クレープは美味しいと感じました。ただ、私は今までにクレープを食べた経験があまりないので、一般的なクレープとの比較にもとづく味の評価は出来ません。しかし、それとは別に、この店の特徴は接客における論理構造にあると私は感じました。

まず、店の規模は非常に小さく、商品の注文口と受取口は同じ一つの窓口です。そして、その窓口にて客側から店の中をみると、店主と思われる中年男性が窓口横でクレープを焼き、窓口の正面少し奥ではアルバイトと思われる美形の若手女性が作業をしています。

私がクレープを口頭で注文しようとした際、私はてっきりその美形の女性スタッフが対応してくれるものと思い込んでいたのですが、実際には窓口横から中年男性がカットインしてきて、

「注文はメモに書いて～」 「あっ、メモ用紙は切らないで！」

と言われ、私は正直やや不快感を覚えました。

たしかに、他の方々も言うように、この店の店主の接客態度は決して丁寧なものとは言えないでしょう。しかし、考えてみるに、この如何にも「頑固親父」という雰囲気で接客する中年男性店員というのは、他の個人店的商業施設にも散見されます。だから、別段それに不快感を覚えることは通常あまりないはずです。 ですが、この店の場合、一旦客に対して美人女性店員が接客してくれるはずだという前提条件を与えつつ、現実においてそれを瞬時に裏切るという論理構造(超高速美人局)になっています。そのため、特に初見かつ男性のお客さんは店主の接客態度に不快感を覚えるのだと考えられます。

ちなみに、この論理によって接客原理を構成している商業施設を私は他に知りませんから、その意味で希少価値があるかもしれません。以上です。