ラ・スタッラ — Restaurant in Tsukuba

茨城 つくば市 ラ・スタッラ

夕方のオープンまで休む間もなく仕入れや仕込みに時間を割いて下さっている。料理への造詣が深く、料理へのアプローチにも店主の豊かで深い経験が食材を入手するルートから料理の出し方までしっかりとされている。畏まり過ぎず、本番イタリアでしか修行をしたことがないとおっしゃる店主の適度な脱力感が良いバランスの素敵な時間を過ごせるお店でした。同じ味は2度と楽しめないかもしれません。

自家製リコッタチーズとトマトの前菜 イタリアのプーリア地方ではお店ごとに先付けのさきづけとしてリコッタチーズがだされるそう。 おいしい。

リコッタチーズはそもそも南イタリア発祥でリクックド(乳清を再加熱)してつくるもの。

ヒラスズキのジュレ 福島 超有名店こばんずしにも卸している天草の漁師さんから仕入れられる魚を分けてもらえるようになったそうです。そちらのヒラスズキをスプマンテで煮詰めたゼリージュレで和えたもの。ものすごくおいしい。

白ワイン ブンドアダジュール 筑波山 プティマンスン 青木さん 筑波の超新星とのこと。買えない。面白い。

ヨコワマグロ 天草からヨコワ本マグロの小さめのもの。 塩でどたっぷり覆い2時間ならす。後にいなわらで5分間燻したもの。ものすごくおいしい。 イタリアの大麦は燻製の香りが深い。

白ワイン イタリアのローサ トスカーナ アンプラ 土で寝かせた白ワイン オットマーニ。面白い。

店主の閑話：天草の仕入れ業者 天草の卸業者は頭とシッポをしっかり穿ち、血抜きも完壁なようで最高の状態でお店に届く。 何もしなくても美味しいため店主が“良すぎる”と文句をいったとか笑

白ワイン アライジュンコさんのリースリング イタリアで活躍する日本人とのこと。

アオリイカのえんぺら ガルム(魚醤)で。独活とセロリと人参のソース添え。独活も上手い。

店主の閑話 ベネツィアは観光客向けのレストランが多く高くて不味いから作るしか無かった。食材は魚介ばかり。

パテとバケット 羊肉を塩とマルサラ酒つけたもののパテとバケット 肉々しい味わい。うまい。

ポタージュ ゆずファームさんの玉ねぎを使用。うまい。

赤ワイン 山形のグレープリパブリック

手打ちパスタ アレッタ ケールとブロッコリーのあいのこ オーリオサルセーノというゴマのはいったオイル うまい。

マルケ州の赤ワイン

店主の閑話 イタリアンウィーク100というイベントに出店 24年も出店予定、10日間かけて100店舗が1種の料理を振る舞い続ける。その中でも23年出店の北海道札幌 たかおTAKAOさんがオススメとのこと。行きたい。

手延べのウンブリチェッリ(?) バターをとかし、山内産の黒トリュフをオリーブオイルと絡めて。お気に入りました。

赤ワイン トスカーナのサンジョベーゼ

カバルコ (馬肉横隔膜ハラミ) ラディキュロソタルディーボ(チコリの仲間)と海老芋を添えて 海老芋は柔らかく濃い味わい。 馬のハラミなんて見たことありませんでした。ハラミの豪胆な味わいと特有の濃厚な深み。 ものすごくユニークで味わい深くおいしい。

赤ワイン 長野のカベルネ・フラン

薬膳酒 イセヤ ディステラリー イタリア版養命酒

マスカルポーネのタルト 台座を崩してバターと卵黄をまぜてやいた。 クリームは粉をつかわない 焼きマスカルポーネチーズ 締めはやっぱりドルチェ、ひと手間が嬉しい。 生地がクッキーに近くなっています。

ジン 岐阜 五条八幡 クラフトジン...

つくばにある完全予約制の隠れ家的なイタリアン店。料理はおまかせコースのみで、全席いっせいにコースがスタートするスタイルとなっています。 メニューは日によって変わりますが、全部で８皿ほど。たっぷり３～４時間かかります。カウンター席のみのため調理工程を見ることができ、次になにが出てくるかワクワクしながら待てるので、飽きるということはありません。

料理はどれも、きらびやかでインスタ映えするおしゃれイタリアン☆　……ではなく、本当に素朴なイタリア郷土料理。 たとえばクタクタになるまで煮たチーマディラーパ（蕪の葉みたいな味のイタリア野菜）を手打ちのパスタにからめましたとか、そんな感じのもの。見た目は、オレッキエッティに、何か緑色のドロドロしたものがまとわりついている、といった風でインスタ映えには程遠い。しかし野菜の力強さに、絶妙なパスタのもちもち食感に唸らずにはいられない。マニアックなイタリア郷土料理が好きな人ほど、この素朴な一皿に魅了されるでしょう。

必要以上に素材をいじらず、食材のおいしさを引き出す……というイタリア料理の神髄を徹底されている一方で、お肉はお店で解体して熟成、通常なら捨てられているような内臓の部位もしっかり下処理をして煮込み料理として出す……と、必要な手間は惜しむことなくかけていらっしゃいます。その食材に向き合う姿勢は頭が下がるほど。

また、典型的な伝統料理をベースにする一方でシェフご自身のアイデアの引き出しも多く、「こういう調理方もあるのか！」と皿ごとに驚きや感動があり、次なにが出てくるのか、今日はなにが食べさせてもらえるのかまったく予想がつかない楽しさも。コースが終わる頃には心地よい満腹感を覚えつつ、早くも「また来ないと！」という思い...

大切な人とこのお店で過ごせたら。そんな場所を見つけました。リピ確定です。

お店の名前はラ・スタッラ。還暦を迎えた佐藤誠之オーナーシェフが頑張っています。メニューはおまかせコースのみ。贅沢な時間がたっぷり4時間楽しめます。

素材のポテンシャルを思い切り引き出した料理は圧巻です。このレベルはなかなか経験できません。ワールドクラスのシェフと極み素材のシナジー効果、絶大です。

シェフ本人は手際が悪いと言っていますが、嘘です。

無駄のない洗練された動きで料理、サーブ、バッシング、食器や調理器具の洗浄片付けまでを一人で美しくこなしていきます。

シェフお手製の手打ち乾麺リボリ。天草から届いた白甘鯛丸一匹をアーリオオーリオして、ピスタチオ、レーズン、キャベツなど加えて、白ワインで煮くずしたシチリア風ソースでいただきました。至福。

このお店にあるのは料理だけではありません。この投稿を見ているあなたにも、この幸せが届けられたなら。

あなたもシェフと人生...