博物館明治村にある三重県庁舎は、明治12年(1879年)に建設された擬洋風建築の代表例です。設計は当時県の土木掛に所属していた大工の清水義八が手掛け、間口54メートルの堂々たる佇まいが特徴的です。
この建物は、中央に玄関と車寄せを配置し、左右対称のデザインとなっています。正面には2層のベランダが巡らされ、古代ギリシャ・ローマの神殿を思わせる基壇、礎石、円柱、エンタブレチュアが採用されています。また、屋根には桟瓦が葺かれ、正面中央の破風には菊花紋章が飾られています。
内部には、2階中央部に知事室や会議所が配置され、格式の高さを示す格天井が施されています。室内のカーテンや什器も再現され、当時の厳かな雰囲気を感じることができます。
この三重県庁舎は、明治9年(1876年)に建てられた内務省庁舎を模範としており、明治初期の木造官庁舎の典型とされています。昭和39年(1964年)まで実際に使用されており、その後、博物館明治村に移築されました。
訪れる際には、外観の壮麗さだけでなく、内部の細部にまでこだわった意匠や歴史的背景にも注目してみてください。明治時代の建築美と歴史を堪...
Read more三重県庁舎は県金(現在の知事)岩村定高の発案による米風の庁舎で、三重県大工、清水義入をはじめとする三重県土木掛によって手がけられた。 明治13年(1880)...
Read more明治9年(1876)、県令岩村定高によって計画され、3年後の同12年に完成したものである。
間口が54mに及ぶ大きな建物で、玄関を軸に左右対称になっており、正面側には二層のベランダが廻らされている。この構成は当時の官庁建築の典型的なもので、明治9年東京大手町に建てられた内務省庁舎にならったものである。
構造は木造で、内外とも柱を見せない漆喰塗大壁で、屋根には桟瓦を葺いている。正面に突き出した車寄の屋根には手摺をあげ、入母屋屋根の破風には菊花紋章を飾るなどして建物の正面を引き立たせる一方、両翼の正面側の壁面角には黒漆喰で太い柱型を塗り出し、全体を引き締める役割を持たせている。尚、窓は全て上ゲ下ゲ硝子窓であるが、妻面の窓は他の部分と異なり、外...
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