妻が、昔から好きだったというラーメン店「佐藤中華そば楼」。大館方面に出かけるなら、思い出の味をもう一度堪能したいという妻の願いを叶えるべく、初めて足を運んでみた。
平日のお昼時ということもあり、店の前にある駐車場はほとんど埋まっており、なんとか一台分だけ空きを見つけて滑り込んだ。店内は予想以上に広く、テーブル席が多めに配置されている。清潔感があり、居心地が良い雰囲気だ。
入口すぐにある券売機の前で、妻の言う通り、メニューの多さに戸惑う。醤油、味噌、塩、新醤油、玉子とじなど、どれも魅力的でなかなか決めきれない。後ろに誰もいないのをいいことに、家族みんなでずいぶんと悩んでしまった。
結局、私は新醤油に背脂をトッピング、妻は味噌ラーメン、そして子どもたちは醤油ラーメンに味玉をトッピングして、それぞれ食券を購入した。
注文からそう待つことなく、ラーメンが運ばれてきた。みんなで一斉に「いただきます」をして、それぞれのラーメンを食べ始める。まずは、私が頼んだ新醤油スープを一口。見た目は醤油色ではない透明感のあるスープで、魚介系の出汁が効いている。そこにレモンの爽やかな酸味が加わり、背脂のコクと見事な調和を生み出している。この組み合わせは初めてだったが、脂っこさを感じさせず、すっきりとした後味で、どんどん飲み進められる。
麺は縮れの少ない細麺で、硬めに茹でられており、スープとの絡みが抜群に良い。自家製麺らしいが、この麺がまたスープの旨さを引き立てている。
妻の頼んだ味噌ラーメンも一口もらったが、こちらもあっさりとしていて、味噌というよりは魚介の出汁が前に出ている印象だ。レモンの酸味も加わり、好みが分かれるかもしれないが、独特の風味がクセになりそうだ。
どのラーメンも共通しているのは、ただ単に味が濃いだけでなく、繊細で複雑な味わいだということだ。単一の出汁だけでなく、節系の風味、そしてレモンやごまといった意外な食材が、それぞれ見事に調和している。まるで一つの完成された料理のようだ。
この店は、レモンや背脂、辛みそといったトッピングで自分好みの味にアレンジできるのも面白い。今回頼んだラーメンも美味しかったが、次回は塩や玉子とじラーメン、そしてトッピングを色々試してみたいと心から思った。
あっという間に、麺もスープも全て平らげてしまった。麺の量も程よく、満足感がある。妻の青春の味が、こんなにも奥深く、洗練された味だったとは知らなかった。妻も昔と変わらない味だと満足そうで、連れてきてよかったと心底思った。
店内の居心地の良さや、券売機で迷う楽しさ、そして何より洗練された味。地元の人に愛されているだけでなく、遠方からわざわざ足を運んでくる人がいるというのも納得だ。駐車場が狭いという難点はあるが、それを差し引いても、この味を求めてまた行きたく...
Read moreみそ(並)950円とチャーシューごはん260円
以前は二ツ井にお店があり当時は隠れ家的なお店でしたね。能代の十八番、麺屋もとに準ずるレモン入りラーメンが最大の特徴です。 かんすいでは無く小麦にベクトルを振ったパツパツ細麺に鶏出汁系なスープ。この出汁の味わいを愉しむ、いわば和食的な上品さがあります。
澄んだスープは飲み進めても飽きが来ない、しかしながらも味噌の味はきちんと感じられる。レモンの酸味が塩気を適度に中和し、振りかけられたゴマの風味がまた良い。 これらが出汁を感じさせる相乗効果だろう。 薄切りだが脂味のあるチャーシューと魚系出汁の味わいのメンマの食感もアクセントになっておりラーメンを食べると言うある種の健康への冒涜を一切気にしなくて良い一杯。カロリーを気にする女性には嬉しいでしょう。
デフォルトではこってり味が好きな方には明らかに向きませんし、レモン入りだから好みは別れるでしょうね。 トッピングも各種ありますから色々研鑽し自分好みの一杯を追求するのも良き楽しみ方だと思います。
チャーシューごはん、この味がまた素晴らしい完成度。チャーハンではなく所謂ピラフなのかな? チャーシューの煮汁で炊いたのかふっくらしたご飯には味が存分に染み、刻みチャーシューと炒り卵が口の中で躍る。この躍るご飯たちを酸味のあるラーメンスープで流し込む、これは合いますねえ。
大館市に移転後かなりの時が経ちましたが大館市民にも愛される味のようで来客は多い模様。 唯一駐車場が狭いのが難点でしょうか。 配膳も早く清潔感もあるお店です。
2025.7追記 新正油チャーシュー(並) 酸味の奥から感じるコクあり、あっさりだが薄くはないスープで適度な油分もあり◎ チャーシュー麺用のチャーシューはデフォルトとは別な気がします。こちらの方が格上。 薄切りですがこの一杯の世界観を損なわない配分、美味いなあ。 ここでしか味...
Read more【佐藤中華そば楼byねぎぼうず】 ・新味噌ラーメン ・ミニ豚丼
〈感想〉 ▶︎新味噌ラーメン 白濁したスープにぷかぷか浮かぶ背脂と胡麻の香りが、器の縁からもう食欲を誘ってくる。ひと口すすると、味噌のコクが優しく舌を包み、芳醇な香りが鼻から抜けていく。スープは見た目よりも軽やかで、油の重さを感じさせず、味噌の旨みが前に出る絶妙なバランス。 細めのストレート麺は歯切れ良く、スープをしっかり絡ませてくれる。チャーシューは口の中でふわっとほどける脂の層が見事で、しっとりとした食感とともに濃厚な旨味が広がっていく。添えられた海苔とメンマが、ラーメン全体に香りと食感のアクセントを与えていて、完成度が高い一杯だった。
▶︎ミニ豚丼。ご飯の上に重ねられたチャーシューは、まるで花びらのように美しく、照りとツヤがたまらない。甘辛いタレが肉の隙間から染み出し、ご飯と一体になっている。ひと口頬張ると、甘辛いタレと香ばしい豚肉の旨味が一気に広がり、ご飯をかき込みたくなる衝動を抑えられない。 そして極め付けは半熟煮卵。黄身はとろりと流れ出す寸前の絶妙な火入れで、まろやかなコクが口いっぱいに広がる。ラーメンと丼のハーモニーが、満足度をぐっと底上げしてくれた。
ラーメンと丼、それぞれ単体でも主役級の味わいながら、一緒に食べることで互いを引き立て合うような名コンビ。シンプルながら手の込んだ仕事が光る、まさに「丁寧な一杯」と「心を満たすごはん」でした。...
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