桜咲く川辺りから、一歩館内に入ると、とても静かでゆっくり作品が鑑賞できた。
画家の藤田嗣治(ふじたつぐはる)は様々な経歴の持ち主であり事欠かない! 後年、フランス国籍を取得したが奇抜な風貌で、チョビ髭にオカッパ頭.......⁇
まず、嗣治の父、嗣章(つぐあきら)は明治·大正期、軍医であり文豪、森鴎外の後任として陸軍軍医総監を務めている‼ なんと森鴎外の勧めもあり、嗣治は現東京芸術大学美術学部で学ぶ(1905年)。
在学中は当時、印象派などの写実的な黒田清輝らの明るく美しい技法が主流! しかし彼の作品は文展でも全て落選でくさっていた........! しかも嗣治はそれらの絵に対しの技法に興味が持てなかった為に観劇、旅行、吉原遊廓行脚⁇などにも興味を示していたという........以後、彼は反発の意を表し、黒を基調としたモノトーンな画風を好む!
彼は生涯6人妻を持った‼1912年に最初の妻(登美子)は美術教師であったが、突如!1913年に妻を残し単身渡仏する⁈
その間、現地ではピカソやモディリアーニやジャン・コクトーらと親交を結ぶ‼ また、フランス人と2度目の結婚! ...
Read more近年移転リニューアルされたばかりで、新しく、非常に個性的な美術館です!
まず建物に入ると、これが素晴らしい。 ピカピカで綺麗な快適空間で、料金を支払った後は渡されるカードを用いて自動ゲートで入場(ゲートの外にロッカーとお手洗いがあるのですが、これのおかげで便利に出入りできます)と非常に先進的。
その上で、入り口から展示室へと向かう道では様々な美術品がお出迎えをし、本格的な由緒あるアンティーク家具が彩るという王道の古き良き美術館の香りも漂います。
展示室では年二回の展覧会を楽しむことができます。 「ここでしか会うことのできない芸術作品」を掲げており、自分が知る限り全てが「当美術館のコレクションからの展示」となっています! 正にここでしか見られない作品群による展示で、この美術館の特徴の一つです。 「他所から集めたりしていない分、内容がショボい」なんて事は全くなく、質量共に素晴らしい展示を楽しむ事ができます。
そして、その展示スタイルが特殊。 多くの美術館、特に特別展や企画展では通常、多数の作品にそれぞれ詳細な説明が記載されており、音声ガイドなどがある場合もあります。 対してこちらの美術館では、個々の作品には説明文のような物が全くなく、タイトルや年代などの基本情報が書いているのみという硬派なスタイルになっています。 展示室内での写真撮影が基本できないのだけ注意です。
しかし、美術マニア以外お断りとかでは決してありません! 個々の作品の説明がない代わりに、各章やセクションの始まりや間に、その芸術家の生涯やセクションのテーマなどが程よく説明されています。 それにより、その芸術家の事を全く知らなかった人でも十二分に楽しめます!
先に予習のような形で画家やテーマをじっくりと学び、その前提知識と己の想像だけを頼りに作品そのものに向き合う。 まさに「芸術を味わう」といった体験で、独特ながら慣れると癖になります。 私は解説や音声ガイドも大好きですが、こちらの美術館での体験も新鮮でとても楽しかったです。
鑑賞の前や後には、1階ショップ横のスペースにて無料でコーヒーやお茶を楽しむこともできます! ぜひ、ゆったりとした極上の芸術...
Read moreホテルモントレグラスミア大阪にあった山王美術館が2022年9月に京橋に移転、独立館としてリニューアルオープンしました。オープニング展は「ベストコレクション展」です。5階には上村松園や伊東深水、東山魁夷などの近代日本画、4階にはシスレーやルノワール、ローランサンなどのフランス近代絵画、3階には黒田清輝や岸田劉生、小磯良平、佐伯祐三などの日本近代洋画がそれぞれ展示されています。洗練されたスタッフは公営の美術館とは一線を画すものがあります。物販がもう少し充実して欲しい気もしますが、無料のドリンクバーなど、観覧者思いの美術館です。個人的には上村松園の「よそおひ」、黒田清輝の「夏(野遊び)」、シスレーの「サンマメスのマロニエの木」などが特に印象深かったです。 2025年7月追記 今までは京橋駅の南口出口から山王美術館に向かっていたのですが、今回初めて西口からアプローチしました。こちらのほうが遠回りですが屋根もあり快適でした。 「エコール・ド・パリ」展は素晴らしかったです。特に藤田嗣治氏の「花」やキスリング氏の「ドリー」は印象に残りました。 常設展では向井潤吉氏の「陣馬街道冬日」、東山魁夷氏の「夕月」、前田青邨氏の「紅白梅...
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