円覚寺の舎利殿には、「佛牙舎利(ぶっけしゃり)」という釈迦の歯がまつられています。由来は鎌倉幕府三代将軍源実朝公(1192〜1219)が佛舎利の夢を見られ、宗の能仁寺に使者を遣わして請来され、鎌倉の大慈寺(鎌倉市二階堂:廃寺)に安置されたことによる。
関東大震災で倒壊したが、 昭和4年(1929)に復元した。
この舎利殿は、鎌倉にあった大平寺(たいへいじ・尼寺・廃寺)の仏殿(鎌倉時代末から室町時代初期に再建)を移築したもの。
禅宗様式の建物として国宝に指定され。建物の特徴は屋根の勾配の美しさ、軒の反りの美しさ、柱の細いことがあげられる。
屋根の軒下から出ている、特に上の段の垂木が厨子の骨のように広がりがあり「扇垂木(おおぎたるき)」と呼ばれます。これが屋根を一層大きく。また建物自体は小さいのだが壮大に見せています。長押(なげし)の上に「弓欄間(ゆみらんま)」または「波欄間(なみらんま)」と呼ばれる欄間があります。これは装飾ですが、欄間の隙間から内部に光と風を送って、建物の保存を計っています。 「花頭窓(かとうまど)」は、鎌倉時代後期の特徴として、窓の形が簡素で窓の外枠の縦の線が真っ直ぐになっているのが特徴である。(禅堂・江戸時代の花頭窓は広がる) 外部の柱と基盤の間には、疎石があり、これが柱の下を腐らないようにしている。特に鎌倉は湿気が強いからこのような工夫が必要だった。 屋根はさわらの薄い板で葺いてあり、「杮葺き(こけらぶき)」と言う葺き方で、少しずつ重ねてある。水に強いさわらの木だが(昔、風呂桶や鍋の蓋に使用)、25年に一度は葺き替えなければならない。 内部は正面に佛舎利をまつり宮殿が安置、その前に鎌倉彫の須弥檀(しゅみだん)があり、観音菩薩と地蔵菩薩がまつられている。その上は小さな鏡天井になっている。 舎利殿の後ろの建物には開山の「無学祖元坐像(むがくそげんざぞう)」が安置された正續院開山堂がある。 右隣は円覚寺派の座禅道場になっており、毎年三が日と五月連休、宝物の...
Read moreNormally closed to the public, this building enshrines a tooth of the original Buddha and is open to visitors in early January, May,...
Read moreコロナ禍のため宝物風入は中止でしたが、舎利殿の特別拝観は実施されました。 文化の日の朝一番で訪問、この時期の紅葉はまだまだですが、朝方まで降った雨のお陰で木々はしっとりと良い感じ。
まだ日本史の教科書に載っているのか、年に数回しか拝むことのできない舎利殿は山門から入ってずっと奥の左。思ったよりも小さな国宝は凛としていながらも反り返った裳階がリズミカルで軽快な印象。思わず見とれてしまいます。
ただ現地のお坊さんにとっては、舎利殿は入口?で無学祖元像が安置されているその奥の開山堂の方が重要なのだとか。残念ながらこちらは拝観はできません。
この時期は円覚寺の拝観料の他に舎利殿の拝観料、御朱印も円覚寺と舎利殿があり、結構お金がかかります。まあ年に1回、貴重な文化財に触れることのできる機会なので良しとしましょう。年末年始は混...
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