太宰府の「八ちゃんラーメン」さん、久留米の「らーめん八」さんで長年修行されていた店主が、2019年7月に開かれたお店。 店内は新しいという事もあってキレイで、その上掃除も行き届いており気持ちよく過ごせる空間。 雰囲気は、店主と店員さんの気さくで優しいのんびりした人柄が反映され、とても居心地がよかったです。 調理は店主お一人がされている為、時間帯によっては少し待つ事もありますが、許容範囲内。 今まで行ったラーメン屋さんの中で、接客が一二を争う素晴らしさで、帰り際お2人から優しくご対応して頂いたのにほんわかしました。

今回、「らーめん(税込580円)」「ランチ限定やきめしセット(税込980円)」「餃子5個(税込200円)」「替え玉(税込100円)」を注文しました。

「らーめん」は、豚骨をドロドロになるまで徹底的に煮出しつつも丁寧にアク取りや下処理をしたのが伝わる、濃厚ながらも滑らかで丸みのある味わい。 骨の髄まで出しきったスープ特有のほんのりクリーミーな口当たりで、若干まろやかなとろみがありますが、独特のざらつきが全くないのが飲みやすいです。 スープ自体が脂分多めな上、モロモロで柔らかい背脂が散らされている為、豚の脂の魅惑的な甘味が何層にもわたって口の中一杯に広がるのですが、くどいどころか臭みが一切なく、後口はややあっさりなのがすごかったです。 醤油系のタレを入れているのか、塩系豚骨ラーメンに比べると味にバシッとした厚みがあり、それが全体に深みを与えていました。 ただ、隠し味くらいの感じでそこまで表に出ておらず、塩気控えめ目なのがかえって豚の甘さをぐっと引き立てている絶妙な塩梅。

具は、薄めで赤身が多くしっかりした噛み応えのチャーシューと刻みネギのみですが、それがかえってバランスがいいです。 麺はぷっつりと噛み切れる低加水のコシが強い細麺ですが、ほのかに弾力も感じる珍しいタイプ。 とろみのあるスープとの絡みが抜群でした(←何回か替え玉してスープが少なくなった後だと、まるでカルボナーラのような絵面に…)。

「餃子」は、半月型のかわいい一口焼き餃子タイプ。 しかし、皮は薄めでパリパリカリッとした食感で、むしろ揚げ餃子みたいでした。 あえて隙間を作りぷりぷりと軽く仕上げている印象で、肉汁はほとんどなかったものの、キャベツのザクシャキした爽やかな食感が効いたライトな味わい。 お店のメニューの中では一番油感が少なく、さっぱりと頂けます。

「やきめし」は、全体的に塩分少なめなので一口目だとやや薄味に感じるものの、ラーメンと共に食べ進む内にちょうどよくなる味付け(←単品でおいしいというより、合わせておいしいというイメージ)。 オイリーかつパラッとした仕上がりで、お米の一粒一粒が香ばしく焼き付けられ、こしょうのスパイシーな風味と油の旨味が隅々までコーティングされているのがたまりません。 かまぼこのシコシコした弾力がいいアクセントになっており、シンプルながらも癖になります。

本家と味の基本ベースは一緒ですが、丁寧な仕事と独自の研究の賜物か、本家を上回る完成度だと個人的には思います。 卓上にある唐辛子(←味噌感控えめで病み付きになる辛味だけつく感じ)、すりゴマ、おろしにんにくで気軽に味変できるのもまた、ポイントが高いです。 味・接客・値段・店内など色んな要素を総合的に見て、今の所一番好きなラーメン屋さんです。