別名府中城、駿河府中城、静岡城 輪郭式平城

・歴史 室町時代に駿河国（現在の静岡県）守護大名今川範国（いまがわ・のりくに）が現在の駿府城周辺に今川氏館を置き支配していました。戦国時代になり範国の子孫の今川氏真は甲斐の武田信玄公と三河の徳川家康公の挟撃に遭い、徳川家康公が今川氏真を駿府から追い出して、駿河国、遠江国（現在の静岡県西側）、三河国（現在の愛知県）等五カ国を有する大大名となった徳川家康公は、天正１３年（１５８５年）頃から今川氏館跡に自身の居城として駿府城の築城を始めます。そして天正１７年（１５８９年）にまず二の丸を完成させます。慶長８年（１６０３年）徳川家康公は武家の棟梁たる征夷大将軍になり、江戸に幕府を開きます。慶長１０年（１６０５年）に将軍職を三男秀忠公に譲り、慶長１１年（１６０６年）に再び駿府城の築城に着手します。今度は全国の有力大名等による天下普請による築城で、築城と同時に駿府城下の城下町整備や安倍川の治水工事に取りかかります。慶長１２年（１６０７年）に本丸が完成するものの火事で焼失してしまいます。

そしてすぐに再建工事が開始され、不眠不休の工事で慶長１３年（１６０８年）に本丸、本丸御殿が完成し、慶長１５年（１６１０年）に天守閣が完成します。徳川家康公の権威を象徴する天守閣でかなり絢爛豪華だったとされ、なんと江戸城より巨大な天守閣が当時そびえたっていたそうです。天守閣は７層９階で天守台を含め６８メートルの高さを誇り日本最大級の建物となりました。現在でいうと２４階建てのマンションに匹敵する高さだったと云われています。（因みに江戸城天守閣は地上２２階〜２３階建てマンションに匹敵。）

その後、徳川家康公は江戸幕府を盤石するために、武家諸法度、禁中並公家諸法度、元和一国一城令を発布します。また江戸幕府は鎖国政策する一方で、アジア諸国やオランダ（ネーデルラント）、スペイン、英国（グレートブリテン及び北アイルランド連合王国）等と交易等の外交を行いました。

元和２年、寛永元年（１６２４年）７５歳で徳川家康公が亡くなると、徳川家第２代将軍徳川秀忠公の次男の徳川忠長公が城主となります。

・徳川忠長 徳川家第３代将軍徳川家光公の弟。幼名国松 秀忠公と秀忠公の正室崇源院こと於江与の方の子供で、幼少より寵愛される。幼少の時からすでに兄家光公より、武芸、教養等、あらゆる才知に長け、容姿端麗で、次期将軍候補最有力でした。 それを恐れた家光公の乳母、春日局は駿府の徳川家康公に嘆願し、家康公の指示で家光公が第３代将軍になります。

そして、忠長自身は甲斐国（現在の山梨県）甲府に従四位参議になり、寛永元年（１６２４年）に駿河国、遠江国二カ国５５００００石の領主となり、寛永３年（１６２７年）従二位大納言に任ぜられ、世に言う駿河大納言となります。寛永５年（１６２９年）忠長の様子が荒れ始めます。寛永８年（１６３２年）家臣を手討ちにする事件を起こし、また仕えていた女中に唐犬を食べさせたり、当時江戸で頻発した辻斬りの犯人が忠長だとする噂がたち、また家光公が重病で床に伏せていると忠長恩顧の諸大名達が反乱をおこす等の噂がひろがり、ついに忠長は上野国（こうづけのくに、現在の群馬県）高崎藩預かりの蟄居を命ぜられ切腹となりました。

・江戸時代〜明治 忠長の後、駿府城は城主不在となり幕末まで全国の有力譜代大名から城代、１、２万石の譜代大名から城番が２名置かれ天領となります。明治維新後は徳川慶喜公の隠居所、徳川家第１６代徳川家達公（いえさと）が７０００００石で入封し、その後は明治政府と陸軍省の支配下になります。陸軍省から明治政府に駿府城は保存対象城郭と指定されるも荒廃が進み、陸軍省と静岡市と所有先が行ったり来たりします。

・現在まで 第２次世界大戦後は再び静岡市が所有し、二の丸付近を駿府公園として、市民の憩いの場として利用、開放され、後に本丸部も加わりました。 市制１００周年記念事業で巽櫓が木造で復元され、平成８年（１９９６年）東御門が復元。平成２４年（２０１２年）に駿府城公園と改名。平成２６年（２０１４年）坤櫓（ひつじさる・やぐら）が木造で復元されます。

アクセス ＪＲ東海道山陽新幹線、ＪＲ東海道本線、静岡駅から徒歩１５分 静岡鉄道、新静岡駅から徒歩１２分です。

車 駿府城公園専用駐車場は残念ながらありません。直近はタイムズさんの市民文化会館前駐車場で２４６台完備の駐車場があります。因みに地下駐車場なので雨、雪にさらされることはありません。