【喧騒を離れて】 世田谷線が住宅街を縫いあわせていく。松原から歩いても、豪徳寺から歩いても、どの駅からもある程度距離がある赤堤。街路樹の並木の一角。深緑の壁に縁取られた扉を開けるとき、人はまず、その空間を目ではなく耳で知覚することになる。そこにはスピーカーの銘機、Milestone604が奏でるアナログレコードの柔らかな音が満ちている。単なるBGMではない、空気そのものに溶け込み、輪郭を与える。小さな空間全体を一つの共鳴する楽器へと変える、いわば聴くインテリアだ。我々が日常で浴びつづけるデジタル圧縮された音の洪水とは対極にある、粒子の一つ一つが感じられるようなその音響に包まれること。それ自体が、この店の最初のメニューであり、訪れる者への静かなもてなしだと感じた。
【テクスチャは語る】 音によって感覚が調律された後、意識は味覚へと向かう。ショーケースに並ぶプリンやケーキは、その姿こそ控えめだが、スプーンを入れ、舌に乗せた瞬間にその哲学を雄弁に語り始める。一貫するのは「むっちり」という言葉に集約される、確かな物質感だ。やや硬めに仕上げられたプリンが舌の上でしなやかに抵抗し、キャロットケーキが密度の高い生地で満足感を主張する。
これはInstagram映えのように儚く消える「ふわふわ」や「とろとろ」とは一線を画す、記憶に残るための食感設計だ。ビターなカラメルソースが甘さに奥行きを与えるように、この「むっちり」とした質量があたえる密度と抵抗感は、我々の味覚に心地よい負荷をかけ、その一口の価値を問いかける。情報が軽やかに消費されていく現代において、この食感は一つの場所に留まり、じっくりと味わうことの豊かさを、言葉以上に強く訴えかけてくる。
【静寂の所有権】 この音と味覚のプライベート空間において、我々は一つの現代的な問いに直面する。窓辺の席で、一人の女性が文庫本の世界に没入している。その傍らで、別のテーブルからは、スマートフォンの乾いたシャッター音が断続的に響く。どちらも、この空間を愛でる純粋な行為であることに疑いはない。だが、そこには明確な境界線が存在する。一方は空間の静寂を享受し、自らの内側へと深く潜っていくための行為。もう一方は、空間の美しさを切り取り、外側の世界へと発信するための行為だ。
このカフェの居心地の良さは、おそらく、この二つのベクトルが奇跡的なバランスで共存している点にある。しかし、シャッター音が読書の集中を遮る瞬間、我々は問わざるを得ない。この心地よい静寂の所有権は、一体どこにあるのだろうか、と。愛騒は、我々に極上のスイーツを提供するだけでなく、公共空間における個人の感覚のあり方という、答えのない問いをも投げかけてくるのだ。
【愛騒という名の処方箋】 結局のところ、「愛騒」とは音、食感、そして他者との暗黙の距離感を通じて、都市生活で麻痺した我々の感覚を再起動させるための、一種の装置であり、処方箋だと思う。耳で空間を味わい、舌で存在を確かめ、他者の気配の中で自らの輪郭を取り戻す。
この深緑の空間で過ごす時間は、消費される時間ではなく、蓄積される体験となる。日常のノイズから逃れるための避難場所として、あるいは、自分自身の感覚と向き合うための実験室として。人々はこれからも...
