東京から江ノ電に乗って江ノ島方面へ出かけた時、ふと立ち寄ったのが常立寺でした。駅からも近く、観光で賑わう江ノ島の雰囲気とは少し離れた、静かで落ち着いたお寺です。日蓮宗のお寺ですが、もとは真言宗として創建され、その後改宗されたという歴史を持っているそうです。境内はよく手入れされていて、お庭も美しく、歩いているだけで気持ちが整っていくようでした。
ここを訪れて印象的だったのは、元寇にまつわる史跡があること。鎌倉時代、モンゴル帝国の使者が降伏を迫るために日本にやって来ましたが、執権北条時宗の命で処刑され、その霊を供養するために建てられた「元使塚」が境内に残されています。敵味方を問わず、こうして祀る日本の姿勢には心を打たれるものがありました。静かな佇まいの中で歴史を感じられる貴重な場所です。実際にこの地では夜な夜な亡霊が出るという伝承もあったと聞き、そのためにお寺を建てたという話も残っているのだとか。そうした逸話に触れると、ただの観光以上に深い体験ができた気がします。
また、常立寺は梅の名所としても知られていて、ちょうど枝垂れ梅の季節に行けたのは幸運でした。境内には紅白の枝垂れ梅が並び、甘い香りが漂い、春の訪れを全身で感じることができます。梅が風に揺れる姿はまるで雅な絵巻物のようで、写真を撮る手が止まらないほど。参道にも梅が咲いていて、花を眺めながらゆっくり歩く時間はとても贅沢でした。椅子も置かれているので、腰を下ろして梅を眺めながら静か...
Read more湘南モノレール「湘南江の島」駅の出入口に向かって、左側の道を進んですぐ。江ノ島電鉄「江の島」駅からでも徒歩5分くらい。
こじんまりとした日蓮宗のお寺で、じょうりゅうじ、と読みます。近くにある龍口寺などと合わせて参拝するのがオススメ。拝観は無料。
参拝した時、寺務所の入口のようなところは無人で、御用のある方は庫裏 (くり) へ、と書かれていたので右側に回って玄関のインターフォンを押したら対応してくださり、御首題をいただきました。
かつて龍口寺 輪番八ヶ寺といって、1886年 (明治19年) まで龍口寺を順番に管理したお寺の一つ。常立寺は第七番。
鎌倉幕府 第8代執権 北条時宗 (ときむね) が処刑した、元からの使者を供養するための「元使塚 (げんし づか)」があり、モンゴル出身の力士さんがお参りに来るそうです。
鎌倉時代、この地は罪人を斬首する刑場でした (龍ノ口刑場)。最初の元寇である「文永の役」の翌年、1275年 (文永12年) 4月15日、元への服従を求める国書を携え長門国に上陸した、杜 世忠 (と せいちゅう) や何 文著 (か ぶんちょ) ら元の使者一行、5名は同年 (建治元年) 9月7日に龍ノ口刑場で処刑され、誰姿森 (たがすの もり) と呼ばれる刑場の隣接地に葬られました。
「元使塚」は1925年 (大正14年)...
Read more近くにあった龍の口刑場の刑死者を弔うために造られたお寺。現在では枝垂れ梅の名所として知られている。鎌倉時代、大国「元」はアジア制圧の中日本への通商を求めたが朝廷と幕府の意向によりこれを無視。それにより侵略へと方針を変更した元は対馬、壱岐、博多まで攻めたものの一万余人の犠牲とともに退却した。その後元は降伏をせまる国使を送るが時の執権北条時宗は国使5人を龍の口刑場で斬首した。その後処刑された朴世忠ら5人は5基の五輪塔を建て供養された。尚現在常立寺境内にある元使塚は1925年に建てられたものでモンゴルの英雄を表す青い布が巻かれているのは近年毎年行われている大相撲藤沢場所の前にモンゴル出身力士が参拝に訪れて巻いたものである。そしてそれはかつて敵味方であった日本とモンゴルの友好の証でもあるように思う。境内には開花時期の異なる枝垂れ梅が植えられており2月半ばより順に美しい花をつけていくのですが木の数が5本ということにも何か因果を感じ梅を見たあとは静かに元使塚にも手を合わせていく...
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