世界のあちこちで、数え切れないほどの肉料理を食べてきたが、ここ、福岡・雑餉隈のカルビホルモンセンターこそ「世界一美味い焼肉屋」であると断言しよう。

まず口にするのは、カルホルサラダで、二人で皿に取り分けて食べるほどの量で、シャキシャキの大根とみずみずしいトマトと特製ドレッシングのバランスが素晴らしい。

前菜でお願いすると出してくれるキムチもカルホルオリジナルのもので、白菜の旨味を楽しめる逸品。

お肉は、一番安い90分2380円の食べ放題コースで、しかも中落ちカルビのみのオーダーである。タレにはコチュジャンとすりおろしニンニクをたっぷり入れる。

本当に肉厚のこの中落ちカルビが絶品で、表裏に軽く焦げ目をつける程度のレアで口に運ぶと、口一杯にお肉の甘味と香り、漬け込んだタレの旨味が広がる。

こんな美味い焼肉は、お勘定が簡単に数万円に届いてしまう店でも口にすることはできない。

”頬張る”という表現が適切なほど大きな肉だが、丁寧にスジが切ってあって、柔らかく、骨に近い部位だけに牛肉の旨味が噛み締める毎に口に広がる。

このカルホルセンターの中落ちカルビを食べることほど、人生の中で喜びを感じられることは、私にとって他に数える程しかない。

もう通って20年ほどになるが、中落ちカルビ以外のメニューもどれも美味しいし、これほど牛について知り尽くして出せる店を私は知らない。

ぜひ博多に来る機会があれば足を運んで頂きたい。