昭島にアキシマエンシスという名の図書館があって、そこに行くと色々と素敵な絵画がある。中でも私のお気に入りは図書ルームの出口からカフェに行く前にある東山魁夷の木々におおわれた山の中に滝が流れている油絵で、 私は図書に行くと他の絵も観るのだが、ほぼ必ずと行って良いほど出口付近のその絵に会いに行く。そう、会いに行くのである。 ネロが一目その絵を見たいと願ったほどではないにしろ、お気に入りの絵というものにはそういう力がある。 今回中川一政美術館に来て、色々見させて頂いているなかで「おやっ?」と思う絵があって、何の絵かは忘れたけども、この絵のこの部分、東山魁夷のあの山の絵の緑と似てるなあ!と同じ絵の具使ったんだろ!と言われたらそれまでかもしれないけども、質感というか描き方というか、ソレが同じに見えるのだ。 もしかしたら友達で、相手のことをリスペクトしてて、「あいつだったらこう描くかなあ」なんて思いながら書いたら親友の筆に似てたなんてこともあるのかも、と妄想を膨らませ、そのそこに「ある」としか言えない存在感のある鯛や金魚の絵をみれば、「これは現実の鯛とはまた違う中川氏が創造した新たな鯛を海に浮かべ金魚を水槽に放って創造の技をしたようだ」と感じ、中川氏の文を読んで、苦しみつつ絵の具と格闘して何年もかかって生み出される様子がわかり、ああ、神様が創造の技を6日目に終えたとき7日目には休んだという話しを思い出した。 創造の技は神様とて疲れるものなのだ。 自然の魚をそっくりに描写したわけではないが、中川氏が造った鯛が中川氏が造った海の中にいる。そこに本当に在る。 そんな気がする絵だった。 書のなかでは、何行かの漢詩を書いたもので、その一行一行が柳のように揺らめいて、右から左にと観る位置を変えてくとなおさらたゆたっているかのように感じる。 私は、絵も食べ物も、本物とか偽ものとか、高いとか安いというのはどうでもよくて、自分が好きかどうかが大事だと思っている。 どんなに本物だ真筆だ国宝だ言われても、好きじゃないものは好きじゃない。 逆に偽ものだとか安物だとかいわれようとも、 自分が好きならそれがいい。 たまに回転寿司などで喜んで食べていると、「こんなもの食って喜んでるようじゃあね」とかいう人がいるが、私は別に味覚のマエストロに「君味分かるぅーねぇー!」と認めてもらうために生きてる訳じゃない。 私は自分が幸せになるために、自分が喜ぶために生きている。なので回転寿司を食べて喜べたら、丸亀うどん食べて喜べたら、私は幸せなのだ。ちなみに金沢にいたとき1番好きだったのが「すし弁」である。
話はそれたが、もし中川氏の絵が近くの公共施設かなにかに展示されてたら、間違いなく「会いに行く」絵です。
ここに誘って下さった方自身が書家の方で、落款のことなども教えて下さったり、漢詩の素養のある先生が読み上げて、コレはこのような意味だねーと教えて下さる。中川氏のコメント文とあいまって、色々なことを知りながら観るとまた一味も二味も違う。 何とも贅沢な時間を過ごしてしまいました。
ここを提案してくださった書家の方と連れて来て下さった先...
Read moreWonderful and extensive two-story museum featuring the works of Nakagawa Kazumasa, who was active until he passed away at the age of 97. Don’t miss the traditional tatami mat room with beautiful views of the surrounding nature. The room is tucked in the back of the building and a bit difficult to find. Also note that guides in English are available at...
Read more14時半に美術館に到着したので、1階で流れていたビデオを見たかったのですが、閉館時間を考えて「先ずは作品を」と思いながらビデオ鑑賞を後回しにしました。
作品鑑賞を終え、15時15分に1階でビデオを見ようとしたところ、初老の男性スタッフから「終わりです」と言われました。
「ここの閉館は何時ですか?」と尋ねたら「4時です」と言われました。その後のいくつかの問答の中でスタッフさんは「10分だけなら」と言われましたが、私は納得ができずに時間が許す限りビデオを見ました。
展示されている中川一政先生の作品は、どれも素晴らしいものばかりです。 やはり鑑賞する価値がありました。 しかしながら、その感動を打ち消すような男性スタッフのやる気の無さ、失礼な言動に「もったいない」と感じました。
私が展示を半分ほど見たところ(15時前後)までで、スタッフの大きな話し声と物音がし、ビデオの音が消えました。節電のためなら分かりますが、3月の肌寒い季節をさらに寒くするほどに冷房をガンガンかけていたし、上記の対応を見ればどういうことかすぐに分かります。
スタッフにとっては毎日同じような平凡な日々かもしれませんが、次はいつ来れるか分からないような遠方からの訪問者にとってはかけがえのない鑑賞時間なのです。
閉館時間が間近ならまだしも、あと45分もあるのに「10分だけなら」というのは納得できませんでした。単なるビデオであっても熱意ある鑑賞者にとっては貴重な資料のはずです。
スタッフが早く帰りたいのなら、閉館の表示時間を16時にせず15時30分にして、残りの30分を帰り支度に使えばいい。
美術館でこのようなレベルの言動をしているようでは「閉鎖的」と言わざるを得ません。もし中川先生が見...
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