この日は荻外荘近くに用事があり、そのついでに少し立ち寄ってみることに。 歴史好きの方ならご存知かもしれませんが、荻外荘は昭和初期の政治家・近衛文麿ゆかりの邸宅であり、近年保存整備された貴重な文化財建築です。
建物自体も非常に重厚感があり、歴史的な意義を感じさせる造り。 木造の趣ある佇まいと、美しく整えられた庭園が印象的で、施設内をゆったりと巡るだけでも心が落ち着いていきます。 そんな中、思いがけず中にカフェがあることを知り、ふらりと立ち寄ってみることにしました。正直なところ、「こんな場所にカフェが!?」という驚きとともに、静かな期待感が高まります。
カフェスペースは、建物の雰囲気を壊すことなく、木の温もりを生かした上品な内装。 席数はあまり多くないですが、その分とても静かで、まるで時が止まったかのような穏やかな空間です。 外には手入れの行き届いた日本庭園が広がり、窓越しにその景色を眺めながらお茶をいただける贅沢なひとときが過ごせます。
カフェメニューはシンプルに3種類ほど。 それぞれに和の要素を感じさせる上品なラインナップで、お茶は「加賀ほうじ茶」か「抹茶」から選べます。 今回は、迷った末に「抹茶と最中のセット」を注文しました。
しばらくして運ばれてきたお盆には、鮮やかな緑色の抹茶と、上品に盛り付けられた最中。 抹茶は苦味の中にまろやかさがあり、まさに“和の静けさ”を感じさせてくれる味わい。 最中も甘さ控えめで、皮の香ばしさと餡の上品な甘みが絶妙にマッチしています。抹茶との相性は言うまでもなく抜群で、まさに「静かに味わいたいお茶菓子」という印象です。
そして何より特筆すべきは、そのロケーション。 手入れの行き届いた日本庭園を眺めながら、お茶とお菓子をいただけるこの時間の贅沢さ。 都内とは思えないほどの静けさと自然の美しさに囲まれて、日々の忙しさをしばし忘れることができます。
全体として、派手さはありませんが、質の高い時間が過ごせる素晴らしいカフェ体験でした。 歴史的価値のある建物に包まれながら、丁寧に淹れられた抹茶と和菓子を楽しむ時間は、まさに現代における“静かな贅沢”。
観光目的の方はもちろん、ちょっと一息つきたい地元の方にもおすすめです。 今度は加賀ほうじ茶のセットも...
Read more近衛文麿の旧宅で、国の史跡に指定されています。その一部は豊島区内に移築されていましたが、杉並区がこの地に再移築し、2024年12月9日に一般公開されました。 建物に入るには観覧料が必要です。出入口脇の受付で300円支払います。基本的に和風住宅ですので出入口で靴を脱ぎスリッパに履き替えます。どうやらスリッパの数で観覧者の数を把握し、混雑時には入場制限をしているようです。私の行ったときは幸い待ち時間なく入れました。建物内には各部屋にガイドさんがいて、説明をしてくれました。公開初日だったので特別だったのかもしれませんがとても詳しく丁寧な説明でした。また、備え付けのタブレットでAR、VRで見る解説もありました。 見どころ1 応接室:来客用の玄関を入ったところにあります。中国風の意匠でまとめられた部屋で、床は龍の敷瓦、天井には龍の絵が描かれています。敷瓦は復元ですが、一部(端三列ほど)は当時のものが使われているそうです。また、螺鈿のテーブルセットが目を惹きました。 見どころ2 客間:荻窪会談が行われた部屋です。備え付けのタブレットで四人が会談している姿をカラーで見ることができます。夏の暑い最中で団扇が置かれています。 見どころ3 書斎:近衛文麿が自決した部屋です。その後改変することなく当時の姿を今にとどめているそうです。 番外 カフェ:和室をカフェとして公開しています。メニューはお茶とお菓子のセットです。私は、最中(三原堂)と加賀棒茶のセット(1000円)をいただきました。小さいながらミュージアムショップもあります。 アクセスは荻窪駅から徒歩15分。あるいはグリーンスローモビリティ荻外荘公園下車すぐです。 ...
Read moreJR・東京メトロ荻窪駅から南方面へ、徒歩🚶♂️約15分の閑静な住宅街に立地する公園の中にある邸宅です。(なお、荻窪駅西口から、可愛らしいカート型とバス型の車両が15~30分毎に運行されています)
昭和戦前期に三度内閣総理大臣を務めた近衛文麿が昭和12年(1937)年から、移り住み、様々な政治の舞台となった場所でもあります。
さて、今般は、同邸宅の設計が日本を代表する建築家、伊東忠太氏によることに興味があり、訪問いたしました。 伊東忠太は、日本建築を本格的に見直しした第一人者で、それまで「造家」と訳されていた「Architecture...
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