(2023年2月27日訪問) 移転後の豊栄(ホウエイ)さんをついに訪問。黄酒(ホアンチュウ)飲み比べを堪能。
月曜18:55に妻と2名で訪問。1週間くらい前に食べログで予約しました。
入口のところに、この日は予約のお客さんのみ入店できる旨が書かれていました。
移転前のお店でランチコースはいただいたことがあったのですが、ディナーコースは初めてです。
店内は落ち着いた大人の方々で賑わっています。客層がとても良い印象です。
今回は「豊栄コース」(税込6000円) をいただきました。コース内容は以下のとおり。
【豊栄コース】
(1) 自家製醤盛り合わせ (2) 前菜6種 (3) 極上薬膳スープ (4) 名物よだれ鶏
(5)(6)(7) 季節のお料理3品
(8) 黒酢の酢豚 (9) 〆のお料理 (10) 選べるデザート ※実際には、上記に加えて (7) の「キンメダイの蒸し物」のタレに、「香港麺」を投入する料理も提供されました。提供タイミングは (9) と (10) の間。お腹に余裕がある場合のみ。
(1) は、薄く切った大根の上に、自家製の醤(ジャン)を乗せていただく料理でした。生姜醤 (ショウガジャン)、沙茶玉葱醤 (サーチャー タマネギ ジャン)、豊栄醤 (ホウエイジャン)、芽菜醤 (ヤーサイジャン) の4種類。お酒によく合います。
(2) の前菜6種の内容は、海老の紹興酒漬け、フリット(野菜の名前は失念)、芽キャベツのポタージュ、サワラの山椒漬け、自家製チャーシュー、黒バイ貝の紹興酒漬け。これまでランチで食べたことがあるものと、新しいものが半分半分くらいでした。おいしいです。お酒が進む~。
(3) の薬膳スープは、体感的には20種類以上の具材。「どんだけいろいろ入ってるの?」と心の中でツッコミながら、おいしくいただきました。なんとホタテまで。いやぁ、体が浄化されていく感じがしました。素敵です。
(4) のよだれ鶏は、以前にランチのテイクアウトで食べたことがあったのですが、やはり看板メニュー。おいしいですね。
(5) の季節のお料理 1品目は、ワカメの餃子でした。そのままでも味がついていますが、よだれ鶏のタレを付けて食べるとおいしいとのこと。確かにおいしいですね。皆さん、(4)の段階でよだれ鶏のタレを食べ切ってしまわないようご注意ください(笑)。
(6) の季節のお料理 2品目は、ターサイの海老味噌炒め。海老味噌がおいしい! お酒がどんどん進みます。
(7) の季節のお料理 3品目は、キンメダイの蒸し物でした。こちらの蒸し物のタレ、あとで香港麺を入れていただくこともできるそうです。お腹に余裕があれば。
(8) の黒酢の酢豚は、以前にも食べたことがあるメニューでしたが、やはりおいしいですね。
(9) のシメは何だろうと思っていたら、なんと麻婆豆腐丼でした。これ、以前に食べておいしかったんですよねぇ。最高です。麻婆豆腐とご飯って、なんでこんなに合うんだろう。ちなみにライスはおかわり自由です。
麻婆豆腐丼を食べ終わったタイミングで、(7) のキンメダイの蒸し物で残ったタレに、香港麺を入れて食べるかどうかを確認されます。1人前30グラムだそうで、2人で60グラムまで入れられるとのこと。私たちは60グラムを入れていただきました。シメのラーメンの満足感まで得られるとは。
(10) のデザートは、3種類の中から選べました。選択肢は、杏仁豆腐、桂花陳酒のお酒が入ったフローズンヨーグルト、サンザシのアイスクリーム。私はフローズンヨーグルトにしました。さっぱり食べられておいしかったです。
ところで、料理は総じておいしかったのですが、シェフ1人ですべてを調理している関係上、どうしても提供には時間がかかってしまうようです。19:00開始のコースでしたが、最後のデザートが出たのは21:49でした。今回は気を遣わない家族と一緒だったので良かったですが、普通ならちょっと手持ち無沙汰になってしまうかもしれません。
