歓楽街でも商店街でも住宅外でもない、丸太町通り沿いの「通りみち」にある、 まさかの本格的な中華料理です。

ここは、これまで何軒ものお店が潰れてきた「魔の土地」であることからも解るように、 決して立地条件に恵まれてはいません。 でも伯楽家常菜さんは、無事に2周年を迎えられています。 過去のお店は、ほぼ3ヶ月程度で閉店していますから、プチ奇跡です。

それを可能にしているのは、味と接客。

お店を営んでおられるのは本場中国の方ですが、日本と中国の味の境界線上より ちょっとだけ中国寄りの料理を提供されています。 平たく言えば、日本人が「本場の味だ！」と感じる料理だということです。

酢豚は黒酢で、東北部の少し甘目。 水餃子も、酸菜が入っていてクセになる感じ。 その他も、乾物を使ったスープ以外は「ハズレ」がありません （フカヒレなどは、リーズナブルに提供するためでしょう、大震災のあとで 価格が高騰したときには、実力以下のものが出たことがあります）。 腕の良さは、炒めものと煮込みものを食べれば判ります。 東坡肉なんて、それだけで瓶入紹興酒を3合は飲めます。

また特筆すべきは、お姉さん（奥さんだと思います）の接客！ 中国の訛りはありますが、完璧な日本語で、気持よく応対してくださいます。 小皿、お茶、お水、レンゲなどは素早く惜しみなく（意外とできないもんです）、 何も言わないでも出してくださいますし、味の好みも伝えれば通してくださいます。 …あと、すっごい美人です。

お店は、味だけでも接客だけでも繁盛しません。 ここはその両方がある、レアなお店だと思います。

それだけに、繁盛し過ぎるとわたしが入れなくなるので 本当は誰にも教えたくないのですが、 教えなければ「魔の土地」が口を開けて待ってますので。。。