$nooup®︎ 春日店

宮崎県発祥の、トマトパスタのようなラーメン専門店。 元々は「麺屋とまと」という店名でしたが、2018年10月に現在の名前へと変更されたようです。 鹿児島県産ブランド鶏の白湯スープと、イタリア産の有機栽培完熟トマトを1杯につき約3個使って作る、個性的なラーメンが評判のお店です。 オーナー曰く、「毎日食べても大丈夫」をコンセプトにされているとのこと。 7店目の支店で、福岡ではこちらが唯一の店舗とのことです。

外観は、カジュアルなパスタ屋さんかアメリカンな洋服屋さんといった感じで、一目見ただけではラーメン屋さんだとは分からない感じ。 建物の上部は木材でぐるりと囲まれており、デザイン性が高いと思います。 内装は、トマト缶の空き缶がズラッと並べられていたり、黒板風の壁にお店の歴史が書かれていたりと、遊び心満点の造り。 ブティック風の照明がお洒落でした。 店員さんは若い方が多く、明るくテキパキした笑顔の接客で、安心感がありました。 こちらは希望すれば紙エプロンを頂けるので、服が汚れる心配なく思いっきり麺をすすれるのはありがたいです(←食べてみて分かったのですが、カレーうどん並に汁があちこちに飛びやすいんです…)。

今回注文したのは、「SPランチ(税別800円)」「担々麺(税別930円)」「リゾットご飯(税別150円) 」「ホット辛替玉(税別200円)」。

「SPランチ」は、要は「味付煮玉子」と「パルミジャーノ・レッジャーノチーズ」をトッピングした「トマトパスタのようなラーメン」です。 スープは、トマトの酸味よりも甘味が際立っている、とろみのある口当たり。 チキンのトマト煮のソースを、もっと濃いめに複雑に、そしてゆるめにしたようなコクのある味わいで、想像以上ににんにくがガツンと効いてくるパワフルな後味に痺れました。 麺は、九州でよく見かけるタイプのかなりコシの強い極細麺で、すすった時の口当たりは九州ラーメンのそれにそっくり。 しかし、細いのですが若干モチモチ感があり、かん水のアルカリっぽい匂いが皆無なので、どことなく生パスタっぽいなとも思いました。 普通の中華麺よりも淡白な味わいで、卵白でも練り込んでいるのかな？と思いましたが、後々豆乳とウコンが入っていると知り、驚きました。 削りたてで、市販の物よりもマイルドな塩気のパルミジャーノ・レッジャーノチーズがスープの熱でとろけて糸を引き、より濃厚な旨味をプラスするのがたまらなく美味でした。 小松菜のシャキシャキ感と鶏チャーシューの香ばしさが、いいアクセントになっていました。

「担々麺」は、トマトクリームだと説明に書かれていたものの、思ったよりもトマトトマトしていない特濃スープで、ラーメンよりもさらにスープがぽってりしていてパンチがあります。 何とこちらはアーモンドクリームを使用しているそうで、そのせいか白ごま主体の担々麺よりもさらに重厚な油分だと感じました。 ナッツ特有のクリーミーさと甘味が効いたほんのりピリ辛味で、中華とイタリアン半々の味わいでした。 面白いことに、スープだけ啜るとトマトの味はほとんどしないのですが、麺と一緒に食べるとトマト出汁の旨みが浮き上がってくる感じで、不思議な気持ちになりました。 挽き肉ではなく、細切りチャーシューが入っているのがよく、がっつりした肉々しさもさる事ながら食べやすかったです。 小松菜や刻みネギが、後口に清涼感を与えていました。

「リゾットご飯」は、フライドオニオン・粉チーズ・乾燥バジルがかけられた、白ご飯。 ラーメンの麺を全部食べ終えた後、残ったスープに投入して頂きましたが、ラーメンライスというよりは完全にトマトチーズリゾット的な味わいで、お腹いっぱいでもトマト鍋の〆みたいにするすると胃に収まります。 豚ベースではなく鶏ベースなせいか、しっかりした味でも優しい感じで後味爽やかなリゾットでした。

「ホット辛替玉」は、辛麺用の激辛オイルと刻みネギがかけられた替え玉の麺。 1〜3辛まで選べるとのことだったので、試しに1辛にしてみましたが、これが結構後からドカンとくる辛さでびっくりしました。 こちらは「担々麺」に入れて食べましたが、ラーメンに入れてみてもアラビアータ風になっておいしそうです。

研究に研究を積み重ねて生み出された味なのが伝わってくる一杯。 普段、トマト嫌いで「トマトラーメン？絶対嫌」と頑なに拒否していた身内ですら、実食後は「美味しかった、よくできてる」と感心していました。 食前はヘルシー系の味ではと予想していたのですが、健康的でありつつも食べ応えやボリューム感もあり、価格に見合ったクオリティーだと感じました。 「トマトパスタのようなラーメン」だけではなく、「自家製バジルソースのトマトラーメン」「カルボナーラのような超濃厚ラー麺」「トリプルスープのつけ麺」など色んな種類の麺があり、気分によって色々選べるのが嬉しいです。 トッピングもチーズだけではなく様々なバリエーションがあるので、自分だけのオリジナル組み合わせを考えるのも楽しそうです。 ラーメン欲を満たしつつ、「体にいいことをしている」実感も持てる、稀有なお店でした。