創業して40年以上経つ、この近辺ではとても有名な老舗のパン屋さん。 長年のノウハウを活かして完成させた、最新鋭のスペイン製高温石窯で焼かれたパンは今でも人気で、どの時間帯でも人が絶えません。 店内は古き良き昭和のパン屋さん的な雰囲気が残っており、古いというよりは歴史を順調に積み重ねているイメージ(←但し、外装は老朽化が目立つので気になります)。 店員さんは新人さんだったらしく、やや手際がぎこちなかったですが、一生懸命さが伝わってきて好感を持ちました。 ただ、他の店員さんはどこか冷めているというかドライな接客で、ちゃんとしようと笑顔で頑張る新人さんの方が対応的には上だという逆転現象が起きていました。

今回は、「こめっこ」「クロワッサン」「贅沢クロワッサン」「熟成フランスのチョコ包み」を購入。

「こめっこ」は、ふんわり感とむっちり感を足して2で割った程よい弾力で、妙に癖になる食感。 意外とオイリーですが油っこくはなく、逆にちょうどいいコクがあると思いました。 米粉を使用したパンならではのあっさり感がよかったです。

「クロワッサン」は、中の層がちょっと驚くくらいスカスカで、普通のお味。 パリッとしているというよりはふっくらしている口当たりで、柔らかくて食べやすかったです。 説明にあるような発酵バターの香りはそこまで感じず、拍子抜けでした。

「贅沢クロワッサン」は、前述した普通のクロワッサンよりも力を入れて作られており、かなり味が違っていてびっくり。 層がしっかり入っていてさっくりと香ばしく、上に塗られた砂糖入りのバターのおかげでほのかに甘く、食べ応えがありました。 全体的にバターでしっとり潤っており、丁寧に作っているイメージです。

「熟成フランスのチョコ包み」は、フランス産のチョコがごろっと入ったリッチな味わいが美味。 チョコの甘さと苦さのバランスが絶妙で、癖になります。 フランスパンの生地が少しパサついて感じますが、よく噛み締めると小麦の風味がじわじわにじみ出る為、これはこれでおいしいです。

全体的に無難においしいというイメージで、お値段以上でも以下でもありません。 大きな外れがない代わりに、大きな当たりもない感じです。 子供の頃食べた味に比べるとクオリティーが落ちた印象で、創業者の故・永田亀一氏の営業精神がまだ生きていた頃に戻って欲しいと悲しくなりました。 とはいえ、不当に高くて不味いパンがない所は流石老舗の底力を感じましたので、好きなパンだけまた買いに行くと思います。