Cat's Meow Books

とにかく店主さんの愛想が悪く、本の購入を前提に扉を開けた客しか露骨に相手にしないため、一度入ると本を買わずに店を出ることができない雰囲気があります。店内はBGMが一切かかっていない無音の空間で、店員さん側から声をかけられることは一切ないため店内で本を眺める間も張り詰めた緊張感にあふれます。散歩のついでやウインドウショッピングなど気軽に訪れるには向いていない本屋。私以外に子連れのママさんがいましたが、そちらにも容赦なく同様の対応をされていました。

猫が好きで初めて訪れました。マニアックな猫の本が店内にズラッと並び、とてもユニークで知的好奇心をくすぐられる素敵なコンセプトの本屋です。一般的な書店にあるジャンルのすべてを猫を切り口とした本でカバーしている網羅性があり、その品揃えの豊富さから、様々な筆者たちによる猫に対する愛情や探究心を感じ、ただただ人と猫の特別な関係性に驚かされます。

また訪れる際に読んだネットのニュースから、保護猫に対する新しい支援の形を目指す素敵な志のお店だと共感しており価値ある取り組みだと感じました。 「猫店員」と呼ばれる保護猫たちも本屋の中でゆったりとくつろいでおり、とても整頓された清潔な店内でした。

そこで訪れた記念として店内を1枚撮影しようと思い、念の為店主の方に「店内は撮影しても問題ないですか？」と聞くと「買い物してくれるなら」と真顔で刺々しい語調で一言頂きました。 またネットニュースの情報ではコーヒーなどの飲み物を片手に本を選べるとありましたが、店内で販売する飲み物は本を購入する方のみ注文できる、という張り紙があり、購入を前提とした方だけを相手にしたサービスで、カジュアルさは一切ありません。もちろん、飲み物は無料サービスではなくメニューごとにお品代を支払う必要があります。

どのような本があるかどうかわからない初見さんであっても、一度入店すると本を買わずには出られないですし、一度入って本を買わずに出ようものなら、もう再びお店に足を運んでいい雰囲気ではないため、非常に難しい本屋という印象でした。 訪れたからには必ず一冊買って帰るという心意気の方には、温かい雰囲気で迎え入れていただけるのかもしれませんが、再訪することができない私には確かめようがありません。