まず印象に残ったのは住宅街の中にありながらも、しっかりと神域らしい落ち着きと清々しさが漂っていたことです。駅からは徒歩10分ほどとアクセスも良く、鳥居をくぐると街の喧騒から切り離された静かな空気が流れています。境内は広く整備が行き届いており、参道や社殿はとてもきれいで、心が引き締まるような雰囲気がありました。
この神社は江戸時代から地域を守ってきた複数の神社が、戦災で焼失したのち終戦直後に合祀されて創建されたもので、天照皇大神、牛島大神、稲荷大神など、複数の御祭神が祀られています。戦火を免れた祠や鎮物も境内に集められており、地域の歴史を今に伝えている点がとても印象的でした。境内の構造はやや複雑で、まっすぐ本殿に至る参道がないのも特徴的です。合祀の経緯を知ると、この複雑さにも歴史の重みを感じさせられます。
拝殿は朱色が鮮やかで、規模の割に華やかな造り。訪問者の多くが「心が洗われる」「パワースポットのよう」と口にするのも納得できる佇まいでした。境内には力石や八祭神を祀る一角もあり、見どころが豊富です。さらには小さな公園のような広場もあって、子どもたちが遊ぶ姿も見られ、地域に根ざした神社であることを実感しました。正面鳥居は石段がありますが、脇の鳥居からは段差なく入れるため、ベビーカーや車椅子でも参拝しやすい配慮がされています。
御朱印を求めて訪れる人も多く、インターホンで声をかけると宮司さんや巫女さんが丁寧に対応してくださいます。御朱印は手書きで、とても美しい文字に心がこもっており、いただいたときは特別な縁を結んだような気持ちになりました。また、御守りやおみくじもあり、厄除けや祈願の際には予約をして正式に祈祷を受けることも可能です。中には「お祓いを受けて体調が良くなった」と実感を語る人もいて、地元の人々にとって大切な心の拠りどころとなっていることが伝わってきます。
年末年始や節分には行事も行われ、初詣には多くの参拝客が訪れますが、都心の有名神社ほど混雑せず、比較的落ち着いて参拝できるのも魅力です。お正月には獅子舞の演舞があり、大晦日にはお祓いとともに御神酒や御札が配られるなど、地域の人に親しまれる行事が残されています。六月には三つの茅の輪をくぐる珍しい形式の「茅の輪くぐり」が行われ、訪れる人を楽しませています。
また、この神社はドラマのロケ地としても使われたことがあり、歴史と現代が交差する舞台としての一面もあります。さらに、外国の方が「静かでリラックスできる」「美しい」と感想を残しているのも印象的で、国際的にも開かれた神社であるといえるでしょう。
何度か足を運ぶうちに、参拝のたびに違った発見があります。雨の日にはしっとりとした神域の静けさを感じられ、晴れた日には社殿の朱色と青空のコントラストが映えて清々しい。地域に住む人々が日々散歩の途中で立ち寄ったり、子どもと一緒に遊びながら参拝したりと、生活に自然に溶け込んでいる姿を見て、この神社が単なる観光地ではなく、確かに「地元の鎮守様」として愛されていることを実感しました。
東大島神社は、華やかさや壮大さで知られる有名神社とは少し違います。けれども、地域の歴史や人々の思いを背負いながら今も変わらず存在しているという意味では、とても重みのある神社です。静かに祈りを捧げたい人、御朱印をいただきたい人、歴史に触れたい人、あるいはただ心を落ち着けたい人にとっても、訪れる価値の...
Read more都営地下鉄新宿線大島駅と東大島駅の中間、江東区大島七丁目に鎮座する東大島神社は、創建が1949年と歴史が浅く、そして、ご祭神は、天照皇大神、牛島大神(須佐之男命、天之穂日命、貞辰親王の三柱)、稲荷大神と数々の神様が祀られているのが特徴です。 その訳は、1945年3月10日東京大空襲により、東大島地区にあった永平神社、子安神社、小名木神社、北本所牛島神社、南本所牛島神社が焼失。戦後の混乱下で五社を各々再建するのは困難なので、合併したということです。 元々は、江戸入府した徳川家康の命により開削された小名木川が水運の重要ルートとして発展し、その流域には新たな村が生まれ、現在の東大島地区の各村には永平神社(旧深川出村鎮守)・子安神社(旧平方村鎮守)・小名木神社(旧小名木村鎮守)・北本所牛島神社(旧北本所出村鎮守)・南本所牛島神社(旧南本所出村鎮守)という五社が祀られ、例祭・行事なども盛大に行われていたといいます。 境内は、表参道の鳥居は1908(明治41)年銘、西側の鳥居は1915(大正4)年銘で、ともに江東区有形文化財(建造物)として登録されています。他にも、境内各所に合祀された各社の古い石造物が集められています。 御朱印は社殿向かって右手の社務所にていただけます...
Read more江戸時代からこのあたりに点在していた神社(永平、子安、小名木稲荷・北本所牛嶋、南本所牛嶋各社)や祠などを、空襲で焼け野原になってしまったので終戦直後にひとまとめにして、この地にまとめたのがこの東大島神社で、かつてあった神社から戦災を免れた鎮物などをみんなここへ集めて境内地に祀ってあります。地下鉄新宿線東大島(ひがしおおじま)駅西口を降りて、新大橋通り北側を西へ進んだところに斜めに入る路地があり、いかにも神社の境内が見えますから、それ。境内構造が複雑で、本殿に直行する参道が無く、東大島の駅側から来た時は、授与所のほうが先にあります。隣の大島駅からもやや距離が延びますが向かうことはできて、そちらからだと、同じく新大橋通りを東へ向かって進み、やがて歩道橋が見えてきますから、その手前の信号機のある交差点を左折したあたりに、西から入る参道があります。境内は公園を兼ねていて本殿は高いところにあります。授与品は一通りの願意を揃えており、神...
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