている為、初めてでも安心)。 6時間以上煮込んで作られるという自家製ラードと、ラーメンによって使い分けられる3種類の基本スープが特徴。

店内は、きちんと整理整頓が行き届いており、若干古さは感じるものの清潔。 店主はちょっと無愛想に見えるかもしれませんが、朴訥ゆえにそう見える感じで、実際は人が良さそうな印象。 店員さんは明るく気さくな女性の方で、細かな所まで気が利く優しげな接客が心に残りました。 常連だけ居心地がいい訳でもない、誰でも寛げるごく自然なアットホームな雰囲気で、何度でも行きたくなるような魅力がありました。

今回、「博多こってり(税込560円)」「博多外伝(税込590円)」「餃子(税込160円)」「半チャーハン(税込240円)」「替え玉(税込120円)」を注文。

「博多こってり」は、見た目通りこってり濃厚な豚骨スープが美味。 ホロホロモロモロした口当たりの自家製ラードがスープと共に、かなりコシの強い低加水極細麺に絡み、さっと溶けます。 昔ながらの野趣溢れるストレートな塩系豚骨ラーメンというイメージで、塩気はやや強め。 しかし、想像していたよりも後口はそんなにしつこくなく、胸焼けせずスルスル入りました。 恐らく、自家製ラードにする過程で脂をいい部分だけに凝縮したからではないかと思っています。 チャーシューは豚の赤身主体のしっとり淡白な味わいで、ヘルシーで濃すぎないなのがこのラーメンと相性抜群(←ある方が「ちょっと固めの鶏ハムみたい」と仰ってましたが、確かにそんな感じです)。

「博多外伝」は、「博多こってり」とは明らかに違うサラッとした舌触りの豚骨スープ。 最初の一口はさっぱりして密度が薄く感じますが、後から豚骨の成分がじわりじわりと時間差で立ちのぼり、最終的にしっかりとした豚骨味が口に残ります。 赤ダレは生にんにくのガツンとストロングな風味と、唐辛子のドライな辛味がピシャッと効いたワイルドな味付けで、辛い物好きにはたまりません。 「博多こってり」よりも後口はさらにあっさりしているので、食べやすいです。 茹でもやしのシャリシャリ感が、いいアクセントになってました。

「餃子」は、半月型の家庭的な一口焼き餃子。 しっかりした味付けの肉餡と、ムチムチカリッとした皮がぴったりで、ラーメンの付け合わせとしてちょうどいい塩梅の美味しさ。

「半チャーハン」は焦がし醤油とラードが染み渡った、ややしっとりめのふんわりした焼き飯風。 炒り卵がたっぷり入っているせいか、マイルドで優しい味わいだと感じました。

気のせいか、出来立てでもラーメンが僅かにぬるめですが、そこまで気になりません。 正直、ものすごくハマるとかそういう味ではないのですが、ふと思い出してはふらりと行きたくなる忘れがたいラーメン屋さん。 派手さはないものの、安くて美味しく、にっこり元気になれます。