江戸時代より山口市で醤油屋を営んだ豪商・萬代家の歴史的建造物群に新たに鉄筋コンクリートの本館を加え山口市が2018年9月にオープンさせた明治維新歴史ミュージアム。 幕末期、萬代家は長州藩士たちを援助しており桂小五郎、高杉晋作、久坂玄瑞、周布政之助、井上馨、伊藤博文らがここを利用したと言われる。 3棟残された萬代家の歴史的建造物の中で最も古い幕末建築「十朋亭」に長州藩士たちが滞在した。その隣にたつ「杉塾」は松下村塾を営んだ吉田松陰の兄が明治初期に私塾を開いていた場所で二階は志士たちの様々な密談に使われたらしい。「十朋亭」と「杉塾」の間には当時からのものと思しき壺庭がある。木は成長しすぎているが現在でも石灯籠や手水鉢などとのバランスを損なわれず美しさを保っている。 「杉塾」の奥には「萬代家主屋」がある。この主屋はもともと萬代家の茶室として建てられたもので当時はその庭園もシンプルな露地の設えであったと思われる。しかし後に建物は萬代家主屋として改められた。おそらくその際に枯池や雪見灯篭などが主庭の設えとして付け加えられたのであろう、現在は多くの景物が置かれた賑やかな庭となっている。 庭内には多くの飛び石が置かれ散策することも可能だが、何方かと言えば鑑賞式の庭と言える。庭に面した濡れ縁を歩くとき大いに目を愉しませるように設えられている。また茶室にもなる客間座敷の雪見障子越しに臨むとき庭は大変瀟洒で最も美しい景観をあらわす。 この庭と建物を挟んだ反対側に土地神様の祠を祀る小さな庭があり、こちらの蹲も美しい。 この「萬代家主屋」は博物館として開館する際に修復され茶室としての趣を取り戻し随所に正統派の数寄屋の妙が見られる。構造的に興味深いのは廊下が秘密の抜け道の様になっていることで幕末の志士たちを追っ手から逃がす工夫だったのかもしれない。と、そんな想像をめぐらすのも楽しい建物だ。...
Read more幕末頃に維新の志士たちが滞在していたという建物群。当時の様子を残しつつキレイに修繕、整備がされている。基本無料で見学が可能。 窓口のある本館には資料棚があり、幕末維新に関する書籍や資料を閲覧することができる。
有料の企画展は展示室自体は小さめだがかなりおすすめ。 十朋亭を利用していた幕末志士たちの紹介パネルは読みやすく分かり易い。 また十朋亭所蔵の貴重な絵画や文物、例えば久坂玄瑞が愛用した湯呑みや伊藤博文が天皇から下賜された茶器など貴重な資料が多く展示されている。 また、展示室内の地形模型上では30分毎にプロジェクションマッピングが放映されており、一見の価値有り。
駐車場は施設横手の一方通行出口付近に3台分と少し離れたところに周辺エリアへの観光客向けのもの...
Read more井上馨展(特別展)があるというので山口市を訪れた折に訪問しました。一の坂川を越えた場所にひっそりとあります。 特別展はそれほど多くはありませんでしたが、200円なら妥当だと感じました。他にも、幕末から明治にかけての再現された建物を見ることができて良かったと思います。 いくつかの建物は中に入ることもできます。二階にはあがれませんが、低い天井や畳など、当時の暮らしを現代の視点で感じることもできるようです。 外観もオシャレで、それほど時間もかからないので寄ってみるのもいいかもしれません。駐車場はわかり難いので、事...
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