桜新町という町の名前は、東京に移住してきた私にとって最初はあまり馴染みがなかったのですが、日本で暮らし始めて少しずつ知るようになりました。特に「サザエさん通り」という響きにひかれて、地元の人から「そこには長谷川町子美術館があるのよ」と教えてもらったときは胸がときめきました。日本に来てから、テレビをつけると日曜日の夕方に必ず目にする『サザエさん』は、私にとって日本の生活そのものを象徴するアニメでした。なので今回、この美術館と記念館を訪れたことは、自分にとって特別な体験になりました。
桜新町の駅を降りてから歩く道すがら、すでに街全体が「サザエさん」で彩られていて驚きました。商店街の旗や壁のイラスト、通りのあちこちに立つ銅像。まるでキャラクターたちが町の住人として本当に暮らしているかのようで、歩くだけで楽しくなります。駅からは7分ほどですが、真夏だったこともあり少し汗をかきながらの道のりでした。けれど、その道の途中で出会えるサザエさん一家の像や、聞こえてくるテーマ音楽に自然と笑みがこぼれて、むしろ足取りが軽くなっていったのを覚えています。
美術館に着くと、まず受付でチケットを購入します。ここで買ったチケットは、道路を挟んだ向かいの「長谷川町子記念館」と共通になっていて、両方を行き来できるのが嬉しいところでした。美術館の方では、長谷川町子さんとお姉さんの毬子さんが集めた美術品が展示されていて、これがまた予想以上に充実していました。シャガールや東山魁夷、加山又造など、有名画家の作品が静かな空間に並び、その美しさに圧倒されました。私は芸術の専門家ではないけれど、眺めていると当時の姉妹がどんな気持ちでこの作品を集めたのだろうと想像し、ただの収集品ではなく人生そのものを感じられるようで、とても心に残りました。
一方で、向かい側の記念館に入ると雰囲気は一変します。こちらは「サザエさん」を中心とした長谷川町子さんの漫画やアニメの世界が広がっていて、懐かしさと温かさに包まれました。サザエさん一家の間取りが再現されたジオラマや、アニメの制作過程を紹介する展示、いじわるばあさんやエプロンおばさんといった別の作品に触れられるコーナーもあり、まるで昭和の暮らしを旅するような感覚でした。特に、アニメのワンシーンごとに細やかな工夫がされているという解説は驚きでした。窓の外の花やカーテンまで季節ごとに変えて描かれていると知り、これからテレビで観るときには背景のひとつひとつまで注意してしまいそうです。
また、原画の展示は本当に貴重で、漫画家というよりも芸術家としての一面を感じました。インクの線一本一本に手の温度が残っていて、まるでタイムスリップしたような気持ちになります。残念ながら撮影は禁止のエリアが多かったですが、それも逆に「目に焼き付けよう」と思わせてくれて、じっくり鑑賞できた気がします。
施設にはカフェも併設されていて、展示を見終わったあとに立ち寄りました。静かな雰囲気の中で、コーヒーを飲みながら漫画本を自由に読めるのは嬉しい体験でした。ショップでは可愛いグッズがたくさんあり、つい買いすぎてしまいました。特にサザエさんTシャツや文房具は、ここでしか手に入らない記念品のようで大切に使いたいと思います。
スタッフの方々も本当に親切で、丁寧に挨拶してくださったり、写真を撮ってくれたりと、距離感もちょうどよくて心地よかったです。訪れた日は平日だったので混雑もなく、のんびりと展示を楽しめたのも良かったですが、週末は混み合うと聞いたので、次に訪れるときも平...
Read moreI had a great time at this museum.
I’m almost certain that if you’re Japanese and reading this post, you have watched an episode of “Sazae san” or read the cartoon. The beloved series was created by Machiko Hasegawa.
I was engrossed by a feeling of Showa era nostalgia. The family focused cartoons and anime are infused with joy and full of wit.
Although Ms. Hasagawa passed away almost three decades ago, her work is still a delight and fun to...
Read moreフジテレビ系列で放送されている、人気アニメ・漫画「サザエさん」の作者として知られている、漫画家・長谷川町子と姉の長谷川毬子が集めた美術品を展示している個人美術館であり、サザエさんファンは人気があります。1985年(昭和60年)11月に開館しました。
東急田園都市線の桜新町駅が最寄駅であり、駅から美術館までの通りは「サザエさん通り」と名付けられ、沿道にはサザエさん一家の銅像が立ち並ぶ。 また、フジテレビが毎年夏休みに開催するイベントとの連動企画を実施している。夏休み期間中は是非とも、当館に訪れたい場所ですね。
館内には美術品の他、漫画の原画や菊人形・絵画・磯野家の間取りのミニチュアやアニメ映像も見られます。常設展の他、期間限定の企画展も見逃せません。企画展は入館料のみで観覧できます。
開館記念日である11月3日(文化の日)は、これを記念として入館料が無料になります。他にも、長谷川町子の誕生日である毎年1月30日も無料で入館出来ますよ。
入館料は大人が900円。他にも、高齢者である65歳以上のシニア料金や、大学生・高校生料金、中学生・小学生料金もございます。学生料金の場合、学生証等の身分証明書の提示が必要です。
毎週月曜日・年末年始期間・展示入替期間は休館日となります。 ※月曜日が祝日・振替休日の場合は開館、翌平日が休館日です。
館内にはミュージアムショップがあり、記念館に残る貴重な原画や、当時の資料を基に作られたオリジナル商品が多数あり、昭和時代から今現在の令和時代も続けられる日用品等も販売されています。
ミュージアムカフェも併設され、デンマーク製の座り心地の良い椅子や、無垢のオーク材が贅沢に使われた家具・照明器具が並び、とても心地の良い憩いの空間で、カフェ等の特別な...
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