(某口コミサイトより移轉、若干修正。2013年。) 年の暮れに職場で蒸し壽司の出前をとったことがあります。蒸し壽司・・・? 年配の方に訊くと、松江の名物だとのこと。慥かに市内の何處だかで幟を見たことがありますね。調べてみると發祥は近畿のやうですが、それがどうして松江へ? 城下町が出來て難波からやってきた料理人も多くゐたのでせう。「なには本店」「なには一水」がありますし、この店も「浪花壽司」ですし。上方では食べたことも聞いたこともありませんでしたが、私が知らないだけだったのかも知れません。 今囘は出前ではなく、店舖で食べてみました。蒸し壽司は冷めても美味しいのですが、蒸し立ての熱々を食べてみたかったのと、出前には粗汁が附いてこないと云ふのがありまして。 蒸し壽司は、四角い木枠の蒸籠に醋飯を敷き詰め、その上に鰻、海老、栗、椎茸、蒲鉾、牛そぼろ、卵等を載せて蒸し上げます。蓋を取ると、ふわっとした木の香りと共に具材の匂ひが鼻孔を優しく衝き、食慾を喚起するのが宜しい。味は豫め或る程度想像できるものではあるものの、折詰辨當の飯とは一味二味違ひます。壽司屋で熱い飯をはふはふ言ひながら食べると云ふのも面白く。 具材は一年を通じて殆ど變はりません。季節によって變へればと思ふのですが、夫々外せない定位置を占めてゐるのでせう。 粗汁は特別な期待をしてゐませんでしたが、否々どうして、中々美味しいぢゃありませんか。品書では蒸し壽司に筆頭を讓ってゐますが、やはり鮮魚の扱ひを知るお壽司屋さん、ニギリ...
Read more1887(明治20)年創業の超・老舗鮨店「浪花寿司」さん。蒸し寿司の元祖と謳う同点の看板メニューは、松江名物の「むし寿司」です。
ランチタイム過ぎに訪問したところ、1席だけ空いてるとのことで、カウンターに案内されました。ちなみに後客も数名来店してましたが、2名の案内で品切れになったようです。危なかった…。
さて、今回注文したのは言わずもがな「むし寿司」一択。なお、茶碗蒸し付きも選べるとのことなので、茶碗蒸し付きでお願いしました。
蓋を開けると湯気がもわりと立ち込め、酢飯の良い香りが鼻腔を刺激します。牛の時雨煮、蒲鉾、海老、椎茸、鰻、あご野焼き、栗、錦糸卵といった具材たちのコントラストがとても色鮮やか!ビューリホー。
熱々の酢飯と具材を頬張りながら食べ進めていきますが、色々組み合わせがあってとても面白いです。面白い、楽しい、美味しい。そんな思考が脳みそをグルグル駆け巡っていくのは貴重な体験ですね。
汁物はあら汁ですが、身がしっかり付いていて食べ応えあり。出汁もしっかり効いており、これ単品でも頼みたいヤツです。茶碗蒸しも熱々で美味。
余談ですが、この「むし寿司」を考案したのは、初代店主の奥さまだそうで、「冬でもお寿司を楽しんでほしい」という想いから誕生したのだそう。
そんなエピソードに想いを馳せながら完食! 島根旅の最...
Read more2022年8月27日来店。ほんとは近くの季節の風...
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