大庭城址公園を訪れたとき、まず感じたのはここが単なる「公園」というより、街の喧騒から少し離れた時間を過ごせる、静かな小高い丘の上の別世界のような場所だということでした。東京から電車とバスを乗り継いで藤沢まで出かけ、さらにバス停から坂道を上っていくと、やっとその入り口にたどり着きます。最寄りのバス停から少し歩くし、駐車場も数が少なくて、車で来ても桜の時期はすぐ満車になると聞きました。でもその不便さが、逆に人混みを遠ざけてくれて、園内に入るとゆったりした空気が広がっています。
公園に足を踏み入れると、まず木々の多さに驚きました。長い年月をかけて育った大木が生い茂り、春は桜、初夏には藤、梅雨の紫陽花や夏の緑陰、秋は紅葉、冬は十月桜やメタセコイヤまで、四季折々の風景を見せてくれるといいます。私が訪れたのは春の終わりで、桜はほとんど散ってしまっていましたが、道には花びらが雪のように積もっていて、それはそれでとても幻想的でした。後日写真を見返すと、白や淡いピンク、濃いピンクと色の違う桜があって、それぞれが公園を彩っていたことを改めて思い出します。花の盛りに来たら、どれほど華やかで賑やかなのだろうと想像するだけで楽しくなりました。
公園は大庭城という中世の山城の跡地に作られています。戦国時代の城跡らしく、土塁や空堀が今も残り、場所によっては堀切や曲輪の形も見られるので、歴史好きにはたまらないでしょう。私はまだ日本のお城に詳しくはないけれど、土の高まりや窪地の形を見ながら「ここにかつて武士たちが立っていたのか」と思うと、想像の翼が広がりました。管理事務所には資料も置かれていて、当時の様子を伝える展示があるのも良かったです。桓武平氏の流れをくむ大庭氏がこの地を支配していたと知ると、湘南の住宅地の中に突然現れるこの広い公園が、ぐっと歴史の重みを持った場所に感じられました。
歴史だけではなく、今は人々の生活に寄り添う公園として整備されていて、芝生の広場や遊具も充実しています。小さな子どもが遊べる滑り台やブランコから、大きな子向けのターザンロープまであって、休日にはファミリーがテントを張ってピクニックをしている姿も見かけました。犬を連れた人も多くて、リードをつければ園内を散歩できるのが嬉しいです。実際、リスもよく現れるそうで、私は木の上で葉を食べている姿を偶然見つけて思わず声を上げてしまいました。東京ではなかなか出会えない光景で、なんだか自然ともっと近くなれた気がします。
坂道を登るのは少し大変だけれど、そのぶん公園の中は開放的で気持ちが良く、ベンチやトイレも整っていて安心です。広場は東京ドーム2つ以上の広さがあるそうで、ランニングコースにする人やウォーキングを楽しむ人も多いと聞きます。私も一周してみたのですが、舗装された道と木立に囲まれた小道がうまく組み合わされていて、歩くだけで自然の中に抱かれているようでした。夏でも木陰が多く、涼しく感じられるのも魅力です。
季節ごとの花も豊かで、藤棚の下で休んだり、梅の花を眺めながら歩いたり、秋には紅葉や黄葉を見に訪れる人も多いようです。ある人は「桜だけじゃなくバラ園も素晴らしい」と話していましたし、十月桜のように思いがけない季節に咲く桜もあって、訪れるたびに違う表情を見せてくれるのでしょう。
ただ、公園が山の上にあるので足腰に不安がある方には少し大変かもしれません。ベビーカーを押しているお母さんが苦労している姿を見かけました。でもその大変さを越えて辿り着いた場所には、広がる空と森の気配が待っていて、登った甲斐があると感じられるはずです。
私はここで、桜の花びらが舞う中でお弁当を広げ、遠くから飛んでくる飛行機の音を聞きながら、ぼんやりと過ごしました。東京の公園では味わえない静けさがあり、でも一方で子どもたちの元気な声や犬の足音も混じっていて、まるで地域の暮らしに溶け込んでいるようなあたたかさもあります。歴史の跡と自然の美しさ、そして市民の憩いの場としての役割が絶妙に重なった場所で、訪れるたびに違う思い出を持ち帰れるような気がします。
また桜の季節に改めて来てみたいし、夏の木陰や秋の紅葉も見てみたい。大庭城址公園は、旅行者として訪れても、地元の人と同じように心を落ち着...
Read more散歩に行きたいところ 鎌倉権五郎景正とその一族 村岡忠通の子、章名は景通、景村、景成の3人の子を儲けたが、この内、景成の息子の権五郎景正の代に鎌倉氏は大きく発展を遂げることとなる。...
Read more階段がきつい、夜になるとちょっと怖いですがすごくいい公園です。 この地域では桜と言えばここっていうくらい定番でしたが最近はちょっと引地川の公園の方が人気な感じ。 歴史好きな人だと名将太田道灌の築城の城としても有名です。 あまり知られていないところでは、太平洋戦争の時に日本陸軍が要塞化していて今も地下を縦横に当時の軍用の地下トンネルが走っているらしい。また公園の薔薇園は知る人ぞ知る名所です。市内で一番かもしれません。桜の時期 以外にも薔薇シーズンもぜひとも足を運んでみては?
少ない台数ではありますが無料駐車場もあります。 桜の時期は他に臨時駐車場も設置されます。そちらも無料。ただしそれでも桜の時期は混雑するので駐車場待ちで長い時間待たされることも。 バスなどで来た方が無難。
薔薇園は上記で一番の名所と書きましたが、最近園内の薔薇の木が伐採され新たに植え直されました。 まだ薔薇の木が若すぎるのでちょっと見応えが以前より足りない状態です。 春薔薇のほか秋薔薇も楽しめます。年2回開花します。 無料の資料館もあり大庭城址公園から発掘されたものを展示しています。 こちらは職員にネットに写真を上げないでと言われたので撮影せず。
山上に広がる広大な広場と巨木が特徴的。ここをジョギングしたり歩くだけでも気持ちいい。 アスレチックもかなり充実。他の公園ではあまり見られない凝ったデザインのアスレチックが多数設置されている。 もちろん城跡なのでからぼりや本丸跡など当時の軍事施設も散見できる。 歴史好きもお散歩好きも家族連れも花が好きな人も楽しめる素晴らしい公園。 最近になりリスが住み着くようになる。 運がいいとリスが見れる。 この日もリスに出会えたが動きが速すぎて撮影はできなかった。
藤沢市が誇る歴史的な場所なのだが、藤沢市は観光資源が豊富であるため大庭城を復元するとか利用してイベントを開くということはあまり熱心に行われ...
Read more