以上、食べ物のことをまとめて書きましたが、次に飲み物のことを書きます。
この日、私は黄酒(ホアンチュウ)を飲む気満々だったのですが、一方で私はこのジャンルのお酒をまったく知りません。いろいろ飲んでみて、好みのものを探そうと考えていたところ、「黄酒 (ホアンチュウ) 飲みくらべ」というメニューがありました。まさに渡りに船。
この飲み比べ、1300円で3種類の紹興酒を楽しめます。店員さんに訊いたところ、2回目に頼むと、1回目とは違うものを出してくれるのだそうです。いいことを聞きました(笑)。
黄酒3種飲みくらべ 1回目:(a) 石庫門 5年、(b) 夏之酒、(c) 神気 10年 黄酒3種飲みくらべ 2回目:(d) 即墨老酒 清爽型 5年、(e) 東湖 12年、(f) 百吉酒 黄酒3種飲みくらべ 3回目:(g) 黄中皇 5年、(h) 黄中皇 10年、(i) 女児紅 10年
この日お店にあった黄酒はこれでコンプリートです。
以下、それぞれのメモ。
(a) 石庫門 5年 → 酸味とまろやかさを感じる。 (b) 夏之酒 → 酸っぱくて癖がある。でもおいしい。 (c) 神気 10年 → まろやか。 (d) 即墨老酒 清爽型 5年 → ほんのり甘みがあって飲みやすい。口当たり良し。でも、甘いために少し飽きを感じる。 (e) 東湖 12年 → 甘さは無いが、飲みやすい。美味しい。これを、飲み続けたい。本日、私の中で一番手。 (f) 百吉酒 → 変わり種?酸っぱさと、独特の風味がある。 (g) 黄中皇 5年 → 紹興酒の王道の味。少し酸っぱめか。 (h) 黄中皇 10年 → 深い味わい。おいしい。私の中では、本日二番手。 (i) 女児紅 10年 → スルッと飲める。酸味はそれほど感じない。おいしい。
結局この日、私の中で「東湖 12年」が No.1 だったので、飲み比べ完了後にグラスで単品注文しました。
まあ、お酒は体調によって味が変わるので、別の日に同じことをやったら違う結果になるかもしれません。
しかし、「黄酒」というジャンルのものを1日にこれだけ飲むことは普段ないので、徐々に体が「ビールを飲みたい」という信号を発してきます(笑)。なので、最後の2杯は素直に生ビールにしました。こちらのお店の生ビールはプレモルです。泡はすごくクリーミーなやつ。ふぅ、落ち着くぅ。
ということで、この日は黄酒3種飲みくらべを3回、黄酒グラス1杯、プレモル2杯を飲みました。これだけ飲んだら、もう思い残すことはありません。
ごちそうさまでした!...
Read more茗荷谷から本駒込に移転した「町中華」(と敢えて書きます)。
茗荷谷のときに一度伺い、料理の(そして、確か接客も)印象がすごく良かったので、ついつい色々注文して食べてしまい、当時星を4つ付けています。
今回、移転後初の訪問となりますが、結果として評価を変えました。
お店のネット予約のサイトを見ると、移転後はどうもコースしか無くなったように思われたので、電話して確認したところ、電話予約であればアラカルトも可能とのことでした。
アラカルトと考えた意図は、メニューを見ながら色々頼むスタイルのほうが楽しめると思ったからでしたが、今思い返しても、あの手のある種の定番料理(味はどれも美味しいのですが)を「コースです」と言って順番出されても…という感じだったので、正しい判断だったと思っています。
ですがこのお店、どうもアラカルトで入店した客に対しては、接客でもてなそうという気が全く無いようで。雑な扱いをされるので、もし行かれる際には、まずコースを前提に検討されたほうが良いようです。尤も、私達はもう2度と行くことは無いでしょう。と言うか、じゃあ初めから、アラカルトもやってますとか言うなよと思いました。
