【人生最期の食事を求めて】元祖札幌成吉思汗の本質を頬張る晩夏の夜。
近頃発表された統計は、日本の労働生産性が緩やかなる改善の兆しを示していることを告げていた。 2024年に至り、名目賃金は30年ぶりに上昇の兆候を示し、実質賃金も遂に微かな増加が期待されるという。 これもまた、いわゆる「新しい資本主義」の理念の下に、賃金の引き上げと生産性の向上が同時に追求される結果であろう。 だが、同時に、企業による働き方改革の名の下、労働時間の大幅な抑制を目の当たりにしてもいる。 確かに過労の防止や、生活と仕事の均衡は守られているように見える。 しかし、私の目には、あまりにも過度に抑制されたその働き方は、かえって企業のコストを上昇させ、賃金を圧迫し、生産性を低下させ、ひいては競争力を削ぐ危険を孕んでいるように映るのだ。 我々は、“会社に重きを置く”価値観から、“仕事そのものに重きを置く”価値観へと転換せねばならぬのではあるまいか。 私見を重ねるならば、労働時間の長短にのみ心を煩わせることは、真に労働の価値を問うことではない。 むしろ、仕事の充実は、すなわち人生の充実に直結するのである。
けれど、現実の机上に身を置けば、時間に追われながらも、如何ともし難い仕事の停滞に、久方ぶりの焦燥と苛立ちが胸を貫いた。 もしこのまま区切りを付けねば、私は半ば永遠に、ひとつの問題に囚われ続けるであろう。 そう思った時、私は時計を見やり、夜も更けた21時過ぎに、思考の糸を断ち切り、外の空気へと身を投じたのであった。
日中の灼熱も、夜の帳とともに翳りを見せていた。 半袖の腕に、涼やかな寒気が微かに触れる。 これこそ、晩夏の札幌の夜の姿であろうか。 私は足を駅前通りに向け、中島公園へと延びる街路を踏みしめた。 空腹という名の深淵が私の胸に蠢き、ついには成吉思汗の煌めく看板に心を奪われた。
札幌を代表するジンギスカンの名店。 ここに至る新店舗もまた、行列を常とする盛況を誇る。 開かれた扉から店内を覗けば、幸いにして空席が私を誘っていた。 安堵の気配とともに、私は店内へと歩を進め、ほぼ中央のカウンター席に案内された。
仕事の焦燥と苛立ちを打ち消すべく、生ビール(中)と共に、「成吉思汗」と「キムチ」を手繰った。 隣席では5・6名の客が、焼ける肉に舌鼓を打ちながらも、なぜか高らかな声で談笑していた。 どうやら出張であるらしい。
ふと、私の脳裏にかつての記憶が蘇った。 遠い過去のだるまの別店での出来事である。 そこでは、会話に耽る大人数の客が注意を受けていた。 「うちはダラダラ飲む店じゃないんだよ」と。 ひとり寡黙に成吉思汗と向き合っていた私には、その言葉の重みが胸に沁みたものだった。 すなわち、成吉思汗は、居酒屋でも焼肉店でもなく、肉と対峙し、寡黙に味わうものこそ至高である、と。
だが、時代は変わったのだろう。 隣の団体客は、肉をつまむよりも酒に耽り、笑声を重ね続けても、店側の咎めはなかった。
それでも、私の手は生ビールを追い、すぐさま大に替え、成吉思汗の焼き具合との格闘に没入した。 時折、キムチやお通しの漬物を織り交ぜ、ハイボールに切り替えつつも、繰り返し肉を求めた。 4皿目を平らげ、ハイボールも底を尽きた時、私はこの店独自のもうひとつの愉しみ、すなわり成吉思汗のタレにお茶を注ぎ、残りを飲み尽くすという悦楽を味わった。 これこそが、いわゆる“だるまスタイル”である。
久しぶりに、成吉思汗を存分に食べ尽くした充足感とともに、私は外に出た。 夜風は幾分冷たく感じ、晩夏の名残を告げるかのようである。 かすかな風に、成吉思汗の香ばしい匂いが衣服に纏わりつき、辺りに漂う。 焦燥は消え、心には静謐が満ちているように錯...
Read moreHave been visiting Daruma’s different locations for about ten years, first time in this shop though. The quality of the lamb I had for this visit has significantly declined compared to a few years back, not sure if it is the same with other branches. The server indicates the lamb is ready but in fact it is not, I can hardly chew nor swallow it. The price has gone up a lot as well, it’s not justifiable. I rather eat something else than queue up for an hour to eat some...
Read moreThis is a chain of the original Daruma. We were waiting outside of 5.5 when a lady came out and told us if we didn’t want to wait to go to another branch….which was the 7.4. So recommend going to the 7.4 I guess this is a newer branch and sure enough we didn’t have any queue.
The meats were all good as expected. Ordered all 3 meats. Added the kimchi as...
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