（総評） スタンディング+シッティング形式のライブで4回伺いましたが、多目的すぎてどの界隈・目的にもフィットしないホールという印象です。 ツアーで別日程があるなら多少遠くても別会場参戦をおすすめします。

（概要） 施設使用目的のボリュームゾーンである”舞台・コンサート”に全くフィットしない施設構造 ・四角いホール形状・壁面材質により音響特性のクセが強い ・ホールというよりは座席付きライブハウスのイメージ ・段差が全くオールフラットでバリアフリーな1階席（興行によっては後列段差設置あり） ・ステージに対して直角すぎるサイド席 （一般的に「/‾‾\」のような設計の会場が多い） ・客席がオールフラットなら舞台のかさ高を上げないとかなり厳しい ・施設までの道のりは分かりやすく、施設内もキレイだが（興行によるが）動線はせまい ・1階最後列に設けられるPA席の段差の高さを見れば、この箱の1階の視認性がいかに悪いかがわかると思います

（座席） 1階8列センター： 千鳥配置ではないので舞台中心に立つ人の頭すら見えない。腰から上も見えない。かといって上下手もよくない。前の人の頭が見切れる。

1階10列センター下手寄り： 中心がちょっとだけ見える。自分の前は見えないが上下手は当会場比で見えるほう。腰から上が見える。前の人の頭が見切れる。

1階21列センター（段差なし）： 全く見えない。舞台セットの最上段に立った演者すら見えない。首都圏のホール・アリーナで最も見えない定価販売席の1つ。 PA卓レベルの座席高が必要なエリアであることを施設管理者にお伝え下さい。

2階R4列中盤： スタンディング見切れ条件で購入。上手は見切れますが、段差があるし1階21列ほど絶望感はありません。

（施設） アクセシビリティ（バリアフリー）： 1階は会場入口から客席までオールフラット。防音扉も大きいので車椅子の方も利用しやすいバリアフリー仕様です。 エレベーターもあり2階-3階へのアクセスは可能ですが、車椅子席の設定は1階に置かれているイメージです。 2-3階の座席はそこそこ傾斜あるので、座席までの階段は一般的なホールの客席と同等と感じました。 ほぼすべての客席のステージ視認性は犠牲になりましたが、アクセシビリティの観点ではよいと思います。

お手洗い： 築浅なのでお手洗いはキレイ。一方通行なので動線がスムーズです。 個室の数は同程度のキャパシティの施設と同じくらいだと思います。

ロッカー： Suica対応コインロッカー、中型コインロッカーがあります。 中型ロッカーは小物取り出し窓付きです。 1階ロッカーは通路に沿って設置されており、滞留すると特に終演後は通路が狭まることがあります。 2階は通路とは別にロッカーエリアがあります。

1階の座席について： 未使用時は垂直に収納、座面を引き倒すと背もたれが後列側にリクライニングしますが、 スタンディングの公演で手荷物を座面に挟むと背もたれが後列にリクライニングしたままになるため 自席だけでなく後列も狭くなる仕様になっております。 大きめのバッグやコートはコインロッカーを利用するか、足元に置くことで後列とのトラブルを避けられます。 独立シートではなく列ブロックごとに繋がっている長椅子構造のため、 同じ列の人が動くと1列全員にそれなりの振動が伝わるいわゆる「4DX」構造です。

ホール音響： 四角いホール形状やコンクリ床、金属系の固い材質の壁の影響もあるのか、反響というか反射が強い割に広がりや奥行きは感じづらく、ReverbではなくDelayが効いている印象です。 クラシックよりはポップス向きの箱です。 （2024-05-06追記） ポップスも難しい。 特定周波数で共鳴してしまい、音が消える部分があります。 もはやPAさんでどうにかできる箱ではないと思いました。

（おわりに） 使用者側としては、24時間搬入出設営作業OK、大型車入れやすい、裏動線や楽屋使いやすい、ステージ広いとか選びやすいメリットありますが、客側としては選んでほしくない会場の1つです。 これからも何回かお伺いするかと思いますが、施設管理者が各界隈の客の声を確認して改修してくださることを願っています。