Read more初めて訪問しました。 白と緑を基調とした店内は爽やかさと穏やかさが共存した空間でとても落ち着きます。また、各テーブルに一輪ずつ異なる種類のお花が生けられていた点も素敵でした。特にBGMのセンスが抜群によく、音楽がより一層お店の雰囲気を格上げしていると感じました。飲み物もデザートもとても美味しかったです。総じて店主様のこだわりを端々に感じる、良い空間でした。
(以下、かなり個人的な独り言です。) 私事ですが、普段飲食店に行く際はGoogleマップの口コミを参考にすることが多いです。理由は"なるべく嫌な気持ちをしたくないから"です。こちらでは接客に関する指摘をいくつか拝見し少々不安でしたが、雰囲気が好みであったため勇気を出して訪問しました。
結果、指摘を受けていたような点について私は気になりませんでした。確かに懇切丁寧な接客を想像して来店した方には物足りないと感じる部分もあるかもしれませんが、"シンプルで近過ぎない接客スタイルをお持ちの方"という印象を私は持ちました。
むしろ私が気になった点は来店していた方のマナーです。素敵な空間をより良い形で写真に収めたくなる気持ちはとてもわかりますが、何十枚分ものシャッター音が店内に鳴り響いていました。また、他の方の通行の邪魔をしてしまっている方もおり、そうまでして写真を撮ることは果たして本当に必要なのかと少し考えてしまいました。 (私が週末に訪れたことも理由の一つかと思います。休日に遥々お店に訪れれば、写真に収めていつでも思い出したくなる気持ちはとてもわかります。)
あくまで私の考えた可能性の話にはなりますが、仮にこういった行為を続ける方がいた場合、接客が簡素になることはあり得る話なのではないでしょうか。私自身、カフェで働いていた際にアイスクリームが溶けるまで、デザートの写真を撮っているお客様をみて悲しくなったことが何度もあります。
店主様のお気持ちはわかりかねますが、今回の訪問でさまざまな状況が考えられるのではないかと私は考えてしまいました。マナーは個々人に委ねられているため、判断が難しいこともあるかと思います。せめて自分の良識や敬意を以て、今後もお店を利用したいと思う良い機会になりました。
様々な意見があるとは思いますが、私としては素敵なお店だと感じたため投稿させていただきました。お店との相性はタイミングであったり人それぞれだと思うので、気になった方は...
Read more. •キャロットケーキ 550円 •バスクチーズケーキ 550円 •コーヒー(愛騒ブレンド)500円 •カフェラテ(hot)550円 . ずっとお伺いしたいと思ってた世田谷区豪徳寺駅近くにあるカフェ。 愛騒さん! こちらのキャロットケーキがどうしても食べたくって♡ ちかくによていが近くに予定があったので、これは行くしか!と。 カフェ?と通り過ぎてしまいそうな外観。 中に入るととっても素敵な落ち着いた空間が。 まずは注文とお会計を済ませて。 レジ横にあるショーケースにキャロットケーキの姿を見つけて歓喜。 もちろんキャロットケーキを。 そのお隣に並んでたバスクチーズケーキも美味しそうすぎてもれなく、一緒にお願いして。 お供はあったかいカフェラテ。 のんびり窓際のお席で待機。 そしてお待ちかねのキャロットケーキとバスクチーズケーキが登場。 どーんと大きなキャロットケーキに しっかりバスクされたぽってり可愛いバスクチーズケーキ。 まずはキャロットケーキから。 フォークを入れた瞬間から分かる、ふわふわさとしっとりむっちり感。 このふんわりむっちり、水分量多めな感じ、めちゃくちゃ好き!! 胡桃とかの存在感はなく、シンプルな生地。 みじん切りにされた人参の優しい甘さがふんわりと。 底にはレーズンもちらり。 スパイスもめちゃくちゃ優しくって食べやすいお味。 これは!キャロットケーキ初心者さんに是非食べてもらいたいキャロットケーキ♡ 上層のクリームチーズのフロスティングの甘さもちょうど良く。 サワークリームも入ってるのかな?爽やかさも心地よくって◎ 普段あまりキャロットケーキを食べない相方さんも、 これ!すごく美味しい!と私よりほぼほぼ食べてて嬉しくなったなぁ。 それからね、キャロットケーキも美味しすぎて衝撃やったけど バスクチーズケーキも美味しすぎて感激。 一口食べた時の衝撃たるや♡ しっかりバスクされた表面は香ばしく、 生地はしーっとりほろりと。 この食感、風味、後味。よく食べてるバスクチーズケーキと全然違う!! しっとり滑らかで卵感強めの優しい味わい。 めちゃくちゃ親しみやすい、ホームメイド感のあるこの感じ、最高。 高校の時に友人からもらったチーズケーキの味がして、すんごく懐かしくなった!! お供に頼んだカフェラテもとっても美味しくって♡ 雰囲気も良く、居心地抜群。 またまた素敵なカフェに巡り会えて幸せ...
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