【兄弟が包む、豊かな時間】 ここの餃子は、待つことから始まる。オーダーを受けてから、兄弟は冷蔵庫から生地の塊を取り出し、手際よく切り分け、丸い皮へとのばしていく。この一連の所作は「こだわり」という言葉で片付けるにはもったいない。餃子の皮の食感を決定づけるグルテンの構造は極めて繊細。作り置きをせず、注文の都度のばし、クルクルと包んでいくから餡の水分が皮に移らない。小気味よいリズムは見ているだけで飽きない。
【待ち時間ではなく調理時間】 わたしたちが待たされていると認識する十数分は、彼らにとっては最高の餃子を完成させるための調理時間そのものだ。オープンキッチン越しに見える淀みない手仕事は、客の焦燥感を、むしろ美味への期待感へと昇華させる。これは効率主義とは対極にある、素材と客への誠実さの表れに他ならない。
【まずは、そのままという提案】 やがて完璧な焼き色をまとった餃子が皿に並ぶ。焼き面の香ばしさは、高温によって引き起こされるメイラード反応の賜物であり、蒸し焼きにされた上部の皮は、デンプンが十分にアルファ化することで、もっちりとした弾力を生む。そして、卓上の案内に目が留まる。「まずはそのままお召し上がりください」。これは、店の哲学を最も端的に示す提案だ。
一口噛み締めると、まず上質な小麦粉由来であろう皮のほのかな甘みが広がる。次いで、緻密に練り上げられた餡から、国産豚肉のイノシン酸と野菜のグルタミン酸が一体となった滋味深い肉汁が溢れ出す。塩と香辛料による下味は、素材の輪郭を際立たせる絶妙な均衡を保っている。タレを必要としないのではなく、この一粒で味が完成しているという、静かなる自信の表明だ。卓上の黒酢は、この完成された一皿に新たな表情、酸味とコクを与えるための、次なる展開への入り口として機能する。
【吉林省長春の風と誇り】 この味の設計思想は、どこに由来するのか。その答えは、店名「吉春」に隠されている。兄弟の故郷、中国・吉林省長春。その二文字を冠した店名には、彼らのルーツへの敬意と誇りが込められている。中国のホテルで長年シェフとして腕を磨いたという経歴は、彼らの技術に伝統料理を再構築する客観的な視点と、洗練された体系を与えたのだろう。
水餃子を口にすれば、その出自はより明確になる。日本の一般的な水餃子とは一線を画す、プリッとした力強い皮の食感は、主食として餃子を捉える本場の文化を色濃く反映している。彼らがこの調布の地で、あえて国産食材を選び、その日の分だけを仕込むという手法は、故郷の味を日本の優れた素材で再現し、さらに昇華させようというプロフェッショナルとしての探求心の表れだ。
お店を後にする時、満たされるのは空腹だけではない。一つの料理が完成するまでの背景と物語に触れた、静かな満足感がそこにはある。焼き餃子、水餃子、そして丁寧に作られたであろうスープやよだれ鶏。これら全てに共通するのは、過剰な演出を排し、素材の本質を静かに引き出すという美学である。国領という地に根を下ろし、実直な手仕事の積み重ねで評価を築き上げた兄弟の姿は、現代における美食とは...
Read more中国深圳在住経験有り、香港100回以上訪問、上海や中国、世界、日本各地で美味しい餃子を食べて来た私にとって大変厳しいようですが、感想を一言で言うと素人のお店だと思いました。あくまでも個人的な意見ですが、人さまのお家に呼ばれて振る舞われたらあそこのお母さんの餃子美味しいねと言うレベル。プロの味では無い。HPには北海道産小麦を使用、中国から何らかの資格持ってると書いてあったがホントかな。。普通は免許や資格を壁に飾っているかHPに写真を載せているものだけど。皮にも餡にも全く旨味を感じず。焼き方も中途半端。ものすごく小さいしこの質に対して恐ろしく高いし提供前に包んでると言うのは全く嘘で注文毎に目の前で冷蔵庫から箱に保管されてる作り置きを出していた。あ、一個だけパフォーマンスの様におばちゃんが包んだのは見ました。外から帰って来て手も洗わずに。そしてその後皮を伸ばすまな板に伝票票をしばらく置いていた。不衛生でびっくり。おじさんもおばちゃんも時々外に出ては手を洗わず調理。おばちゃんはいらっしゃいませも言わず私たちの顔を見て何故かうんうんと頷き、席に着くなり何時までに出てと店員さんを通して伝えて来た。暑い中来てもお水もくれない。先ずはお水下さいとお願いするとぬるい水道水をくれた。生ビールはびっくりする程状態が悪くてこんなに不味い生ビールは生まれて初めて。しかも生中のグラスは見たことない生小サイズ。その後直ぐに生ビールのタンクを変えていたので1番底の客に出してはいけないもので不味かった理由も納得。その後横に来られたカップルも同じ意見なのか段々と無言になり首を傾げていて瓶ビールに切り替えてた。色々食べてみたけど来た事を後悔しながら出てと言われた15分前に退出。因みにレシートはくれないので要注意。ご参考に食べたものとお値段は以下の通りです。 生ビール1660円、吉春水餃子836円、吉春焼き餃子836円×2皿、トマトの水餃子968円、 よだれ鶏770円、馬鈴薯のシャキシャキ胡麻和770円で合計5,676円でした。 個人的にリピはありません。。そしてホンマモンを食べたい方に...
Read more餃子大好き。なので、ずっとこの辺りの美味しいものを探しているとこちらがヒット。 カウンターだけのお店らしく、何度か訪れるもなかなか入れず、本日やっと伺うことができました。
先客3名。 ランチのセット3つあり、どれにしようか?迷った挙句、よだれどりと焼き餃子のBセット、そして単品で水餃子を頼む事に。 水餃子はお気に入りの八幡山の餃子専門店にピーマンの水餃子があって、それ以来ピーマン入りの餃子はマスト! だけど、ランチタイムにはピーマン餃子はやっていないと言われ、1番王道だという店の名前がついた「吉春餃子」を注文。
皮から伸ばして、具を入れて、茹でる(焼く)ので出てくるまでに15〜20分は待ちます。と、、、 余計に期待値が上がる⤴️ 広くないキッチンではとても丁寧な仕事が丸見え! みていたせいか、そんなに待った気はせず。 店のおじさんは「遅くなってすみません」と何度も仰ってくださったので、こちらこそ恐縮してしまった。
出てきたトレーにはキャベツ、スープ、よだれどり、そしてごはんに焼き餃子。 焼き餃子はぷりっと丸々していて、焼き色も美味しそう✨ どれどれ、、、 餃子にはしっかり味が付いていて、それだけで美味しい!それに中国の黒酢を付けると味変〜!
水餃子も皮がもっちもっちでツルッとした食感。 こりゃ、20個はイケると確信。苦笑
ランチでごはんと一緒〜より、やっぱり餃子だけをひたすら食べたい欲求が湧き上がる!
今度は夜に餃子をお腹いっぱ...
Read more