赤瓦の豪壮な倉庫群と千石船が港を埋め尽くす「最盛期の三国湊」ジオラマ(写真参照)が非常に秀逸かつ大迫力で、当時の湊の豊かさと喧騒が伝わってくるようです。 このような地元ならではの展示物は実に興味深く、わざわざ遠くから来たかいがありました(笑)。
江戸から明治期の日本海船舶交易に関心があるワタシにとっては、博物館ホールに「どどん!」と鎮座する巨大スケール千石船だけでも、もうたまらないですね(笑)。
三国湊は古来より北前船の海運、九頭竜川の舟運で栄えてきました。「船」の積載量は圧倒的でして、陸運なら馬でもコメ4俵がやっとでしょうが、船なら比較的小型の河川用船舶「高瀬船」でも平気で200〜300俵は積み込めます。 だから昔の人はわざわざ運河を掘ったり、城下町は川沿いに築いたりするのです。
湊町が栄えた理由は他にもあって、それは江戸時代には「法人税」という概念が無かったからです。ですから交易によって得た膨大な利益はそのままフトコロに入ります。 誇り高き武士たる者が、卑き商人の「あがり」をハネるなど恥ずかしいと考えられていたのです。
北前船一隻が年一で蝦夷地と大阪を往復して現在価値で1億円程度の利益が出た、というから20隻も30隻も保有している大船主は笑いが止まりません。 その有り余る富をもって書画骨董のパトロンとなったり、凝った豪邸を建てたりしました。三国湊に残る岸田家住宅や森田銀行は当時の名残りです。
また千石船の特徴は単に委託された荷物を運ぶだけではなく、自ら商品を買い込み寄港先で相場を見ながら取引をしていく点にあります。そのため寄港地で長期間停泊する事もあるのですが、これが三国湊にとっては有利に働きます。
当時の船乗りたちには悪天候の他にも、フナクイムシという恐ろしい存在がありました。二枚貝の一種なのですが「海のシロアリ」とも呼ばれ木材を食い荒らし穴だらけにしてしまうのです。 しかし真水には弱く活動がおさまります。三国湊は九頭竜川河口にあるので、少し河上に停泊すれば長期間の商談もOKという訳です。
千石船による交易は、幕府による制限が撤廃された明治初期に最盛期を迎えます。実は結構近年まで千石船が活躍していたのです(笑)。 しかし、そもそも船は輸送に時間がかかり天候の影響を受けやすいです。そのため明治後期になると定期運行が可能な鉄道便が主力となり、さらに小回りが効くトラック便がメインになって現在に至ります。
そして電報などの発達により、相場の違いを利用した「濡れ手に粟」のビジネスも難しくなって三国湊の繁栄は過去のものとなりました。現在の静かな三国湊の様子は博物館展望台から一望できます。 眺めは素晴らしく、湊の歴史を感じると共に九頭竜川河口に沈む夕陽も相ま...
Read more私的に、国内の常設展示ランキング首位の博物館です。心からおすすめします。 入場料400円(JAF会員なので300円)と格安にも関わらず、公立の博物館とは信じがたいほど展示に力が入っており、地元の歴史や産業について大人も子どもも楽しく学べる博物館です。 とってもおしゃれな外観ですが、昔の小学校のデザインで建てられた博物館だそうです。 モンマルトルのサクレクール寺院のように丘の上におしゃれに佇んでおり(これはちょっと贔屓目かもしれませんが)、湊町として栄えた三國湊の顔として頭に強烈にインプットされました。
ショーケースの中にミニチュア的なちっちゃいお人形があしらわれており、撮影可能とのことでひたすら写真を撮ってしまいました。拡大鏡がついていたり、書状には読み方の解説までつけられているため、とにかく展示に引き込まれて楽しい。大人が展示に見入っていても子どもは退屈しないことでしょう。
金曜日は18時くらいまで開館しているようで、四階の展望エリアから海に沈む夕日が見られます。 2時間滞在しましたが、内容が豊富なのでもっとゆ...
Read moreステキな外観に惹かれて訪問しました。
小学生は、館内のいたるところにある「トリックアート」と、キッズコーナーのaiMIKIさんのかわいいイラストにテンションが上がりました。中学生は、授業で習った縄文土器などの実物を見られたので、とても勉強になったようです。大人は、お祭りの展示やリボン産業の実物をじっくり見たり、屋上からの展望を楽しんだりしました。屋上へ向かう階段、とってもステキです!
ミュージアムショップでは、ぜひaiMIKIさんのかわいいイラストが描かれたキーホルダーをお土産に。子どもは「かわいくて選べない…」と迷いに迷っていました。売り場に出ていないものも、「これ、もう一つ在庫ありますか?」と聞くと、スタッフのお姉さんがストックの場所から探してくれました。パッと見て、ストックの中にもなく、残念…と思っていたところ、「あっ!ありましたよ!」とスタッフさんが見つけてくれ、無事に購入できました。
混んでいませんし、施設の方々も親切で、じっくり坂井市のことを知れる...
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