鵜飼に虐待的なイメージを持つ方は、ここに来られることをお勧めする。かくいう私も最初は鵜飼にどこか虐待的なイメージを抱いていた。
さて、このお店、「鵜の庵(うのいおり) 鵜(う)」は鵜飼を現役で行っている鵜匠(それも長良川鵜匠代表)の経営するお店で、実際に鵜が捕まえてきた鮎の塩焼きや鮎雑炊をいただくことができる。すぐ食べるという前提で持ち帰りもできるので、川面を見ながら食べることだって出来る。もしホテルで鵜がとらえた鮎を食べようものなら、それなりの値段がすることを考えると、かなりリーズナブルな選択肢といえよう。
しかし、このお店の本当の価値は他にある。なんと、このお店ではお願いすると、庭で放し飼いにしている鵜を見させてくれるのである。つまり、間近で鵜を眺めることができるのだ。その時、きっと気づくはずだ。鵜たちの表情は決して虐げられすさんだものではない、ということに。ひとなつっこくて、大人しい。そして驚くべきは、鵜たちはその気になればいつでも飛んで逃げることができるという事実に。庭は空と繋がっているのである。しかし逃げない。逃げる意思がないのだ。このことに気がついたとき、私は考えを改めた。「まんざらでもないんだろうな」と素直に思った。
もちろん、十王町の鵜の捕獲など、残酷なところもある。しかし、鵜飼は日本書紀成立以前からつづく伝統的な漁法であることもわすれてはならない。文化の継承として、必要なことなのだ。またよくよく調べてみると、鵜飼が日本のみの漁法ですらないことも重要だ。そうした様々な情報を考慮して考えた時、グローバルな視点と、文化保護の観点から見て、はたして鵜飼を虐待的なイメージのみで評価してよいのだろうか?それでもやはり納得できないという方は、このお店に来てみることをお勧めする。きっと考えが変わるだろう。
最後に、このお店の鵜匠が日本動物心理学会第69回大会で特別講演なされたものから一文を引用する。『鵜飼いというのは、みなさんに楽しんでもらうためではなくて、鵜が楽しんで仕事をするため、その生活のためにみなさんに協力していただくくらいのつもりで、私は仕事をやっております。』
The Japanese Journal of Animal Psychology, 60, 2...
Read moreここは鵜匠さんが経営しているレストランで、鮎雑炊はもちろんピラフやカレー、コーヒーもあります。なんと言っても中庭で鵜飼いに使う鵜を放し飼いにしているのには驚きます。鵜もお客さんも自由に出入りできますので、ま近で鵜を見ることができますし、鵜があまり動かないので写真をじっくり撮れます。別棟は狭い(&古い)ですが鵜飼舟や道具の展示もあります。鵜匠さんからお話も聞けるようです。私達は10人くらいの団体で行きましたが、昼食後じっくりお話が聞けて...
Read more宮内庁式部職鵜匠の一人、長良川の山下純司鵜匠のご自宅にあるカフェです。広々としたカフェは鵜匠の鵜達が放されている中庭に隣接しており、昼間は自由に過ごしている鵜達を見ながら、鮎雑炊や鵜匠が自ら仕込まれた鮎のなれずしをいただけます。 お店の方には岐阜の歴史や、長良川鵜飼についての質問に気さくにお答えいただき、大変楽しいひと時を過ごせました。 近くにある鵜飼ミュージアムと併せての訪...
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