私達が入店したとき、先客は一組だけで、お店はガラガラでした。出てきた男性の店員に名前を告げると、予約表のようなものを少しの間じーっと見つめたあと、ではこちらのお席に、と通されたのが、メインのフロアではなく、通路の一番入口寄りで且つトイレの真ん前という席でした。こんなところに席作らなくても良いんじゃないですかね。
席に着くと、女性店員が各席のメニューとは別にアラカルト用の黒板のメニューをテーブルに置き、簡単な説明があったあと、最後にこう言われました(独特な口調で)。
「本日、コースを予約されているお客様がこの後たくさん入られています。その関係で料理の提供が遅れる場合がありますので、予めご了承くだサーイ?」
ここで固まりました。はあ。こちらが先に入店しているのに、あとから来る他の客よりも優先度を下げられると?そりゃないよ。
後日googleマップの口コミを読み返してみたら、接客態度が最悪な女性店員のことを書かれている方が複数いましたが「ああ、あれね」と一発で分かりました。
事前に予約の電話をしたときに「以前の店舗のときから、メニューの数が半分以下になっています」と言われたのですが、確かにメニューの数は少なかったです。以前は、確か点心もあったのですが(写真が残っているので)、それも無くなっていました。恐らく、コースを予約したお客さんには、この少ないメニューを順番に出しているのかな?と想像しました。
私達が注文したのは4品。どれもテンポ良く提供されて、安心したのですが、考えてみれば当たり前ですよね。他にほとんど客が居ないのだから。
ほどなくして、後から他のお客さんが次々に入店されたのですが、それらのお客に対して、先程の女性店員が私達には言わなかったことを言っているのに気が付きました。
「本日はご予約頂きありがとうございます」 「エプロンのご用意もございますが如何ですか?」
どの客にも同じことを言っているのに、私達にだけは言ってくれてませんでした。私達も予約して、普通に飲み食いしているのに、何でなんでしょうね。どんどん嫌な気分になりました。
我々は最早、アラカルトを提供する町中華ではなく、レストランに生まれ変わったのだ、とでも思ってるのですかね。
先日、銀座の某デパートの中華に行きましたが、そちらのお店のほうがここよりネットの評価は低いものの、接客も雰囲気もここより何倍も素晴らしかったと思います。
お店を出る前に「ああ、近いうちに他のお店に行って、口直ししよう」と思いを馳せました。
こういうお店がミシュランに掲載されたりしたら嫌だなあ、と思って調べたら2018〜2022にビブグルマンで掲載されてるんですね。そうですか…。今はもう載ってないのかな...
Read more街中華の対極にあるモダン上海料理 日本の旬菜に中国各地の技法を駆使
■2020年7月9日 ランチ ■アラカルト ★午餐
☆豊栄 黄酒3種飲みくらべ ✻石庫聞(シークモン)3年 ★上海銘醸 ✻夏之酒(シァシーチュウ) ★ナチュール ノンカラメル(!) ✻女児紅10年 ★紹興屈指の銘醸
☆前菜3種 ✻酔っぱらい海老 ★上海料理 ✻シマアジの腐乳漬け ★広東順徳料理 ✻海老とオクラのゼリー寄せ ★香港
☆冷菜 ✻烏骨皮蛋 烏骨鶏のピータン 白髪葱添え
☆大菜 ✻鱧の青山椒蒸し ★香港広東料理 ✻香港麺 ★シンガポール製極細麺(!)
☆甜品 ✻フローズンヨーグルト 桂花陳酒の香り 蜂蜜シロップ
☆中国茶 烏龍茶
■道路を隔てて小石川植物園、幕府の御薬園の跡です。季節の花を愛でるも良し、薬膳や青木昆陽の薩摩芋に思いを馳せるも良し。和漢の食を考えるには、恰好のロケーションです。
■さてグルメ本や人気テレビ番組で、街中華のように紹介されている豊栄。実はミシュラン店で、先鋭的なモダンチャイニーズです。休業日に顔を出すと、休む暇なく仕込みの最中でした。研究熱心で理想的なシェフの姿あり。
■週末のランチはアラカルトですが、午餐のコースが組み立てられます。まずは豊栄...
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